アイドル戦国時代。
この時代を生き残るため、アイドルたちはどんな戦略を考えているのでしょうか?今回は3人組アイドルグループTask have Funの最年少メンバー、里仲菜月さんをフューチャー。取材当時(2019年3月)はまだ中学生。大人と少女の狭間に立つ、15歳のアイドルの覚悟を伺います。
最初はアイドルの仕事をなめていました(笑)
――まずはTask have Funはどんなグループなのかを教えてください。
「人生は課題(Task)だらけ。そんなTaskを楽しみながらクリアしちゃおう!をコンセプトにした、3人組のアイドルグループです。なので、ワンマンライブごとに課題が科せられます」
――具体的にどんな課題が出るんですか?
「動員数のクリアや、ギターの取得とか、いろいろ。最近だと、ライブのプロデュースという課題もありました。各メンバーの地元をまわるツアーをしたんですけど、自分の地元のライブになると、そのメンバーがプロデュースするんです。構成や曲のセットリストなど、たくさん考えなくちゃいけなくって、大変(笑)。課題の難易度が上がってきて、次はどんな難しい課題がくるのかとドキドキしてます」
▲左から里仲菜月、熊澤風花、白岡今日花
――苦労した課題はありますか?
「私以外のメンバーはギターの弾き語りに苦労したって言ってます。私はそこまで大変じゃなかったんですけど(笑)。3人ともギター初心者なのに、3か月でマスターしなくちゃいけなかったんです。演奏しながら歌うってこんなに大変なんだって知りました」
――アイドルって大変ですね。
「いろんなこと、しなくちゃいけないんです。最初はアイドル活動をなめてました(笑)。歌って踊って、キャピキャピしているだけかと思っていたら、現実は大変でした」
アイドル戦国時代を生き残るための課題は?
――アイドルになって驚いたことは?
「アイドルの数の多さですね。世の中には、こんなにたくさんのアイドルがいるんだ、って驚きました」
――まさにアイドル戦国時代ですね。数多くいるアイドルの中でTask have Funは売れないといけません。売れるために、里仲さんはどんな戦略を考えていますか?
「意外性を演出したいなって思ってます。私、見た目はキリっとしていてクールだと思われているんですが、喋ると可愛らしいって言われるんです。あと、あまり踊らなさそう、とか言われる。だから激しく踊ると、驚かれるんです。そうやってギャップを出していくと、見ている人が飽きないかなって」
▲「可愛いだけじゃ戦えない」という歌詞が盛り込まれた楽曲「3WD」
――目標にしているアイドルはいますか?
「わーすたさん。いつも猫耳つけてパフォーマンスする、歌もダンスもすごく上手いアイドルなんです。猫耳が可愛いのに、パフォーマンスはカッコイイ!」
――ギャップ萌え?
「そうですね。ギャップのあるアイドルに憧れます。可愛いのに、カッコイイもできるって、すごいです」
チラシ配りにお客さんは3人だけ。アイドルは大変!
――先ほど「アイドルは大変だった」と言っていましたが、大変さを実感した時は?
「デビューワンマンライブを開催した時、『ライブの動員数100人』っていう、課題(Task)が出たんです。その時は会場のある秋葉原周辺でチラシ配りをしました。受け取ってもらえないし、めちゃくちゃ大変。チラシ配りの休憩中、『私はこのまま、この休憩場所にいたい』って思ってました(笑)」
――それは辛い......。
「その時、人を集めるってこんなに大変なことなんだ、って身をもって知りました。テレビで『ドーム公演、5万人を動員』というニュースを観ていたので、100人なんて簡単と思っていたら、1人のお客さんを集めるだけでも大変なんですよ」
――チラシ配りをしていると、挫けそうになりませんでしたか?
「そうですね」
――挫けても、気持ちを奮い立たせ、アイドルとして笑顔を作らないといけない。どうやって前向きな気持ちを作っていましたか?
「私、満員の会場を見たい!って気持ちがあるんです。たくさんの人にグループのことを見てもらいたいし、チラシ配りの時はデビュー公演なんだから失敗したくない。そんな負けん気が出ました」
――デビューしたばかりということは、その時の里仲さんは中学1年生ですよね。中学生なのにそんな苦労を...。
「そういえば、デビューしたばかりの頃、3人しかお客さんがいない時もありました」
――うわ~!その時はどんな気持ちでしたか?
「うーん、あんまり覚えてなくって(笑)。その時は3人のお客さんが盛り上げてくれたので、目の前にいるこの3人を楽しませないといけない、って気持ちでした。楽しかったですよ!」
――今、ファンは増えました?
「はい!ファンが増えたきかっけは、初めて参加した夏フェスなんです。その夏フェスは3日間、開催されて、1日何度もステージに立つというイベント。毎日、ライブを重ねるごとにお客さんが増えていって、たくさんのお客さんを前にした時、これまで見たことのない景色が広がったんです。もう緊張しまくりで、がむしゃらに踊りました」
――"会場にお客さん3人だけ"の時代には見られなかった景色ですね。
「夏フェスってたくさんの方が来場するんですよ。だからTask have Funを知らない人に、グループをアピールできるチャンスなんです。このチャンスは絶対に掴まないといけない!って思ってました」
――チャンスってなかなか気づきにくいのに...。気づいたことが、エラい!そのチャンスを掴むためにどんなことをしましたか?
「会場に来た、1人1人の心を掴まないといけないって思ったので、1人1人の目を見ながらパフォーマンスしていました。Task have Funって3人しかいないグループだから、ステージが寂しくみえちゃうんです。3人で大きく動いて、ステージが殺風景に見えないようにしています」
――最後にアイドルとしての目標を教えてください。
「いろんな人に愛されるグループになりたいって思います。小さなお子さんから、おばあちゃんまで、愛されるような、そんなアイドルグループが目標です」
【プロフィール】
里仲菜月
2003年7月10日生まれ。茨城県出身。3人組アイドルグループ「Task have Fun」として2016年5月にデビュー。趣味はバスケットボール、特技は人の誕生日を当てること。
Twitter:https://twitter.com/Task_Natsuki
Instagram : https://www.instagram.com/natsuki_satonaka/
Task have Fun公式サイト:https://taskhavefun.net/