文房具は”出会いもの”。文房具が大人の趣味として人気なワケ

公開: 更新: テレ東プラス

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お気に入りの筆箱に、買ったばかりの鉛筆やボールペンを入れる。ノートを綺麗に取るために、色とりどりのマーカーを揃える......。子供のころ、誰もが一度は文房具集めに夢中になったのではないだろうか。

そんな文房具が、大人の趣味として根強い人気を集めているという。今回は、表参道にある文房具好きのオアシス「文房具カフェ」の店長・市川さんに、文房具の世界とその魅力について聞いてみた。

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多様化する文房具の世界。共通の魅力は「満たされること」

――大人の趣味として文房具が人気だそうですね! これは、どのように楽しまれているのでしょうか?

身も蓋もない答えですが、本当に人それぞれですね。一口に文房具といっても、ペンや筆などの書きものから、ハサミやマスキングテープまで多種多様です。可愛いものをコレクションする若い女性もいれば、イラスト制作のために高機能なペンを揃える美大生など、その方の日常生活に紐づいている部分もあります。万年筆好きなご年配の方たちが、文房具カフェに集まってお披露目会をしていたこともありました。

――言われてみれば、確かにひとくくりにはできないかもしれません。

さらに、最近は文房具がどんどん多様化していているんです。たとえば、ゼブラ社から発売された「ブレン」というペンですが、よかったら紙に試し書きしてみてください。なにが違うかわかりますか?

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――あっ! 名前の通り「ブレない」です。

そう、これはペン先が全くブレないように固定されたペンなんです。でも、普段からボールペンを使っていて、ブレが気になっていた人って多くはないと思うんですよ。それをあえてこだわるところに狭くて深いニーズがあるし、メーカーさんのクリエイティブな仕事があるわけです。

だから、文房具の楽しみ方は本当に千差万別なんですが......皆さん共通しているのは、「満たされている」ことですね。

――満たされているとは?

ずっと欲しかったブランドもののバッグを購入したら、心が満たされるじゃないですか。それと同じで、お気に入りの文房具は、所持しているだけでハッピーなんです。理屈じゃない世界ですね。あと、文房具って可愛げがある。見た目がキュートなのはもちろんですが、使い込むうちに手に馴染んできたりもするから、愛着が湧きやすいんです。

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――確かに。子供のころ、長年使っている鉛筆は不思議と大切にしていました。

文房具って"出会いもの"なんですよ。お客さまからはよく「最高のペンを見つけちゃった!」「これが一番だと思っていたら、超えるものに出会っちゃった!」みたいなエピソードを聞きますね。自分にハマるアイテムと出会った瞬間は、言葉では言い表せないくらい興奮するそうです。また、大手メーカー以外にも数多くの中小企業やベンチャー企業が製品を開発しているので、思いがけない掘り出し物との出会いもある。だから一生ものの趣味になるんだと思います。

コミュニケーションが生まれ、深まる......人と人を繋ぐ文房具

――5000点以上の文房具が使い放題の文房具カフェでは、さまざまな文房具ファンの方と交流してきたと思います。そこで気づいた文房具の魅力についてもお聞きしたいです。

文房具はただの"道具"じゃなくて、人と人を繋いでくれます。お客さまと会話するきっかけになるのはもちろん、時には「昔このペンを使っていました」なんてお話から、その人のルーツに触れることもあるんです。お店の主役のはずなのに、上手に脇役もこなしてくれるんですね。

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――お客さまとの距離がグッと縮まりそうです。

もちろん、お客さま同士の距離も縮めてくれます。親子で和気藹々とお絵描きを楽しむ。友人やカップルで内輪ネタを落書きして盛り上がる。アニメファン同士で好きなキャラクターを描いて感動するなど......。あくまでも肝はコミュニケーションですから、万人共通で楽しめますよね。

「絵が上手くないから」と遠慮して文房具を使わないお客さまもいらっしゃるのですが、絵心なら私もありません(笑)。そこで私が絵を描いてみせると、「それなら自分も」と言ってペンを取り、最終的にはすごく盛り上がります。文房具をきっかけにコミュニケーションが生まれ、文房具を使うことでコミュニケーションが深まる。素敵なことだと思います。

――幼少期から気づいたら使っている文房具だからこそ、皆さん平等に楽しめるのかもしれませんね。

文房具は、いろんな人をハッピーにする可能性を秘めています。本当に懐が深いですよ。だから、文房具カフェのコンセプトにも「人と文房具が出会うことで、新しい何かが生まれるかもしれない」という一文が含まれています。これからも文房具から始まる出会いや繋がりを大切にしながら、その魅力を伝えていきたいですね。

文房具カフェ
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目8−1
営業時間:11:00 - 22:00(火曜定休)
03-3470-6420
※この情報は、2019年6月17日時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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