「牛角」創業者が狙う”一人焼肉”の世界展開:未来世紀ジパング

公開: 更新: テレ東プラス

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5月15日(水)放送の「日経スペシャル 未来世紀ジパング」(毎週水曜夜10時)は、人口2億6千万を擁し、発展を続ける「インドネシア」を取り上げる。巨大マーケットをめぐる日本の飲食チェーンの攻防や、日本の技術で進化を遂げたインフラなど、急成長する"新経済大国"の最新情報を伝える。

"一人焼肉"で世界進出

日本では、手軽に焼肉が楽しめる「焼肉のファストフード」をコンセプトにした店が急成長している。昨年8月、東京・新橋にオープンした「焼肉ライク」は、すでに国内8店舗まで拡大。お客1人に無煙ロースター1台がつき、「一人焼肉」が気軽に楽しめるのが、店の特徴。注文から3分以内に食事を提供したり、トレーがすっぽり収まるようテーブルを工夫したりするなど効率化。平均滞在時間25分と回転率を上げることで、うす切りカルビセットなら530円という低価格を実現した。

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「焼肉ライク」を仕掛けたのは西山知義さん。焼肉チェーン「牛角」の創業者で、数々の人気店を生み出してきた外食業界のカリスマだ。開業からわずか8ヵ月、西山さんは早くも世界進出を見据えていた。進出先のひとつに選んだのが、インドネシアの首都・ジャカルタ。すでにインドネシアで52店舗を展開する「丸亀製麺」や牛丼の「吉野家」など日本食チェーン店がひしめく激戦区だが、西山さんはこのマーケットで「焼肉ライク」を展開することに自信を見せる。

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現地の責任者を務めるのは関根章裕さん。ジャカルタでのオープンまで1週間をきったが、工期に大幅な遅れが出ていて、現場はいまだ工事の真っただ中。さらに、オープン4日前にまさかの大問題が発生。あの特製のトレーが寸法違いでテーブルに収まらないことが発覚したのだ。工事責任者に確認しても「俺は知らない」と責任逃れするばかり。結局すべて業者に返品し作り直すことに。日本ではあり得ない事態に、関根さんは不安と苛立ちが隠せない。無事オープンできるのか。

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苦戦する「モスバーガー」11年目の一手

インドネシアに進出する日本企業のすべてが順風満帆とは限らない。ハンバーガーチェーン「モスバーガー」が経営する「モスカフェ&ダイニング」に入ると、店内はまるで日本のファミリーレストランのよう。人気のメニューは鉄板ハンバーグセットやカレーなど、モスバーガーのイメージと異なる。月収2万円ほどのインドネシアで、この店の客単価は約1000円という高級店だ。実はこの地に進出した2008年当初はハンバーガー中心の店だったが、若者の支持が得られず苦戦。高級路線に転換せざるを得なかったのだ。

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インドネシア進出から11年目、若者を取り込むべく、モスバーガーは大きな勝負に出る。

今年3月。IT技術者を多く排出し、注目を集めるビヌス大学内にオープンしたのが「モスモス」という名の店舗。明るい色調でおしゃれな店内。若者にハンバーガーを食べてもらおうと、看板のチーズバーガーセットは約240円とこれまでの3分の1の値段にした。

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さらにインドネシアの若者に受ける、新たなバーガーの開発にも着手。仕掛けたのは、パンの代わりに米を使った、日本でも人気の「ライスバーガー」だ。商品開発には、インドネシア版「料理の鉄人」にも出演し"カリスマ・シェフ"と呼ばれるステフ・サントソさんが参加し、インドネシア人が好むソースを考案した。

完成したのは牛の焼肉に揚げたゆで卵を丸々1個のせ、ライスプレートで挟んだ「ヤキニクタマゴ」。黒こしょうとテリヤキを合わせた特製ソースが味の決め手だ。究極のライスバーガーともいえる自信作、果たしてインドネシアの若者の胃袋を掴めるのか。

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この他、番組は、ジャカルタの通勤地獄を解消する「オールジャパン」の地下鉄や、昨年9月に大地震が発生し、4800人を超える死者・行方不明者が出たインドネシア・スラウェシ島の現状を伝える。大国へと変貌を遂げるインドネシアの今を伝える「日経スペシャル 未来世紀ジパング」は、今夜10時放送。お見逃しなく!

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