モノ言う株主・村上世彰氏が語る”お金を世の中に回す方法”を独占配信!

公開: 更新: テレ東プラス

2019年3月5日(火)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)では、かつて「モノ言う株主」の異名で知られた投資家・村上世彰氏に密着した。村上氏が率いていた「村上ファンド」がその名を轟かせていたのは2000年代初頭から中盤。5000億円にも上る資金を運用して莫大な利益を上げ、大株主になると企業に対して厳しい態度で変革を迫った。

そんな村上氏だが、2006年にはインサイダー情報をもとにニッポン放送株を買い増したとして逮捕・起訴され、2011年に有罪判決が確定。その後、2014年に執行猶予の期間を終えた。

インサイダー取引による逮捕から13年が経過。いま村上氏は再び表舞台に立ち、日本で新たな活動を始めていた。

今回、ビジネスオンデマンドでは、番組で放送しきれなかった村上氏のインタビューを独占配信する。インタビューでは、株主や経営者に足りないものを村上氏が独自の視点でズバリ指摘。これからの株主のあるべき姿について激白した。今回「テレ東プラス」では、その内容の一部を紹介していく。

意味のない企業が存続している

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「日本の製造業の中で、意味のない投資、つまり過剰投資や過剰生産の繰り返しをやって収益が上がっていないという現状はすごく大きい。例えば日本の電機メーカーを見ると、日立・東芝・三菱電機・シャープ・日本電気と、錚々たるメンバーがそろっているにも関わらず、パソコンどうなりました? 半導体どうなりました? 過剰投資・過当競争になって、最終的にはみんなでやり合ってサムスンに負けたりしているじゃないですか。無駄な設備投資、無駄な過剰投資をやってきてしまったからだと思う。僕は、株主がそれを自由にさせたことが原因だと思っています。"意味のない会社の存続"はあるわけですよ。本当は、優秀な企業同士がくっついてくれた方がよかったわけ。例えば鉄鋼でも、だいぶ集約はされてきたけど、まだ新日鉄があって神戸製鋼が残っていたりと、世界でこんなに大きな産業分野で何社も会社がある国はどこにもない。

僕は、日本の株主が"最適な利益を出す構造にしてほしい"という要望をきちんと出さなかったからだと思っている。今は『年金』や『日銀』が大株主ですから、それらが国の将来像を踏まえた上でアドバイスすべき。これは僕の夢です。マイクロソフトやアップルだって、今の利益以上の株主還元をしている。なぜならばどれだけ小さな資本で、どれだけ大きな利益をだせるかのチャレンジなんですから」(村上氏 以下同)

日本にはびこる「無意味な上場」

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――「第2、第3の村上さん(モノ言う株主)が出てくるべきではないか?」と思いますが、その点についてはどうお考えですか?

「でも、(モノ言う株主が)出たのを叩き潰したじゃないですか。僕を十数年前に...。海外から来た人も叩き潰したじゃないですか。でも今は、国自体が大株主になっているから、以前のように叩き潰せないし、"株主価値が上がるなら嬉しい"という意見が多いから、今後の流れとしては、モノ言う株主が出てくる方向に行くと思います」

それからもう一つは、意味のない上場をしている人は上場をやめてほしい。『なんでそんなことを株主に言われなきゃいけないんだ』と思っている会社もいっぱいあると思う。アメリカはこの25年間、上場企業の数が変わっていない。日本でも百何十社は非上場になった。毎年上場数と非上場数が同じくらいになれば、資金の循環ができますよね。もっとお金が必要な会社に回るようになる。だから、お金をあまり使う必要がなくなった会社は上場をやめる、というのも一つの考え方じゃないかな」

――それでは、上場する必要のない会社が上場することのデメリット・弊害は?

「お金が寝ちゃうじゃないですか。 現金を貯めこんで使わないわけですよ?そんな会社が上場している意味ってあります? お金が会社に入れば、まずはそれを使ってどうやって大きくするかを考えますよね。使う必要がないなら上場をやめればいい。

PBR(株価純資産倍率)が1を切る会社、つまり株主資本よりも時価総額が低い会社は、すでに株主に見捨てられているわけですよ。そういう会社に限ってものすごい現金を貯めこんでいたりする。今の日本の株式全体の時価総額は、だいたい500〜600兆円ありますが、貯めこんだお金は300兆円くらいあります。そのうち使っていないお金は200兆円くらいある。お金がグルグル回らないから、経済が一向に良くならないんです」

――マネーが滞留している?

「滞留していますよね。個人に当てはめてもわかる。どちらかというと、若い人がお金を持っていなくて、お年寄りがお金をいっぱい持っているでしょ? まずはお年寄りから若い人に回るような経済のメカニズムを作ってあげることが大切だと思います。借金もなく、純資産が時価総額以上の会社は、いったい何のために上場しているんですかね。僕にはよくわからない...。そんな会社がけっこうあるわけですよ」

――上場しているということが一つのステータスであるとか、例えばリクルートする際に、『うちは上場企業です』と...。

「という社長さんもいっぱいいるけれど、上場しているにも関わらず安い株価になっている"恥"を考えてほしい」

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村上氏のインタビューは、ビジネスオンデマンドで絶賛公開中!

そして今回放送した「ガイアの夜明け」シリーズ "さらば平成 君は夜明けを見たか② 会社は誰のものか?"見逃した方はコチラ

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