「生きるために食べてなかったんや」と痛感! 小籔千豊×上出遼平が”ヤバい飯”を語る

公開: 更新: テレ東プラス

人間は何かを食べなければ生きていけない。しかし、普段の生活において"食"というものを強く意識している人はどれぐらいいるのだろうか。ましてや、食べ物がなくて困るといった状況に陥ることがほとんどない日本人にはピンと来ない人が多いかもしれない。

そんな"安全地帯"にいる我々にとっては驚くような映像が続々登場する異色のグルメ番組が、1年ぶりに復活。「ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート~ヤバい世界のヤバい奴らのヤバい飯~」とタイトルもパワーアップし、7月15日(月・祝)午後9時から2時間SPとして放送する。初のゴールデンタイム、本当に放送できるのか!? 初回から番組に出演する小籔千豊と、上出遼平プロデューサーに話を聞いた。

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知っていたはずなのに忘れていたことを突きつけられる

――今回も衝撃的な映像が飛び出すとのことですが、まずは改めてこの番組の魅力とは?

小籔「ニュースでは教科書では分からんことが、この番組には詰まっていると思います。でも、実はみんな薄っすら分かっていることなんですよ。『そうやろな』と何となく想像はしていたけど、実際に見たら『やっぱり、そうか』と思う。知っていたはずなのに忘れていた自分がぬるいなと感じますね。

親がよう言うてました。子どもの頃、ご飯を残したら、『地球上には食うか食えへんかの生活をしている人がおんねん。自分では食べんと、子どもにご飯を食べさす親がおんねん』と。それを思い出しますね」

上出「おっしゃる通りで、たぶん全く知りもしない世界ではないんですよ。臭いものにフタをするではないですけど、あえて目を瞑っていたものが明らかにされた時に、独特の感情が生まれる。それがこの番組の大きな意味であり、魅力になっているのかと思います。

もう少しエンターテイメント的なことでいうと、どんな番組よりも予測不可能で、全く思いもよらないことだけが起こっていく。僕らも台本もないですし、こんなところにこんな人がいるらしいということだけで行くので、現場ディレクターですらわけがわからず振り回されていく。その圧倒的な流れに身をゆだねるような感覚が、前のめりにみてもらえるところかなと思います」

"ヤバい"の意味合いを変えながら新しいものを

hyperhardboiled_20190714_002.jpgゴミ山で肺を病みながら暮らす青年(ケニア)

――初のゴールデンタイムですが、深夜とは映像や表現などで変えたことはありますか?

上出「内容も想定したターゲットも変えたつもりはないですね。深夜のときから映像的に刺激の強いものではありますが、老若男女問わず知ってもらいたいこと、誰もが興味を持てることをメッセージとして伝えようとしているので、そこは変えていません。だから、この時間に見ていただけるのかというのは、不安もありますね。

ただ、今回アフリカのゴミ山の話がメインになっていますが、ものすごくキレイです。ゴミ山ですが、天国のような世界が広がっていたりして。そこで暮らす人が主人公になるのですが、彼の生き方もすごく美しい。一瞬、食事どきに見るには合わないなと思うかもしれませんが、ちゃんと見ていただけたらすごく美しいものになっているんじゃないかなと思います」

hyperhardboiled_20190714_003.jpgゴミ山で肺を病みながら暮らす青年(ケニア)

――第1弾がギャラクシー賞を受賞しましたが、それによる番組作りへの変化はありましたか?

上出「確かに、プレッシャーという部分では増しました。第1弾は何のプレッシャーもなく『これが面白いだろ!』と放り投げた感じでしたが、思いのほかいろんな人に認めてもらったことで、それを越えなきゃいけないと思いながらも、会社としては"危険"に対して非常にセンシティブというところもあって。逆に危険とは違う"ヤバい"を模索していきたいというのが、カルト教団やセルビア難民などを追った第2弾でした。ヤバいという意味合いを自分の中で変えながら新しいものを見せていきたいと思います」

「生きるために食べてなかった」と痛感

――この番組を通じて食に対する意識は変わりましたか?

小籔「日本で生きる僕らは"生きるために食べてなかったんや"と思いましたね。楽しむものとか、会話のきっかけ、なんやったら女の子を口説くときに使うツール。本来、僕らは生きるために食わなあかんということを思い出させてくれるような番組。そのへんの"食育"より、はるかに食育な番組だと思います」

上出「この番組を見せたい人はいますか?」

小籔「学校の先生や、若いお父さん、お母さん、国会議員の方たち......いろんなポジションの日本人に見ていただくのがいいのかなと。見る立場、見る角度によって感じ方が全然違うと思うんですよ。『こういう商売があるんだ。じゃあ、あの国でやってみよう』と思いつく人もいるかもしれんし、難民の実情を知って『助けにいこう』とボランティア活動に興味を持つ人も出てくるかもしれない。

これまで日本では、いかに害のない毒のない、みんなが楽しめる番組ばかり見てきたのかと痛感します。"安全地帯"におる者の中でのケンカというか、人間全体でいうたら、めっちゃしょうもないことで揉めたり、誰かをディスったりしているんやなと。だから(この番組は)親鸞の本を読んだ時ぐらいの衝撃ですよ。『俺、人間なんや』と感じさせてくれる存在。当たり前のように安全で、当たり前のように食べてという生活を自分が何十年もやってきたことに、逆にビックリしたというか。

5人ぐらいで集まってこの番組についてしゃべろうとなったら、毎月2回やっても1年ぐらいはしゃべれますね(笑)。宗教、倫理、道徳、医療、政治、社会の仕組み、富の分配......そういう話になっていくと思うんですよ。だからDVDにして学校で見せるべきですよね」

小籔も一人で海外ロケに!?

hyperhardboiled_20190714_004.jpg人食い山の炭鉱飯(ボリビア)

――今後、小籔さん自身がロケに行くということもありそうですか?

小籔「基本的に、僕は、ロケは美味しいものが食べられるとか、行ったことがない場所、例えば世界遺産の厳島神社とかに行けるようなものがあったら行ってみたいと思っています。そういう意味では、この番組は真逆ですよね(笑)。

でも、いつかは行かせてもらいたいという思いはあります。その時は、しっかりと海外旅行の保険をMAXかけると思いますけどね(笑)」

上出「過去のもので行きたかったところはあります?」

小籔「元少女兵に密着したリベリアか、難民事情を追ったセルビアがグッときましたね。セルビアは切なかったです。日本に住んでいる僕らはいかに安全すぎておかしな状態になっているのかが、浮かび上がった気がしました」

上出「例えばアフリカに行くとして、ホテルとか食べ物は大丈夫ですか?」

小籔「僕、お肉は食べないんですけど、虫は食べれるんで。コオロギとか」

上出「シャワーはお湯が出なくても平気ですか? 気温18℃ぐらいで」

小籔「まぁ、本来やったらたぶんNGなんですけど(笑)、この番組やったら行かせていただきます」

上出「カメラとか撮られたりします?」

小籔「えっ! 一人で行かそうとしてるんですか?(笑)」

上出「番組のスタイル的には一人かなと」

小籔「それでもいいですよ。一番好きな旅行先は(安全でキレイな)シンガポールの僕にとって、普通に生きていたら行けないようなところですし、なかなかできない経験ですからね。キレイなだけが世の中じゃないということを、僕らは、特に日本人は知るべきやなと思います」

――これまで番組に登場した"飯"で、食べてみたいものはありましたか?

hyperhardboiled_20190714_005.jpg人食い山の炭鉱飯(ボリビア)

小籔「正直食べたいなと思ったものは、ひとつもないです。基本的に和食が好きなので。この番組では、日本では感じられない『生きるということ』『食べるということ』を考えさせられたり、『正義や倫理観というものはモロいもんなんやな』と感じたりしたので、人生の勉強のために行かせていただけたらと。決して、ご飯目的ではないです(笑)」

上出「ちなみに、今日の夕食は何を食べようかなって考えていらっしゃるんですか?」

小籔「そうですね。まだ決めてないですけど、西麻布のイタリアンか、恵比寿のちょっと高めの居酒屋に行こうかなと」

上出「そうですかぁ......前回の収録後、『自分の食事を考え直さないと』とおっしゃっていたので......あれから約1年経っちゃったから、やっぱりこうなるんですね(笑)」

小籔「ホンマにすみません(笑)。ただ、"これを食べたら栄養になって僕の体を作っているんだな感"は増してます。ちゃんと食べなきゃいかんという意識は強くなりました。それは、この番組のおかげかもしれません」

今回の2時間SPには、番組の大ファンだという有吉弘行がゲストとして登場! 小籔は「有吉さんは、ほぼ同年代の中の超ウルトラハイパー覇者。その覇者が衝撃的な映像を見て、何を感じて、どんなことを話すのか僕自身も興味があります」と共演を楽しみにしている様子。ヤバいVTRを見た、二人のリアクションは!?

ケニアのゴミ山、ボリビアの人食い山のヤバい

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7月15日(月・祝)夜9時放送の「ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート~ヤバい世界のヤバい奴らのヤバい飯~」では、ケニアのゴミ山で肺を病みながら暮らす青年や、南米ボリビアの"人食い山"と呼ばれる鉱山で命をかけて働く炭鉱夫、ブルガリアのドナウ川でのキャビアのためチョウザメを狙う密漁者というディープな人々を徹底取材!

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出演は前作に引き続き小籔千豊。ゲストは有吉弘行。さらに、今回は番組初の試みとして副音声の生放送を実施。ゲストに「闇金ウシジマくん」の作者で漫画家の真鍋昌平先生を迎え、ディレクター陣とともにコアなエピソードを語ります。ぜひこちらもチェック!

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