kujira_20190517_00.jpg
渋谷に映画の魅力を深く堪能できるバーがあるのをご存知だろうか? バーテンダーの知識が豊富で、お気に入りの作品を言えば、そのイメージでオリジナルカクテルを作ってくれる。映画を観た後で、味覚とともに余韻に浸ることができるのは、この場所ならではだ。

今回は、そんな映画バー「八月の鯨」を訪ねてみた。

時代の荒波をくぐり抜けてきた歴史あるバー

kujira_20190517_01.jpg
渋谷のセンター街にある「八月の鯨」は、2階と地下1階でお店を構えている。看板に描かれた映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の写真が印象的だ。満席になることも多い人気店のため、この日は開店前からお邪魔させてもらった。

創業のルーツは、先代オーナーが1949年に「BAR門」をオープンしたこと。その後、1989年にビルを建て替えた際に、その息子3人が店を引き継ぎ、それぞれのフロアで各自のバーをオープン。映画好きの三男が「八月の鯨」のオーナーになり、作品をモチーフにしたカクテルを提供するようになった。

kujira_20190517_02.jpg

kujira_20190517_03.jpg
階段や入り口の壁には、あらゆるジャンルの名作映画の写真が並び、お店への期待を高めてくれる。そして、ドアをくぐると、迎えてくれたのはチーフバーテンダーのスタッフ46さん。店舗のポリシーとして、お客さんとの程よい距離感を大切にしているため、本名や年齢は公表していないそうだ。現在、2フロアを合わせて15名弱のバーテンダーが在籍している。

店名となった『八月の鯨』は、1987年に公開された映画。「人生の半分はトラブルで、あとの半分はそれを乗り越えるためにある」というセリフが有名だが、当時のオーナーもそれに感銘を受けのだろうか。

「初代のオーナーは戦争の直後にこの土地を買い取って開業しているので、時代の荒波をくぐってきたのではないかと思います。その苦労を間近で見てきたオーナー(息子)は、自らの経営に活かそうとしたのかもしれませんね」(スタッフ46さん)

2万本以上の映画をオリジナルカクテルで楽しめる!

kujira_20190517_04.jpg
映画をモチーフにしたオリジナルカクテルは、メニューに載っているだけで70~80種類。内容は頻繁に更新しているが、掲載している作品は人気作品を中心に構成している。

国やジャンルにこだわらず、さまざまな映画を取り上げており、インド映画が入ることもあるそうだ。

kujira_20190517_05.jpg
赤い枠内は今注目の映画作品。毎回色々な作品をピックアップしており、この日はアカデミー作品賞にノミネートされた作品が特集されていた。メニューに載っていない作品名でもオーダーできるそうだが、一体どれくらいの数のオリジナルカクテルを扱っているのだろうか。

「メニュー数はキリがないですね。スタッフが今までに観た映画の数だけあると考えた方がいいと思います。1人あたり2,000本と考えたら、10人で2万本ですから」

あまりにマニアックな作品の場合は、状況によって希望に添えない場合もあるが、年間200~300本の映画を各バーテンダーが観ているため、大抵の作品はオーダー可能。俳優名でオーダーすることもできる。

「最近よく注文を受けるのは、『キングスマン』に出演したコリン・ファース。あとは、昨年のアカデミー主演男優賞に選ばれたゲイリー・オールドマンも人気ですね。カッコイイ"おじさん俳優"を好きな人が、どんどん増えている印象です。『あの作品の頃の○○』など具体的なイメージを伝えてもらえれば、それを参考に作ることもできます」

映画に登場するキャラクターでオーダーすることも可能。ジブリ作品は安定した人気で、『アベンジャーズ』シリーズなどのマーベル作品も注文が多いのだとか。中でも、アイアンマンとスパイダーマンの人気が高いという。

また、コアな映画ファンは、監督の名前でオーダーすることも。『マイ・マザー』や『Mommy/マミー』を手掛けたグザヴィエ・ドランなど、知る人ぞ知る監督名を出されることもあるそうだ。

kujira_20190517_06.jpg
上のカクテルは2019年4月現在、お店で最もオーダーされることの多いカクテル。さて、何の作品をイメージして作られたか、お分かりだろうか? 正解はフレディ・マーキュリーの半生を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』だ。

鉄のマドラーとその先に刺したオリーブで、フレディが持っていたハンドマイクをイメージ。さらにカクテルの白さで、ステージにおける彼のトレードマークといえるタンクトップを表現している。

「あの映画は、クイーンというよりもフレディの半生を描いた印象が強い作品だったので、このように作っています。お客さんは最初『なにをイメージしているんだろう』と不思議に思うこともありますが、そんなときは『この鉄の棒を見て何か思い出しませんか?』とヒントを出したりして、謎解きを楽しめるようにしています」

味にもこだわっており、クセのあるハーブのリキュール「アブサン」を使って、フレディの個性の強さを表現。度数が少し強いため、お客さんの好みを聞いてから提供しているそうだ。

「ただ、お客様にどんなカクテルなのかを聞かれた時には、見た目を詳しく言ってしまうとネタバレしてしまいます。提供したときの驚きや面白さが半減してしまうので、味の情報だけを伝えるようにしています」

バーテンダーとの会話で、映画を観るのがもっと楽しくなる!

kujira_20190517_07.jpg
メニューに載っているカクテルにはレシピがあるのだが、それ以外の作品はバーテンダーのイメージで作り上げる。ストーリーを入れ込むことがあったり、映画に出てくるお酒を使ったり、出てくるキャラクターのイメージで作ったり、人によってさまざまだ。

そんな映画好きのバーテンダーとの会話が楽しくて、お店に通う常連客も多い。

「(カクテルを)お出しするときは、私たちが知っている作品や俳優の知識を少しだけ添えて提供するようにしています。例えばゲイリー・オールドマンは悪役が多く、クセの強い役者だと思われがちですが、自分の孫に見せられる作品に出演してこなかったことを気に病むなど、家庭的な考えを持っていたりします。そういったことをお客様と色々話したりできるので、私たちもすごく楽しいですね」

kujira_20190517_08.jpg
『ボヘミアン・ラプソディ』の次に人気なのが、上のカクテル。提供するときには、「写真を撮るときは4m上げてくださいね」と添えるらしいが、何の映画をイメージしているのかお分かりだろうか? 正解は2018年に大ヒットしたゾンビ映画『カメラを止めるな!』だ。

作中に登場した血のりのシーンをイメージして、赤ワインベースのリキュール「デュボネ」を使用。フランボワーズとブルーベリーの実、ジンジャーエールを加えており、さっぱりした味に仕上げられている。劇場公開時には、鑑賞後に訪れてオーダーする人が続出したとか。

kujira_20190517_09.jpg
渋谷には映画館がたくさんあるので、作品の余韻に浸るにはもってこいだ。女性の一人客も多いらしく、誰でも楽しめるあたたかい雰囲気。隠れ家のような空間で、映画の世界にどっぷり浸かってみてはいかがだろうか。

【取材協力】
「八月の鯨」
住所:東京都渋谷区宇田川町28-13 渋谷門ビル B1F、2F
電話番号:03-3476-7238
営業時間:18:00~28:00
定休日:無休
URL:https://twitter.com/shibuyamon

テレ東プラス

日本一の回転寿司チェーン「スシロー」。期間限定、定番ネタ、回転寿司だからこそ味わえるネタなど、その種類も豊富です。 その中から、スシローの従業員300人が選んだ絶品ネタ6品をご紹介します。 期間限定メニュー 絶品ネタ① 「新物いくら包み」 アラスカ産の新物いくらを使用した「新物い

ページトップへ
Twitter Facebook