「本屋を目当てに旅行する」ブックショップ・トラベルのすゝめ 広島県・尾道篇:後編

公開: 更新: テレ東プラス

喫茶店や観光名所を目当てに旅することはあっても、本屋を目当てに旅する人はそこまで多くないのでは? 下北沢で本屋のアンテナショップを営む和氣さんが、本屋を目当てに旅する1泊2日のプランを提唱。広島県尾道市を巡るブックショップトラベルを提案してもらいました。

こんにちは! 下北沢にある本屋のアンテナショップ 「BOOKSHOP TRAVELLER」の店主・和氣です。本屋を目当てに旅をするブックショップ・トラベルのすゝめ。いままで群馬県高崎市と長野県上田市のブックショップトラベルを紹介しました。もう訪ねてくださいましたでしょうか? 三回目にあたる今回は今までより少し遠くに足をのばして広島県尾道市に行くことにしました。

おすすめの書店「紙片」を軸に、夕方の日の入りまでを堪能した前回。後編では尾道と夜のおすすめスポット、そして変わり種の本屋を紹介します。

美味しい食事と温泉と、そして深夜にだけ開く本屋。幸福な尾道の夜。

夕方、商店街に戻ったら一旦「あなごのねどこ」に行ってチェックインを済ませて、紙片さんオススメのお店「一楽」に行きましょう。オリジナルメニュー「うめだいこん」は絶品です。同じくオリジナルメニューのドラゴンハイボールと一緒にどうぞ。

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中華食堂 一楽
住所:広島県尾道市久保2丁目10-12
営業時間:11時30分~14時00分, 17時30分~22時00分
定休日:日曜
お問い合わせ: ichiraku@chimaki.jcom.to
HP:https://chimaki.jcom.to/
SNS:@ichirakuchimaki
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次に向かいたいのは「弐拾dB(にじゅうでしべる)」。でも同店は深夜の23時から開くコアなお店。まだ少し時間があるので、ここらでひとつ、温泉でもいかがでしょうか?

温泉の街でもある尾道にはいくつかの温泉施設があるのですが、ちょうど「あなごのねどこ」と「弐拾dB」の間にあるのがここ「尾道みなと館」です。温泉とミストサウナで体をリセットしましょう。

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尾道天然温泉 尾道みなと館
住所:広島県尾道市久保1-3-36
営業時間(日帰り入浴):毎日午前中 6:00~9:00、平日午後 15:00~24:00、土日祝日午後 12:00~24:00
定休日:なし
お問い合わせ: minato@onomichi-minatokan.com
HP:http://onomichi-minatokan.com/index.html
SNS:https://www.facebook.com/pages/category/Hotel/%E5%B0%BE%E9%81%93%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%A8%E9%A4%A8-1651602935113629/
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ホカホカになったところで「弐拾dB」に行きます。尾道商店街を駅から遠ざかる方向へまっすぐ進むと、左手、駐車場の奥に深夜だというのに灯りが。駐車場の横にある小道を通って伺いましょう。

扉を開けると別世界のような雰囲気。

元々は医院だったという建物を古書店にしたという店内でストーブの懐かしい香りに包まれて新旧様々な古書に包まれて、しばし本棚から欲しい本を探します。

静かな店内でひとり本を選んでいると、まるで違う世界に入り込んでしまったかのような感覚に陥ります。物語のような本屋です。

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街灯以外の灯りが少ない深夜。窓から漏れ出る光に吸い寄せられるように入っていった。

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古本屋 弐拾dB
住所:広島県尾道市久保2丁目3―3
営業時間:平日23:00~27:00 週末13:00~19:00
定休日:木曜、金曜
SNS:@1924DADA
https://www.facebook.com/%E5%8F%A4%E6%9C%AC%E5%B1%8B-%E5%BC%90%E6%8B%BEdb-1222106831141512/
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宿に帰ったのは日を超えたあたり。夜更かしですが心は満足です。

渡船からはじまる尾道の2日目。懐かしさに癒やされる。

翌日はあくびカフェーで朝食です。チェックイン時に事前に伝えておくと和洋どちらかの朝食をいただけます。今回は和朝食にしましょう。優しいお味の塩にぎりと味噌汁が夜更かしして疲れた体を癒してくれます。

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尾道の特産品・みかんがデザートとして一切れあるのも嬉しい。

あなごのねどこのチェックアウトは11時までなので、それまでに準備して、渡船に乗船しましょう。実は海を挟んですぐ向こうにある向島には船で5分もかからないで行けるんです。お勧めは朝の時間。海の風を感じて目を覚ますなんて贅沢な体験です。

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尾道渡船
住所:広島県尾道市土堂1丁目16−1(尾道側) 広島県尾道市向島町1−4(向島側)
営業時間:始発:向島発6:00 最終:尾道発22:30
定休日:なし
お問い合わせ: 0848-44-0515
HP:http://www.onoport.jp/sightseeing/route-f.html
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向島に着いたら、すぐ戻っても良いですが、少し足を延ばして「後藤鉱泉所」を訪ねてみて欲しいです。ここは80年以上昔ながらのラムネジュースを提供するお店。ノスタルジー溢れる瓶に感動して思わず何本も飲んでしまう人もいるとか(現在は生産されていない貴重な瓶なので飲み終わった瓶はお店に返しましょう)。

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ラムネの幟を目印にしていこう。

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後藤鉱泉所
住所:広島県尾道市向島町755-2
営業時間:8:30-17:30
定休日:不定休
お問い合わせ: 0848-44-1768
HP:https://www.ononavi.jp/souvenir/drink/detail.html?detail_id=702
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渡船で戻ったらそろそろ昼食の時間。歩いてすぐの「やまねこカフェ」でランチを食べます。

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豚ロースカツにご飯、味噌汁、副菜とサラダにドリンクがついて1080円のやまねこランチをいただきました。

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やまねこカフェ
住所:広島県尾道市土堂2丁目9−33
営業時間:
平日ランチタイム11:30~、ティータイム14:00~、ディナータイム17:00~22:00
土日ランチタイム11:30~、ティータイム15:00~、ディナータイム17:00~22:00
定休日:月曜
お問い合わせ: 0848-21-5355
HP:http://ittoku-go.com/?cat=11
SNS:@yamaneko_cafe
https://www.instagram.com/yamanekocafe_official/?hl=ja
https://www.facebook.com/yamanekocafe/
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魅力が詰まった尾道の空き家「三軒家アパートメント」

食べ終わったら尾道駅の向こう側にある「三軒家アパートメント」に向かいます。

ここまで読み進めていただいた方は驚いたかと思います。尾道にはあなごのねどこをはじめとした昔ながらの家を活用した素敵な場所がたくさんあることに。

実は尾道には「古民家再生プロジェクト」というものがあり、全国各地から古民家を改装して自宅にしたり、自分なりの店を作ったりする人がたくさん移住してきているのです。

その中でも有名なものの一つが今回訪ねる三軒家アパートメントなんです。

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古民家とはまた違った風情のある尾道の空き家。個性的なお店がたくさん入居しています。ちなみにここは中庭スペースです。

昭和に建てられた古いアパート・旧楽山荘をものづくりの拠点として再生させたこのアパートには、10部屋のそれぞれにカフェやギャラリー、卓球場、レコードショップなどが入居しています。

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三軒家アパートメント
住所:広島県尾道市三軒家町3−26
営業時間:入居店舗による
定休日:入居店舗による
お問い合わせ: 入居店舗による
HP:https://sangenya-apartment.jimdo.com/
SNS:https://www.facebook.com/sangenyaapartment/
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三軒家アパートメントに入居しているお店のうちの一店「尾道レコード」。レコードだけでなくCDと古本も置く。

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尾道レコード
住所:広島県尾道市三軒家町3−26西館102
営業時間:11:00-19:00
定休日:木曜日
お問い合わせ: 080-9795-8270
SNS:https://www.facebook.com/onomichirecords/
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夢中でレコードや本を物色していたのですが、気付けばそろそろ夕方。

名残惜しいですが、尾道駅から徐々に日常に戻りましょう。

尾道ブックショップトラベル、楽しんでいただけましたでしょうか? ここに挙げた以外にも、猫の細道やネコノテパン工場といった猫スポットもありますし、美味しいお店もたくさん(本当にたくさん!)あります。正直な話、1泊2日ではとても楽しみきれないです。何度も尾道を訪れているという方にも何人も出会いました。実際、僕も尾道に来るのは2度目なのですが来れば来るほど魅力が増していく不思議な街だと今回訪れて感じました。(絶対また来るぞ)

尾道ブックショップトラベル、全力でおすすめです!

昼も夜もスペースも町並みもどこか秘境感のある尾道。大型連休や週末の旅のプランの一つに加えてみるのもいいかもしれません。

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