次世代「お直し」店に密着!「眠った服」劇的リメイク術:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

1着作るのに何百人、何千人が絡んでいる...捨てられるのは寂しい

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。7月23日(火)の放送では、シリーズ「あなたの"愛用品"その行方」第3弾として、一度使わなくなった服を再利用するビジネスを追跡。"タンスの肥やし"を蘇らせる企業努力を取材した。

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東京、大阪、千葉に3店舗ある洋服のお直しとリメイクの専門店「サロン・ド・リデザイン・クローゼット」。日々、お客から思い出の詰まった服が持ち込まれる。劇団の公演Tシャツの特別バージョンで大事にしまっておいたものを自分に合うサイズにしたいという依頼や、母が35年前に着たウエディングドレスを今風のデザインのドレスに変えたいという依頼など、その思いは実に様々。

「サロン・ド・リデザイン・クローゼット」を運営するのは、OEM(※相手先ブランドによる生産)事業などを展開する大阪のアパレル商社「ホープインターナショナルワークス」。日本には、着られない服が10億着あると言われている。「ホープインターナショナルワークス」の高村三礼社長はここに目をつけた。社員数50人の同社にはデザイン提案から縫製まで一貫して行える職人が揃い、高い技術力を生かして2016年より今までにないお直しサービスを開始した。

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「1着作るのに何百人、何千人が絡んでいる。捨てられるのは寂しい」。高村さんは「サロン・ド・リデザイン・クローゼット」を始めた理由をそう話す。大学卒業後、老舗の繊維商社に就職してスーツ生産を手掛けたが、会社が倒産。「自分らしい服を作りたい」と起業した。

家では3児の父。クローゼットには学生時代に買ったTシャツやジャケットが並ぶ。妻は「酔っ払って帰ってきても脱ぎ捨てることは絶対ない。洋服を大事にしている」と笑う。

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今春、東京・原宿に高村さんの姿があった。7月中旬に、新たな「お直しサービス」の店を原宿に開店するという。本社では、入社4年目で縫製部門に所属する比嘉俊さん(27)が高村さんから呼び出され、店長として抜擢された。高村さんは「リーダーっぽくなってきた。ファッション感覚もいい」と選んだ理由を話す。

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沖縄出身の比嘉さんは、働きながら学費を稼ぎ、夜間の専門学校でファッションを学んだ苦労人だ。同社に入った理由は「デザイナーはデザインだけ、じゃなく全部に携わることができる」から。これまで有名ブランドのサンプルやリメイクを手掛けた実績を積んできた。

6月中旬、高村さんと比嘉さんは大阪市内の古着店を訪れ、穴や傷などで売り物にならない服を仕入れた。使い道のない古着を加工し、原宿店で販売しようというのだ。一方、比嘉さんのアイデアで集めていたのは、過去にデザインを決めるときに作った「サンプル品」。廃棄の可能性があるものを使えばコスト軽減につながると考えた。

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7月4日、大阪の社内では出来上がった商品の品評会が行われた。ハンガーには原宿店で販売予定のアイテムがズラリ。ところが社員の反応は芳しくない。まるで既製品のようでリメイクの良さが伝わらない、とのこと。高村さんは「みんなが持っているアイテムを"劇的に変えられる"と思えるものが欲しい」と比嘉さんに伝える。開店まであと10日、果たしてリメイクの魅力を打ち出した理想の品を完成させることができるのか......。原宿店がオープンするまでを追う。

短時間で誰でも査定ができるサービスを提案

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古着を買い取って販売するリサイクル店でも新たな取り組みが。全国で57店舗を展開するリサイクルショップ「ベクトル」の宅配買い取りサービス「フクウロ」が好調だ。岡山市内の大型倉庫には毎日200箱、月10万着以上が全国から届き、査定・買取をしている。

一方で、店舗での買取りは低迷している。最盛期には96店舗まで拡大した「ベクトル」だが、この2年で半分近くの閉店を余儀なくされた。理由は個人が自ら売買できるフリーマーケットアプリの台頭。2003年にベクトルを創業した村川智博社長(42)は「努力をしなければ淘汰される」と新たな一手を打ち出す。

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6月上旬、村川さんは熊本市に本社を置く「中園ホールディングス」を訪れた。全国約7000店のクリーニングチェーン「ホワイト急便」を展開する同社に、村川さんはiPadを使った自動査定システム「キャッシュプロ」を提案する。

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キャッシュプロとは、短時間で誰でも査定ができるシステムだ。"ブランド名、カテゴリー、使用状態"などを選択し、内蔵カメラで撮影。入力した情報と画像をデータベースに送信し、過去の買い取り価格などと照らし合わせることができる。専門の査定スタッフがいなくても買い取りができるサービスをクリーニング店など普段使いのお店に置き、買い物などのついでにいらない服を売ってもらうのが狙い。

「ホワイト急便」の岩永真人さんは「すごく魅力的」と高評価。しかし、低価格査定になった際の客の落胆やオペレーションの混乱を懸念する。全国展開するホワイト急便で導入してもらえればサービスを拡大する足掛かりになるが、一体どうすればコラボが実現するのか......。業界を取り巻く厳しい状況を打破する一手を追った。

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クローゼットに眠る服に再び命を吹き込む取り組みを、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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