元モデル&DJ坂田かよの間借りカレー店、渋谷「ランチタイムアマリリス」

公開: 更新: テレ東プラス

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「路地裏の知られざる名店や、オープンしたばかりの期待の新店、地元の人たちに愛されているお店など、まだまだ知られていない美味しいお店がこの世界にはたくさんあるはず」。そんな思いとともにテレ東プラス編集部が気になったお店に伺い、その様子をご紹介して行きます。今回は、元モデル&DJが営む渋谷の間借りカレー店をお邪魔します。

平日昼間のみ営業する間借りカレー店「LUNCH TIME Amaryllis」

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やってきたのは、JR渋谷駅から青山学院大学の方面に向かって徒歩約8分。グルメ街として知られる渋谷二丁目エリア、通称"渋ニ(しぶに)"にある「LUNCH TIME Amaryllis(ランチタイム アマリリス)」。2018年3月にオープンした、平日昼間のみ営業する間借りカレー店です。

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間借りとは、店舗を構えずに、バーなどの飲食店の空き時間を借りて営業するスタイルのこと。「ランチタイム アマリリス」は、「GARAGE CAFE MANX by ROLL(ガレージカフェ マンクス バイ ロール)」というバーの空き時間を使って、営業をしています。

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イギリスのガレージをイメージした店内は、工具などが装飾されています。席数はカウンターとテーブルを併せて12席。

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フードメニューは、「今週のカレー」(800円)のみ。「キーマカレー温玉のせ」と「バターチキンカレー」の2種類を週替わりで提供しています。

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訪問した日は「キーマカレー温玉のせ」の週。
プレートの中心に、ごはんとキーマカレー、温玉。そして、その周りに「パプリカのピクルス」「アーリーレッドのピクルス」「ミニトマト」「コールスロー」「パクチー」「フライドオニオン」がトッピングされ、色鮮やかに盛り付けられています。付け合わせは、旬の野菜を使用するため、時期によって異なります。

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「付け合わせとカレーを混ぜ、味を変えながら、最後まで飽きずに食べてもらいたい」。こう話すのは、店を1人で切り盛りする店主・坂田かよさん。

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キーマカレーは、玉ねぎやトマトの甘みを感じられる優しい味わい。スパイスはクミン、ターメリック、レッドチリをシンプルに使い、じんわりと効く程度。隠し味にはワインビネガーを入れ、程よい酸味と爽やかさをプラス。またスパイスや食材を炒める際には、ギー(※)を使っているといいます。ごはんは、カリフォルニア産のカルローズを少し硬めに炊いています。カルローズは、日本米とタイ米の中間のような軽い食感が特徴で、アメリカをはじめとした海外では、ヘルシーなお米として知られています。

※ギーとは...インドを中心とした南アジアで使われている、バターオイルの一種。無塩バターなどを煮詰め、水分やたんぱく質を取り除いた純粋な乳脂肪

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「娘を出産してから、体にいいものを摂ろうという思いが生まれました。食事は毎日のことですし、食事で身体ができていると思っています。だから自分が信用している食材のみを使っています。カレーも毎週通ってもらえるように、あえて奇をてらったことはせず、体調を考えた味わいに仕上げています」(坂田さん、以下同)。

おしゃれな見た目とは裏腹に、母の味がするカレーたち。ちなみにテイクアウトも可能。また月額制ランチテイクアウトサービス「POTLUCK」も行なっています。

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ドリンクには「手作りラッシー」(ドリンクセット1,000円)を用意。甘さ控えめのラッシーは、ヨーグルトと牛乳、レモン汁、塩、砂糖に加え、スパイスのクミンパウダーも少々。「クミンパウダーを入れることで、消化を助けられれば」と坂田さん。

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他にもコーヒーやルイボスティ、ランチビール数種類をそろえています。

モデル、DJとして活動してきた坂田かよがカレー屋を始めた理由とは?

坂田さんは、19歳からモデル業をスタート。それと並行してDJ活動も始め、女性ロックDJの先駆者として、その名をとどろかせてきました。そんな坂田さんが、なぜ間借りカレー店をはじめようと思ったのでしょうか。

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「色々と人生について悩む時期があって。自分の生きている世界が狭いと感じ、新しい世界に身を置いてみたいと思うようになったんです。それで公共職業安定所で求人を探し、リクルートスーツを着て面接に行きました」(坂田さん、以下同)

なんと意外なことに、就職活動を始めた坂田さん。熱心に活動をつづけた結果、IT企業に就職します。しかし「とにかく全然仕事ができなくて(苦笑)。効率が悪いし、落ち込むことばかり。私って本当にダメな人間なんだなって思いました。会社の人たちは優しくしてくれましたが、『坂田さんに向いていることは他にもあると思う』と言われてしまい......」

仕事ができない不甲斐なさからIT企業を半年で退職し、また一から仕事を探すことに。とはいえ、年齢的にも求人が少なく、また会社員としてのキャリアもないことから、仕事探しは難航します。そんなタイミングで再会したのが、「ガレージカフェ マンクス バイ ロール」 のマスター・下山広史さんです。昔からの友人関係であったこともあり、間借りとしてバーのスペースを貸してもらうことになったのです。

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「カウンター内にキッチンスペースがないので、店内で調理をすることはできず、自宅で仕込むしかありません。今の自分ができること、そしてこの場所でできることを掛け合わせた結果が、間借りカレー店でした。カレー店での修行経験はありませんが、とにかく始めてコツコツとクオリティをあげていくしかないと。あの頃は必死でした」

下山さんとの話し合いから1カ月後には、「ランチタイム アマリリス」をオープン。店名の「アマリリス」とは花の名前のこと。そしてロゴは、飼っているキジ猫・しげるをモチーフに、ペインターのHIROTTON(ヒロットン)さんに描いてもらいました。

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オープンしてから1年数カ月。常連のお客さんもでき、閉店時間前にカレーが売切れることもしばしば。「お客さんから直接『おいしかった』と言ってもらえる時はすごくうれしく、こんな素敵な仕事って他にある?と思うほど(笑)。平日昼間だけの営業にしたことで、娘と一緒に過ごす時間も増えました」と坂田さん。

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自分らしく働ける場を見つけた坂田さんは、昔からやってみたかったというバンドを結成。現在は「Blue Period(ブルー・ピリオド)」のボーカルを務めています。2019年秋には、7インチのシングル盤を発表する予定で、精力的に活動を続けています。(バンド活動情報はこちら

坂田さんが作り出す空間は居心地がよく、つい通いたくなってしまうほど。ぜひ、平日のお昼は「ランチタイム アマリリス」に足を運んでみてはいかがでしょうか。

【店舗情報】
LUNCH TIME Amaryllis(ランチタイム アマリリス)
住所:東京都渋谷区渋谷2-7-13 福本ビル 1F
電話番号:03-3409-7023
営業時間:11:30~15:00 ※売り切れ次第終了
定休日:土曜、日曜、祝日
URL: @lunch_time_amaryllis
※価格はすべて税込

※この情報は、2019年6月10日時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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