気になる口臭、4ステップの「うがい」で解消!

公開: 更新: テレ東プラス

あの人の口臭、気になる......。もしかしたら私も臭ってる? 口臭に関するトラブルはナイーブな問題ですよね。指摘することも、されることもなかなかないため、自己管理が大切です。

さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時28分~放送中)から、今回は歯科医で日本口臭学会認定医の福田久美子先生に「口臭の原因と対策」についてうかがいました。

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口臭の原因とメカニズムは?

まずは口臭の原因と、なぜ臭いを発生するのかを理解しましょう。口臭の原因は「口腔」「ノド」などの局所的なものと、全身的なものの2種類あり、その大半が前者だそうです。

【口腔が原因】
・歯周病、虫歯、舌苔などの口内トラブル
・食べかすなどの付着
・唾液の量が少ない、あるいは質が悪い

口内に生息する「嫌気性菌」(無酸素状態でも繁殖、活動する細菌)が、食べかすや新陳代謝により生じたタンパク質を分解し、硫黄ガスを発生。このガスが口臭です。
歯周病による歯周ポケット、虫歯による深いくぼみ、じゅうたんの様になっている舌やノドノ凹みなどは、嫌気性菌の格好の生息環境となってしまいます。

【全身的な原因】
・腸内環境の不調
・糖尿病、腎臓病などの内臓疾患

胃腸が悪いと腸の中で悪玉菌が増え、発生した腐敗ガスが血液とともに体を巡り吐く息が臭くなります。まずは腸内環境を整えましょう。内臓疾患が原因の口臭は、専門医による疾患の治療を。

また、ストレスなどの精神的なものが原因による口臭も。自律神経は唾液の分泌に大きく関係しています。副交感神経は酸素を多く含んだサラサラな唾液を分泌し、交感神経は酸素が少ないネバネバの唾液を分泌。ストレスにより交感神経が優位にたつと、口内がネバネバ・カラカラの状態になってしまい口臭の原因に。

口臭を防ぐにはどうしたらいいの?

原因とメカニズムがわかったところで、口臭を防ぐための具体的な対策を紹介。

《口臭の予防と対策》
1.うがい
2.酸素に富んだ良質な唾液を増やす
3.食生活を見直す

中でも、「うがい」は、口臭の原因となる「嫌気性菌」「食べかす」「硫黄ガス」全ての対策となるため効果的。こちらの口臭予防のための「うがい」を実践してみましょう。

【1.うがい】
通常の歯磨きでは、食事の食べかすは1割程度しか除去できません。なぜなら、粉のようになった食べかすは、舌やノドにも溜まっているからです。4つのステップによる「うがい」で、口臭の原因となる口内やノドに溜まった食べかすを取り除きましょう。

ステップ1:ブクブクうがい
口に水を含み、頬と歯の間、唇と歯の間にも水が行き渡るようにブクブクする。15秒間

ステップ2:ゴシゴシうがい
舌の前側の汚れを取るため、口内の天井部分に舌を付けて、前後にゴシゴシすり合わせる。15秒間。

ステップ3:ガラガラうがい
舌の中央の汚れを取るため、目線を45度上にあげてガラガラうがい。15秒間。

ステップ4:アーオーうがい
舌の奥とノドの汚れを取るため、完全に上を向いて、「アー」「オー」と声を出しながらするガラガラうがい。声を出すことでノドが広がり、ノドの奥の食べかすを取りやすくなる。15秒間。

この4つの「うがい」を、起床時、食後、就寝前に行うと口臭改善へとつながります。

【2.唾液を増やす】
口腔の唾液が減ると口内の酸素不足となり「嫌気性菌」が増えるので、唾液の分泌を増やすことが必要。そのためには、ガムやスルメなどを噛んで唾液の分泌を促すとよいでしょう。舌が動くことでも唾液は分泌されるので、会話することも改善に繋がります。

また、デスクワークなどで下を向いた体勢が続くと、ノドが狭くなり空気や唾液の流れが滞るので、ノドに臭いを発するガスが溜まりやすくなります。定期的にゆっくりと大きな深呼吸をしましょう。

ここにも注意!
カフェインは唾液の分泌を抑制する作用があるため、コーヒーや緑茶などを飲んだ後は「うがい」がオススメ。うがいの時間がない場合は、水を口に含み、口腔内に水がゆきわたるようにゆっくりと飲むと◎

【3.食生活を見直す】
嫌気性菌がタンパク質を分解する際に口臭となる硫黄ガスが発生するため、硫黄を多く含むタンパク質である乳製品や卵などの量を減らすことも対策のひとつ。

ここにも注意!
牛乳やヨーグルトは舌など口内に残りやすいことからも、口臭の原因に。ただし、舌苔(舌に付着した食べかすや細菌などのこと)を除去するため、舌を歯ブラシや専用の器具で強くこする方もいますが、これはNG! 舌を傷つけたり、舌苔をじゅうたんの様になっている舌の奥に押し込み、口臭の発生につながることも。自浄作用を促すためにも、上記で紹介した「ステップ2:ゴシゴシうがい」を念入りにすることをオススメします。

口臭対策について紹介しましたが、口臭に対する考え方についても大事なことを教えていただきました。

手やコップなどで口元を覆って息を吹きかけて自分の口臭チェックをすること、ありますよね? 実は、これでは本当の口臭チェックにはならないそうです。口臭はデリケートな問題のため、他人には指摘できず、本人も気づきにくい。

こうした意識を変えるため、「口臭があると、生活全般がだらしないなど人格の否定にまで広がってしまいそうで指摘しにくいですよね。でも、口臭はきちんとケアすれば1ヵ月ほどで治ります。知人の肩に糸くずが付いていれば取り除いてあげるのと同じように、口臭も考えてみてはいかがでしょうか」と福田先生。まずは、口臭に対する意識を変え、1日1分×5回の「うがい」から始めてみましょう。

※この記事は福田久美子先生による見解に基づいて作成したものです。

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福田久美子先生と、サロンの"警備"を担当する柴犬ミルキーちゃん。

取材協力:福田久美子先生。歯科医。日本口臭学会認定医。女性専用の口臭治療サロン「プライベートデンタルサロンFukuda MKM」を運営。これまでに1300人以上を治療している、口臭治療のスペシャリスト。口臭に悩む女性の駆け込み寺として、サロンには全国から患者が訪れている。
オフィシャルHP:http://fukudamkm.com/

福田久美子先生も出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時28分からのOAも要チェックです!

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