“ハワイ攻防戦”を独占取材!JAL×ANA熾烈な争い:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

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※6月4日(火)の放送は「全仏オープンテニス2019」中継のため、休止の可能性がございます。

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。6月4日(火)は、「JAL ハワイ決戦!~シリーズ『激烈!航空戦争』前編~」を放送。長年「日本航空(JAL)の牙城」とされてきたハワイ路線。そこに、ANAが大型機を投入し路線を強化する方針を発表した。番組では、ライバルを迎え撃つJALに密着取材し、ハワイを巡るJALとANAの激しい攻防に迫る。

「空飛ぶホテル」に対抗するJALの秘策

JALが初めてハワイ便を就航させたのは、創業まもない1954年。ホテルと合わせたパッケージツアーの販売に力を入れ、「ハワイと言えばJAL」というイメージを確固たるものにしてきた。しかし、2010年に経営破たんすると、事業規模を大幅に縮小し、路線の新設もできなくなってしまった。一方ANAはその間に、急ピッチで事業を拡大。2014年、JALは国際線の規模でANAに逆転された。それでも、ハワイだけはいまだ圧倒的なシェアを死守し、JALにとっては最後の砦だ。

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ところが、ANAが超大型機エアバスA380の導入を発表。「空飛ぶホテル」とまでいわれ、520席を持つ世界最大の航空機だ。ANAはハワイ便のシェアを25%にまで増やし、JALの牙城を崩しにかかる。ANAの平子裕志社長は「『ハワイと言えばJAL』という概念をぜひ変えたい」と息巻く。

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これに対し、JALの赤坂祐二社長は「ハワイを作ってきたのはJAL。全日空よりはるかに長い経験と知見がある」と語り、ライバルには真似できない商品づくりでハワイの地位を死守する姿勢を示した。

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そして、鍵を握る商品づくりを任せられているのが、ジャルパックの五明田豊さん(45歳)だ。ジャルパックは、JALグループの旅行会社で、従業員数は約760人、売上高は1820億円。世界77の国と地域の旅行商品を販売し、JAL航空券の売り上げを支えている。中でもハワイは、海外旅行の売り上げの4割を占めている。五明田さんは、グアムなどを担当した後、5年前からハワイ企画担当のリーダーに抜擢された。「ハワイは仕事でしか来たことがない。プライベートで行くのがうらやましい」と話す。

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五明田さんが目下取り組むのはANA対策だ。この日向かったのは、老舗ホテルの「ロイヤルハワイアン」。このホテルの専用ビーチはワイキキの中心にあり、他のホテルからもよく見える絶好の場所だ。

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そこで五明田さんは、ビーチのパラソルにJALの鶴丸マークを入れてもらえないかという、大胆な案を交渉し始めた。「今までだったら、こんなことをホテルと交渉していない」と語る五明田さんからは、「JALの牙城」を守るという必死の思いがあった。

さらに、ある強力なパートナーとこれまでにない商品を作ろうとしていた。そのパートナーとは、ハワイを拠点とするハワイアン航空。かつてANAと提携していたが、2017年にJALがその座を奪った。

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五明田さんたちは、「JAL×ハワイアン航空」だからこそできるツアーを企画・販売していた。半年後のツアーを100席限定で売り出すと、すぐに申し込みが。順調な滑り出しのように見えたが、この頃、JALとハワイアンの蜜月関係にライバルANAから「待った!」の声が...仁義なき戦いが始まった。

ハワイ島がピンチ...JALが手を組む意外な相手

ハワイ諸島最大の広さを誇るハワイ島。JALは週7便、日本から直航便を飛ばしているが、ANAは1便もない。まさに「JALの牙城」だが、今この島がピンチに。キラウエア火山の噴火の影響で客足が戻らないのだ。以前は火山の「ハレマウマウ火口」からグツグツと噴き出すマグマを見ることができたが、噴火で火口が崩壊し、今は煙しか見ることができない。

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ジャルパックとともに、ハワイ島の観光を盛り上げてきた「まさしネイチャースクール」の中田正司社長は、「溶岩の噴出のダメージがずっと続いて、34%のマイナス」と厳しい事情を話す。地面の切れ目から溢れる真っ赤な溶岩を間近に見ることができる「トロトロ溶岩ハイキングツアー」は無期限中止に。ハワイ島の現状を目の当たりにした五明田さんは、「このままいってしまうと、路線収支としては厳しい」と話す。

新しい観光の目玉はないか? 目をつけたのが、富士山より高い標高4200mのマウナ・ケア山。各国の天体観測所が並ぶ星空鑑賞には最高の場所。五明田さんは、星空鑑賞でファミリー客をハワイ島に呼ぶプランを考えた。さらに、山頂へと向かう一行。日の出を迎えると、そこには、海、街、太陽、雲海が見渡せる絶景が広がっていた。

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ハワイ観光の新たな目玉になると考える五明田さん。同時に、「まずハワイ島を知ってもらうために宣伝をしていかないといけない時に、どうしても我々1社だけではできない」と考えていた。そこで、声を掛けたのは、なんとライバルのJTBと近畿日本ツーリスト。社内の猛反対を押し切り、業界の常識破りとも言えるとんでもない構想に乗り出した。

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JALとANAのハワイ決戦を密着取材で捉えた「ガイアの夜明け」は、今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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