「きのう何食べた?」フードスタイリストに聞く”シロさんの料理”5つのこだわり

公開: 更新: テレ東プラス

あまりにも美味しそうで、深夜なのにお腹がすいちゃう......
ドラマ24「きのう何食べた?」(毎週金曜 深夜0時12分放送)では、料理好きのシロさん(西島秀俊)が手際良く作り、ケンジ(内野聖陽)と二人で楽しく食べる愛情料理も大きな話題に。毎回、「鮭の炊き込みごはん」など自宅で真似できるほっこりごはんが食卓をかざり、ドラマの公式レシピ本も大好評。「チキンのトマト煮」が登場した後は「作ろうと思ったら、トマト缶が売り切れだった!」という声もあがったほど注目を集めています。

そこで、シロさんの料理を実際に作っているフードスタイリスト・山﨑慎也さんを直撃。このドラマならではの料理のこだわりや、西島さん&内野さんとのエピソードなどをうかがいました。

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"シロさんの料理"を作る上での5つのこだわり

普段はCMやグラフィックの仕事を多く手がけているという山﨑さんは、ドラマに参加するのは初めて。ご自身もよしながふみ先生の原作ファンということもあり、「ファンの皆さんの思い入れがすごいので、その期待に応えねば」との思いで臨んだそう。このドラマで料理を担当する上でのこだわりとは?

【こだわり1】いかに普段の料理に近づけるか
「有名なシェフが作った豪華な料理ではなく、"普段のご飯"というところがポイント。普段のグラフィックの仕事では、いかに食材がより華やかに見えるかという部分に重点を置きますが、生活感を出したいので、突飛じゃない、奇抜じゃない、"普段感"を意識。なるべく普通の"ひねらないレシピ"にこわだり、料理自体の温かみはもちろん、全体の雰囲気のほんわかさも伝わるように考えました。

また見せ方に関しては、「『この角度のほうが美味しく見えます』『ラザニアのこの断面を狙ってください』など料理の撮り方について積極的にリクエストしました」

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【こだわり2】二人の生活感がにじみ出る器
「"普段のご飯"なので、良く言えば温かみのある料理ですが、食材も彩りがあるものが少ないので、器選びには少し慎重になりました。

原作を参考に、同じ形や雰囲気の器を選び、撮影前に全メニューを作って実際に盛ってみて器を決めるテストなどをして。色はもちろんですが、ドラマをご覧になった方が『この器はケンジが選んだのかな?』と自然に想像できるようなものや、二人の生活感がにじみ出るようなものを選びました。あまりスタイリッシュ過ぎると、シロさんでもケンジでもなくなってしまいますから。

土鍋に関しては、監督から『結構使い込んでいるものを』とリクエストがあったので、撮影では普通は新品を何個も用意しますが、今回は味のある土鍋1つで対応しました。

シロさんが佳代子さん(田中美佐子)直伝のツナマヨそうめんを自宅で作った時は、スイカのエピソードの回だったのでスイカの箸置きを使いました。その箸置きも直後はネットで売り切れていると聞き、番組の影響力の大きさを感じました」

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【こだわり3】出来立ての一番美味しい状態で出す
「一番こだわったのは"出来立て"という部分。加えて"いかに心を込めているか"ということ。これはシロさんと同じですね。

あらかじめ準備し、ぬるくなってしまったもので撮影するのではなく、撮影の進行を見ながら時間に合わせてグツグツした状態でスタンバイしました。

ただし、正月にシロさんとケンジがお餅を食べるエピソードがあるのですが、お餅に関しては細かく時間を調整しました。出来立てのお餅はビヨーンと伸びて見た目には美味しそうでいいですが、口の中を火傷するくらいアツアツなんです」

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【こだわり4】料理手順も手際よく計算されたものを
「シロさんの料理は、出来上がりが美味しいのはもちろん、そこに至るまでの作り方もシロさんなりに手際よく計算されています。いかにまな板を汚さないか、洗い物を少なくするかなど、料理を作る過程も大事にしているんです。

調理の組み立て方がきちんとしている上で、それをやり遂げて、もちろん美味しかった、という一定の流れが鮮やかに決まることにより気分がリセットする。そこがシロさんの中で大事なところなのではないかと思いながら、料理を作りました」

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【こだわり5】残りの食材をうまく使う料理をリアルに再現
「残っている食材をいかにうまく使って調理するか、冷凍庫の中のあの食材をどう使うか、などシロさんなりの哲学があります。普段の撮影で冷凍品を使うことはまずないですが、今回はリアルに再現するため、冷凍したものを使った料理では実際に食材を冷凍してから調理しました」

西島さん&内野さんのお気に入りメニュー

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ドラマに登場する料理は、美味しそうに"見える"だけではなく、西島さんも内野さんも「すごく美味しい!」と絶賛。お二人のお気に入りメニューや現場でのエピソードについてうかがいました。

西島さん&内野さんの料理を食べた感想
「美味しいと喜んでいただけました。始めのうちは『撮影用に高級スーパーで買っているんだよね?』『特別な調味料を使っているんでしょ?』とおっしゃっていたので、『材料は近所のスーパーで買ったものです』とお伝えしたら驚かれていました(笑)。今回は、シロさんと同じように食材は特別なものは使わずスーパーで手に入るもの、調味料もオーガニックなものとかではなく、どのご家庭にもあるものを使っています。"凝っていないこと"に凝りました」

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お二人に好評だったメニュー
「"いちごジャムのトースト"は、お二人ともカットがかかってからも食べ続けていらっしゃいました。
また、内野さんは、クリスマスメニューの"明太子サワークリームディップとバゲット"がお好きでした。西島さんは"クレープ"を気に入ってくださって、『自宅で家族と食べたいな』とおっしゃっていました。クレープはレシピ的には工程が多くて面倒ですが、『前の日に準備をしておけば当日焼くだけです』と。お二人とも甘いものがお好きみたいですね」

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キャスト陣との撮影現場でのエピソード
「撮影の時、西島さんに『普段どういうご飯を食べているんですか?料理はどのくらいされるんですか?』と聞かれまして。『普段はファーストフードとか食べちゃうんですよ』と答えたら『それはちょっと......ですね』と言われちゃいました(笑)」

再現料理をSNSにアップ! 美味しそうに撮影するコツ

ドラマを見た方々が、SNSなど上で料理の再現画像をアップし、盛り上がっています。料理を撮影する際に、美味しそう、かつ美しく見せるコツとは?

【ポイント1】料理に動きを出す
「とにかく出来立てを撮影すること。また、トーストなら一口かじってみるなど、料理に少し動きを出して撮るといいかもしれませんね」

【ポイント2】白い服着用&奥側から光を
「蛍光灯などの真下ではなく、光源が少しだけ逆光になるようにして撮るのがポイント。第一話でケンジが『ズルイ!ごまかした!』と言いながら調理中のシロさんを照らしたライトが、実は料理を撮影する時にも大活躍しているんです。いい仕事をしてくれています(笑)。
ご自宅で料理を撮影する時は、奥側からライトなどを少し照らして撮るといいですね。また、撮影する本人が白い服などを着用すると光を反射させるレフ版代わりになり、素材自体が持つ油分などのツヤが増して料理が美味しそうに見えます」

時にはケンカしたとしても、美味しい料理を食べればすぐに仲直り。作品の中でも大きな意味を持つ料理について、興味深いお話を聞くことができました。この先も、シロさんはたくさんの料理を作り、ケンジと一緒に美味しく食べます。どんなメニューが登場するのか、ご期待ください!

ドラマ24「きのう何食べた?」は、現在「ネットもテレ東」で配信中です!

次回5月10日(金)深夜0時12分からの放送は、シロさんにモテ期到来!?

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第6話
筧史朗(西島秀俊)が小日向大策(山本耕史)からのお誘い攻撃に頭を悩ませていた3月、弁護士事務所に女性の司法修習生が来ることに。指導を史朗がすると聞いた矢吹賢二(内野聖陽)は、修習生に迫られるのではとヤキモキする。事務所に来た修習生・長森夕未は笑顔が可愛い感じのいい子。しかも史朗に好意があるそぶりを見せる。2人に好かれてしまった史朗は戸惑いつつもドキドキしてしまい...。

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