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世の中にはさまざまなアーティストがいるが、パンツの魅力を深く追求する芸術家がいることをご存知だろうか。その作品の値段はなんと最高1億円!何の変哲もないパンツに現代社会へのアンチテーゼが込められており、斬新な世界観に誰もが圧倒されてしまう。しかも、その人物は戦国武将の末裔ということだ。

今回はそんな謎だらけのパンツ・アーティスト「サムライ・マサ」さんに、パンツの奥深い世界についてインタビューしてきた。

世間から変態扱い!? 偏見と戦うパンツ・アーティスト

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―― パンツを作品のモチーフにしていますが、創作で苦労されていることはありますか?

「苦労というか、一番の敵は世間の偏見です。女性用のパンツを男性が触っているだけで、変態扱いされて完全にアウトなので(笑)。海外に比べると、日本は下着に対する執着が特に強いのではないでしょうか。世界を見渡すと下着の概念を持たない国もありますが、日本ではどうしてもフェティシズムやエロスとして捉えられてしまいます。それを乗り越えるためには、強いメンタルが必要になってきます」

―― 作品が批判されることもあるのでしょうか?

「それは(芸術家として)当たり前のことです。しかし、それよりも、『自分が何をしたいのか、表現したいのか』を優先したいと考えています。何十億の人間が世界にいますが、一人ひとりの価値観や感覚は違いますし、そこに合わせていくのは無理がありますから」

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―― マサさんのように強いメンタルを持つには、どうすればいいのでしょうか?

「批判に慣れるのはなかなか難しいので、強い味方を1人か2人作った方が良いと思います。みんなに理解してもらうのは現実的に難しいですが、少数でも賛同者がいれば救われるので。私にとっては、家内と(所属事務所の)社長ですかね。その二人が賛同してくれていれば、世間で何かつらいことを言われても、『それはそれで分かるけど』と線引きができます」

―― 奥様は最初から協力的だったんですか ?

「そうですね、パンツアーティストとして活動を始めた頃から、特に反対されませんでした。アートに対しての理解があるんだと思います。それに今は創作に使うパンツを売り場で選んでくれるので、かなり助かっています。ランジェリーショップで男が下着を触ったりしていると、やっぱり『えっ!?』という顔をされるので。そこはどんなにメンタルを鍛えてもつらいですね(笑)」

―― お子さんもいらっしゃるそうですが、その反応は?

「小学生の息子たちは特に何も。一番下の娘は年中ぐらいなのですが、まだよくわかっていないようです。『これ誰のパンツ?』と聞かれるぐらいですね。ただ、これから成長するにつれて、『オヤジ、こいつ......』と拒絶反応が起こる可能性もありますね」

ディープな世界へようこそ! パンツが紐解く日本と世界の歴史

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―― 現在、どれくらいのパンツをお持ちなんですか?

「ちゃんと数えていませんが、おそらく600枚以上あると思います。名古屋に取引先があり、そこから買い付けています。ショップはロットで仕入れているのですが、端数の在庫が溜まっていったりするんですね。それを安く買い取っています」

―― かなりのパンツをご覧になったと思うのですが、何か感じたことは?

「『こんなに色々なパンツがあるのか』という驚きもありましたが、それ以上に発見だったのは、じっくり見てみると左右対称ではないということです」

―― え、パンツは左右で同じかたちじゃないんですか?

「はい、よく見るとお分かりになると思うのですが、縫い方が整っていないような印象なんです。溝のところに外しの部分があるというか。おそらくしっかり整えてしまうと、履きにくくなるのではないでしょうか。あえてかたちをいびつにして、誰でも履けるように汎用性を高めているのではないかと思います」

samuraimasa_20195021_04.jpg▲手描きのイラストをデザインした作品「Welcom to Japan」

―― 日本と海外のパンツには、何か違いがあったりしますか?

「皆さんもご存知だと思いますが、日本のパンツのデザインは可愛いものが多いですね。一方、アメリカなどに行くと下着のイメージはセクシー路線になります。ヴィクトリアズ・シークレットなどのブランドが代表的ではないでしょうか」

―― パンツの歴史についても学んだりしたのですか?

「そうですね、一通り書籍などで学びました。下着としてのパンツはヨーロッパの発祥で、紀元前3000年ごろからあったそうです。ただし当時は『履く』というよりも、『巻く』ような形状で、日本の腰巻のようなイメージだったようです」

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―― パンツはなぜ今のような形に変わったのですか?

「海外においてパンツは、身動きしやすいかどうかという『利便性』で進化してきました。ヨーロッパは日本と違って陸続きなので、いつ侵略されてもおかしくない状況なんです。危険な状況に備えて、動きやすい服装が求められます。そうなったときに、下着が衣服の邪魔をしないよう、どんどんコンパクト化されていったわけです」

―― 日本でも同じようにパンツは進化していったのでしょうか?

「日本では少し事情が違います。幕末に富国強兵の政策があって、そこから女性がパンツを履くようになりました。和装の時代は腰巻で下着を身につけていませんでしたが、富国強兵の政策で西欧に習う文化へ変わっていったんです。つまりパンツを履いていないことが、文化的な劣等感としてあったわけですね。明治期に欧米へ渡った岩倉具視に同行した女性たちが、初めてパンツを履いた日本人女性だと言われています」

―― パンツにそんな歴史があるとは知りませんでした!

「パンツは国の変遷をあらわしています。日本のパンツは『カワイイ』という文化も付属しているので、独自のアイコンとして世界に発信できるのではないかと思っています。文化の独自性をテーマに発表していくのが現代アートなので、そういった意味でも最適なモチーフですね」

自分の「悪」と付き合いながらパンツ作品を生み出す!

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―― 斬新なアイデアはどのように生み出しているのですか?

「アイデアが浮かんでくるのは、たいてい車を運転している時です。なので深夜のドライブはほぼ毎日行なっていますね。日中に比べると入ってくる情報量が少ないので、頭の中を空っぽにできてインスピレーションが生まれやすいんです。深夜の運転は危ないですし、生活リズムが乱れるのであまりオススメしませんが(笑)」

―― 創作に関して、心がけていることもあったりしますか?

「考え方として意識しているのは、『世間の常識』に振り回されないことです。みんなが言っているからといって、別に従う必要はないと思いますし。平均的な考え方に対してはドライに付き合うようにしています」

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―― 海外への支援も行っているとお聞きしたのですが?

「個人的な活動として、8年ぐらい前から行っています。支援している団体は、貧しい国へお金を渡すだけではなく、自分たちで生計を立てられるようにサポートしています。その理念に強く共感したので、創作活動で得たポケットマネーを毎月コツコツ送っています。そんなに大きい金額ではありませんが」

―― パンツで世界を幸せにすることを実践されているわけですね?

「まだまだ小さなアクションなのでもっと頑張りたいなと。それにやっぱり人間なので、口座から引き落とされると、少し『チッ』と思っちゃいます(笑)。でもそういう悪い自分とも付き合いながら、生きていくことが現実なのではないでしょうか。アートの世界も美しいだけではなくて、悪の部分もありますから。生きていれば美しいだけでは上手くいかないし、汚い自分も出てきます。それでも美しいことをやれば少しは良くなるかなと。主に自戒の念を込めてですけど(笑)」

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【プロフィール】
サムライ・マサ
アニメーション業界で美術を学び、名探偵コナンの美術監督などを務める。
その後、現代アートの世界に興味を持ち、『パンツ』という永遠のテーマと出会い追求の道を歩み出す。『サムライ・マサ』という名は、豊臣家の五大老、宇喜多氏の家臣で戦国武将の戸川氏の子孫であることに由来する。
現代に生き残ったサムライが刀をパンツに持ち替えて、いざ世界へ打って出る。
https://www.facebook.com/SamuraiMasa.Japan.82/
http://samurai-masa.com/

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