エアコンはつけっぱなし? 寝苦しい夜もぐっすり眠る方法

公開: 更新: テレ東プラス

すでにジメジメ、ムシムシと寝苦しい夜が続いていますが、梅雨があければ夏本番の熱帯夜がやってきます。うだるような暑さの中、ぐっすり眠る方法はあるのでしょうか。

さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、今回は東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生に「寝苦しい夜の快眠方法」についてうかがいました。

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【快眠ポイント1】エアコンは一晩中つけっぱなし

nanairo_20190707_02.jpg画像素材:PIXTA

室温26℃、湿度50%
快眠のために重要なのは「温度」と「湿度」。エアコンをつけっぱなしにして、部屋の温度は26℃、湿度は50%程度を保つこと。除湿には、サーキュレーターや扇風機で、部屋の空気を循環させるのも効果的です。

腹部にタオルケットをかけるだけは×
体の表面を冷やすのではなく、吸い込む空気を涼しくして体の深部体温を下げることが大事。夏場は、腹部にタオルケットをかけるだけという方も多いですが、これはNG。快眠のためには心臓より上を涼しく、下は布団の中で温かくが鉄則。

エアコンつけっぱなしは電気代がもったいない......という方は、凍らせた2lのペットボトル2本を部屋に置くことで除湿の効果が期待できます。しかし、熱中症は、温度と湿度の関係によりリスクが高まります。電気代と命は秤にはかけられませんよね。

「特に高齢者の方は暑さを感じにくいため、症状に気が付かないまま大事に至ることも。自分の感覚を過信せず、部屋に温湿度計を置いて数字で意識することが大切です」(梶本先生、以下同)

【快眠のポイント2】寝るときは長袖長ズボン

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裸はNG! 長袖長ズボンのパジャマを
寝るときの服装は、夏場でも長ズボンのパジャマ! 素材は通気性がよく、涼しいものを。

快眠の鉄則である深部体温を下げること。汗をかき、汗が気化することで体温が下がります。しかし、肌と肌が密着すると、汗が気化しにくく熱がこもってしまいます。肌が触れ合う部分を少なくするため、通気性のよい生地で肌を覆うことが重要なのです。

「インドなどの暑い地域の方が長袖長ズボンで過ごしているのは、とても合理的。裸で寝るのは涼しいような気もしますが、肌が密着することでかえって寝苦しくなってしまうので気を付けましょう」

さらに快眠度がアップする睡眠TIPS

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快眠の大きなポイントは、部屋の温度と湿度、体の深部体温を下げることだとわかりました。その他にも、寝苦しい夜にぐっすり眠る方法はあるのでしょうか。生活の中での疑問について質問してみました。

Q1. トイレが心配なので、寝る前にあまり水分を摂らない方がいい?

「就寝中は汗をかきます。脱水症状を防ぐために、就寝前と朝起きてすぐ、コップ1杯程度(200cc)の水分を摂りましょう。

『寝る前に水分を摂ると夜中にトイレに起きてしまわないか心配』という方は、元々の眠りが浅いことが原因のことも多い。まずは快眠のための対策を。快適な睡眠環境を整えれば、水分を摂っても朝までぐっすり眠れます」

Q2. 寝る前の入浴はシャワーだけでもいい?

「夏場はシャワーだけでもいいですね。湯船に入る場合は、39℃程度のぬるめの湯に、心臓より下までの水位でつかりましょう。

また、冷感効果のある入浴剤は、むしろ長湯してしまうことになり快眠のためには逆効果。体温調節で体に負荷がかかりやすい夏場は、入浴で汗をかくことは避けましょう」

Q3. ひんやり冷感シーツやマットは快眠効果がある?

「冷感アイテムのなかには、ひんやりした感覚を与えるだけで、身体を芯から冷やしてはくれないものもあるので要注意です。頭やおでこを冷やす氷枕や冷感シートなども、表面温度を下げるだけなので効果はあまり期待できません。

大事なのは深部体温を下げること。吸い込む空気、すなわち室温を下げることで体の中から深部体温を下げてくれます。また、冷たい水を飲んだり、首、脇、そけい部など大きな血管が通っている箇所を冷やすことが有効です」

Q4. 扇風機をつけっぱなしにして寝ると死ぬ?

「死ぬとまではいかなくても、体にはあまりよくありません。冷たい風が当たる体の一部だけ冷やすことになり、自律神経のバランスを崩すことも。寝るときは、扇風機は体に直接あてず、室内の空気を循環させる目的で使いましょう」

寝苦しい夜、快眠のためによかれと思っていたことも、実は逆効果だった!ということもあったのではないでしょうか。正しい知識を身に付けて、きたる熱帯夜に備えましょう。

※この記事は梶本修身先生による見解に基づいて作成したものです。

取材協力:梶本修身先生。東京疲労・睡眠クリニック院長。大阪市立大学大学院 医学研究科 疲労医学講座 特任教授。数多くの講演やメディア出演があり、ゲームの監修なども手掛ける。著書は『疲労回復の名医が教える誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』、(アスコム)、『すべての疲労は脳が原因』シリーズ(集英社新書)など多数。
東京疲労・睡眠クリニックHP:http://www.疲労クリニック.com/

梶本修身先生も出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時26分からのOAも要チェックです!

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