平成から令和へ! ゴールデンウィークは「平成を振り返る旅」に出よう

公開: 更新: テレ東プラス

「平成」から「令和」へ。若干の寂しさはありながらも、新しい時代への期待も高まりつつある2019年のゴールデンウィークは、新天皇即位と改元により、なんと10連休! 二つの元号をまたぐこの歴史的大型連休に、平成30年間の歴史に思いを馳せるスポット巡りはいかがでしょうか?

毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時28分~放送中)から、今回は、トラベルライターの塩田典子さんが登場。「平成を振り返る旅」についてうかがいました。

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平成の再開発で生まれ変わった東京を巡る旅

平成には、都心の再開発プロジェクトにより、東京の街が大きく生まれ変わりました。そこで、「丸の内」「六本木」「東京スカイツリー」など、平成を象徴するスポットを巡る旅をご提案。

古いオフィス街が激変「東京駅・丸の内」

nanairo_20190414_02.jpg写真提供:(公財)東京観光財団

2000年代に入り、古いオフィス街だった丸の内が大変身。平成14年の「丸の内ビルディング」竣工を皮切りに、平成16年には「丸の内オアゾ」「丸の内MY PLAZA」、平成19年には「新丸の内ビルディング」「ザ・ペニンシュラ東京」がオープン。

平成21年には、丸の内最初のオフィスビル三菱一号館が「三菱一号館美術館」の建物としてレプリカ再建、そして平成24年には、国指定重要文化財である「東京駅丸の内駅舎」が明治末の創建当時の姿に復原。さらに平成25年には旧東京中央郵便局の建物を利用した商業施設「KITTE」が誕生するなど、ショッピング、グルメ、アートなどを発信する人気スポットへと大きく様変わりしました。

nanairo_20190414_03.jpg写真提供:(公財)東京観光財団

「丸の内が面白いのは、明治・大正からの建築物を復元した施設が多いところです。平成の変遷を知るだけでなく、明治~大正~昭和~平成と、大きな歴史の流れのなかの"平成"を感じることができます」(塩田さん、以下同)

さらに、2027年(令和9年)には、東京駅の北側に、「あべのハルカス」を超える日本一高い390mの超高層ビルが完成予定。平成から令和への繋がりも感じられるスポットです。

【塩田さんオススメポイント】
「三菱一号館美術館の中にある『Café 1894(カフェ イチハチキュウヨン)』は、元銀行の建物を利用して作られたカフェ。かつて使われていた窓口をインテリアとしてそのまま利用していたり、趣があって素敵です」

nanairo_20190414_04.jpg写真提供:(公財)東京観光財団

夜遊びスポットからビジネス・アートの街へ「六本木」

nanairo_20190414_05.jpg写真提供:(公財)東京観光財団

バブル時代はディスコブームで盛り上がった夜遊びスポットが、平成15年の「六本木ヒルズ」、平成19年の「東京ミッドタウン」のオープンをきっかけに、新進気鋭の企業が集まるビジネスの街として注目されるように。

nanairo_20190414_06.jpg写真提供:(公財)東京観光財団

また、平成15年に「森美術館」が、平成19年に「国立新美術館」が開館。これに平成19年に東京ミッドタウンに移転した「サントリー美術館」と合わせた3館は"六本木アート・トライアングル"と呼ばれ、六本木の街は現代アートの拠点へと生まれ変わりました。

【塩田さんオススメポイント】
「東京ミッドタウンの一角にある『21_21 DESIGN SIGHT』は、一風変わった企画展を多く取り扱う美術館。芝生の中にぽつんとたたずむコンクリートの建物は、一歩入ると『こんな風になってたの!?』と驚く不思議な空間です。建築物としても素晴らしいですし、企画展もユニークなものが多いので、アートに詳しくない人でも楽しめると思います」

nanairo_20190414_07.jpg写真: Masaya Yoshimura

若者カルチャーの発信地が変貌中「渋谷」

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渋谷のランドマーク「SHIBUYA 109」が誕生したのが昭和54年。それ以来、若者カルチャーの発信地として、平成初期に大ブームとなったコギャルをはじめとする様々な文化を生み出してきた渋谷。今や世界的な観光スポットとなり、駅前のスクランブル交差点にはスマホを構え撮影する国内外からの観光客が絶えません。

この渋谷が、2020年の「東京オリンピック」までに大きく変貌中。平成24年に「渋谷ヒカリエ」、平成30年に「渋谷ストリーム」がオープン、東急東横線駅の地下化や百貨店の取り壊しなど駅周辺が大きく変化を遂げました。そしてさらに......

「今年は宮下公園が、商業施設と屋上の公園、ホテルからなる複合施設として生まれ変わる予定とのこと。ものすごい勢いで変化する渋谷から目が離せません」

平成の象徴「東京スカイツリー」

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平成24年、東京・押上に誕生した「東京スカイツリー」。昭和の高度経済成長期から半世紀以上に渡って私たちの生活を見守ってくれた「東京タワー」が"昭和"の象徴なら、「東京スカイツリー」は"平成"の象徴。商業施設「東京ソラマチ」とともに、新しい東京の顔として、世界中からの観光客で賑わっています。

「リピーターなら2018年から始まった専任ガイドが案内するスカイツリーテラスツアー(平日1日12回開催。約50分2500円)に参加しても(雨天時はスカイツリー構造ガイドツアー1000円に)。高さ155mの屋外ツアーで、風が気持ちよく夜は夜景がキレイですよ。
東日本大震災の翌年にオープンしたこの塔は、これからどんな歴史を目撃するのか。高い高い塔のてっぺんを見上げながら、未来に思いを馳せてみるのもいいかもしれません」

平成の災害を振り返る学びの旅

また、「平成」は、平成2年「雲仙普賢岳 噴火」、平成7年「阪神・淡路大震災」、平成23年「東日本大震災」、平成28年「熊本地震」、平成30年「西日本豪雨」など、自然災害が多い時代でもありました。

お亡くなりになられた方のご冥福を祈り、被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げるとともに、悲しみから得た学びを今一度深く胸に刻むことが、新たな時代へと踏み出す礎となるかもしれません。

先日、「東日本大震災」で甚大な被害のあった宮城県・松島〜東松島〜石巻〜女川を車で訪れたという塩田さんは、以下のような旅も提案してくれました。

「震災から8年、だいぶ復興は進みましたが、今もまだ街中には土砂を運ぶ重機が走っていたり、鉄道が復旧してない場所もあります。また、街中には『津波到達地点ここまで』と記した看板などもあり、当時の被害の状況を身をもって知ることができます。こうした現状を今一度しっかり目の当たりにすることも『平成を振り返る』ことにつながるのではないでしょうか。現地を訪れ、宿泊、飲食、買い物することが、復興支援にも繋がります」

nanairo_20190414_10.jpg町全体を再デザインする復興事業を進めている宮城県・女川町
写真:一般社団法人 女川町観光協会

また、「平成」には、新幹線がより長く、より広範囲に開通。平成3年より「上越新幹線」が東京駅に乗り入れ、平成9年より「北陸新幹線」、平成16年より「九州新幹線」、平成26年より「北海道新幹線」が開業。
「全国各地に行きやすくなり、より広くスピーディな移動ができるようになり、旅のスタイルも大きく変化したと感じます。また近年は観光列車も人気上昇中。列車内で食事やスイーツが楽しめたりと、乗車時間そのものを楽しむ旅もオススメです。新潟〜越後湯沢駅間では各車両に現代アートを採用した現美新幹線も運行中です」と塩田さん。"平成"の旅を象徴する、新幹線や観光列車での旅行もいいですね。

東京の再開発、災害の振り返り、拡大した新幹線など、トラベルライターならではのさまざまな切り口から「平成を振り返る旅」のヒントを教えていただきました。変遷に想いを巡らせ、当時の感情を追体験できる素晴らしいプランの数々。この記念すべき改元の節目に、"平成"とこれからの新時代を感じる旅に出てみましょう。

取材協力:塩田典子さん。トラベルライターとして、旅行誌、女性誌、一般誌、WEB媒体、企業のPR誌にて取材・執筆を行う。All About「一人旅」ガイド。多い時で月10日は旅の空の下。これまで訪れた土地は350カ所以上。近年は宿・ホテルの取材、各地の食材・料理取材を多く手がける。関心が高いのは、特産品を生かした料理やスイーツ、地酒、工芸品、温泉やスパなど。好評発売中の「東京から行く! 日帰り絶景さんぽ2019-2020」(JTBパブリッシング)では、"最旬"の絶景スポットを巡るグルメ、買い物なども楽しめるプランをご紹介。

塩田典子さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時28分からのOAも要チェックです!

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