つい買っちゃう秘密とは!? 実演販売士に学ぶ人の心を掴むコミュニケーション術

公開: 更新: テレ東プラス

新年度が始まり新しい職場や学校で場になじめない。人見知りのため初対面の人とは話せない。ビジネスシーンで企画はいいのに上手くプレゼンができない。......など、コミュニケーションに悩んでいる人、多いですよね。

毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時28分~放送中)から、1日1億8000万円売り上げたカリスマ実演販売士・レジェンド松下さんが登場。興味がなかった人も思わず足を止めてしまう、買う気がなかった人も買いたくなってしまう、人の心を掴む達人に「コミュニケーション術」についてうかがいました。

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興味がなかった人も振り向く人の心の掴み方

まずは、店頭の実演販売では足を止めてもらうこと、テレビショッピングでは画面を見てもらうことが大事。興味のない人にも関心を持ってもらうためには、どうすればいいのでしょうか。松下さんが実演販売で培ってきた技術が、そのヒントになります。

【ポイント1】自分自身の気づきを引き出す
「店頭販売の場合は、お客さんに直接話しかけない。お客さんの悩みに、僕発信ではなく、お客さん自身で気づいてもらうことが大事なんです。
例えば、『こういうところの水垢困りますよね』とつぶやいて、水垢に困っている人に立ち止まってもらう。『ちょっと見てって』と無理やり水垢に困っていない人を引き止めても、その人には興味も必要もないですから」(レジェンド松下さん、以下同)

【ポイント2】無理強いしない
「売りにいかない。『無理して買わないでください。でも、いいものを一生懸命説明しますよ』というのが僕のスタンスです」

【ポイント3】空気は読むものなじゃない、作るもの
「同じしゃべりをしているのに、たくさん売れる時と1人も買わない時がある。その違いは"空気"なんです。
いい空気で実演ができていると、お客さんからいい空気が伝染して、いいお客さんが集まる。だから1人目のお客さんは重要。逆に、興味のない人を無理やり引き止めてしまうと変な空気になり、それが伝染する。いい空気を作ることが大事です」

買う気がなかった人も買いたくなるトーク術

買う気がなかった人も、その話術とパフォーマンスに引き込まれ、つい買ってしまう。実演販売士のトーク術には、とんでもない技や秘密があるのでは? ......と思いきや、実は普段の人間関係でも大事にすることと共通していました。

【ポイント4】トークは3つのポイントで組み立てる
「トークは、1.これまでとの比較、2.説明書では伝わらない僕の感情の部分、3.お客様の未来のシーンをいくつ提案できるか、この3つのポイントで構成しています。
ただ商品の説明をするだけではなく、『この商品があれば今までとはここが違う』『こう使うことでこうなる』など具体的に提案すると、お客様も買うことでの変化が想像できます」

【ポイント5】相手の答えやすい質問を投げかける
「『どうですか?』など漠然とした質問ではなく、相手の答えやすい質問をすることも大事。相手が疑問に思うこと、かつすぐに解決できるような質問を投げかけ、さらに懸念されることなども付け加えながら解決していく、という構成で話を進めていきます」

【ポイント6】しゃべりのうまさではなく、感情から出る言葉が大事
「『これ、本当にスゴイんですよ』というフレーズを、本当に思いを持って言えるかどうかという"感情"の部分を大事にしています。
うまくしゃべるなら、芸人さんの方が上手かもしれない。でも、この商品がどうやってできたのか、どこがスゴイのか、時間をかけて積み上げてきたからこそ心の声が出る。誰かが書いた台本では出てこない、僕にしかできないしゃべりができるんです」

【ポイント7】ウソはNG! 「僕の感想」として本音を伝える
「ウソをつけば、次には繋がならない。長所だけではなく、短所だと思うことも敢えて言うなど、ウソをつかないことを大事にしています。
ただ、商品を紹介する上で言ってはいけないこともあるので、その場合は『僕の感想では』と、そこに熱を込めて本音をお伝えしています」

【ポイント8】比較する際は他方を悪く言わない
「比較して優劣がある時も、一方を持ち上げるために、他方を蹴落とすようなことはしません。その商品を気に入って使っている方もいるわけですから。それは人間付き合いでも一緒ですよね」

ついやってしまいがちなNG行動

結婚式のスピーチや、仕事でのプレゼン、普段の世間話などでも、意図せずして空気を悪くしてしまったという経験がありませんか? ついやりがちなNG行動についてもうかがいました。

【ここに注意!】毒舌や自虐はキケン
「相手が不愉快になることは言わないこと。スピーチなどで、毒舌や自虐を交えることもありますが、芸人さんのように話術がある方でない限り、中途半端なことしない。いいことを聞いて嫌な気持ちになる人はいないので、下げることは口にせず、とにかく上げておく。ただし、ここでもウソはダメ。自分が本当にいいと感じた部分を言えばいいんです」

【ここに注意!】いい距離感を保ち、相手に求めない
「商品を紹介する場合、まずよく知ることが大切ですよね。そして、惚れ過ぎないこと。人間関係と同じで、惚れ過ぎると見えなくなったり、逃げて行ったりするんです。いい距離感を保つことが大切。
そして、相手に求めないこと。売れなくても商品が悪いのではなく、その時はニーズがマッチしなかっただけ。これも人間関係と同じですね」

最後に、「お金が目的だと、実演販売は売れなくなる。結果は後からついてくる!」と松下さん。1億8000万円を売ったレジェンドが言うと、重みがありますね! 実演販売のコミュニケーション術は、人間関係やビジネスシーンでも活かせることばかり。まずは、相手をよく知ること、相手の嫌がることはしないこと、そして相手に求めないことから始めると、コミュニケーションを潤滑に進められるのではないでしょうか。

取材協力:レジェンド松下。1日1億8000万円の売り上げを記録したカリスマ実演販売士。店頭販売のみならず、展示会、イベント、TV通販など、さまざまな分野で活躍。商品の企画・開発も手掛けている。2019年は、TV通販でタイや韓国など海外に進出。著書『話し方より大切な「場の空気」の説得術』(KADOKAWA)、『レジェンド松下がホントに使えるキッチン・掃除グッズを50個、集めました!』(主婦の友社)。
オフィシャルHP:https://ameblo.jp/lege/

レジェンド松下さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時28分からのOAも要チェックです!

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