ユニクロ柳井会長が語る「今こそ若い人に伝えたいこと」 独占インタビュー

公開: 更新: テレ東プラス

4月9日(火)の「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)では、「あなたにファッション革命⑤独占!ユニクロ革命の真実」を放送。客が望むものだけを作って売り尽くしたい...多くの企業が渇望する壮大な夢に、全社をあげて挑むことに決めた「ユニクロ」。同社では、企画から開発、販売までを横串しにしたフラットな小チームを編成した新戦略"情報製造小売業"をスタート。顧客の声を積極的に収集し、即断即決で商品開発を行う組織作りに着手した。これまで店舗やネット販売を通して集積されてきた「客の声」=「情報」を駆使し、客が望むものだけを作るビジネスを模索している。番組では、世界NO.1アパレルブランドを目指す「ユニクロ」の新たな挑戦を追った。

ガイアの夜明け」は、「ユニクロ」柳井正会長を独占インタビュー! インタビューでは、ユニクロの独自戦略や、柳井氏が若者へ送る人生訓などを余すところなく語り、経営者から若手ビジネスマンまで幅広い世代にとって示唆に富む内容だった。

今回「ビジネスオンデマンド」では、オンエアーでは紹介しきれなかった柳井会長のインタビュー映像を独占配信。ここでは、内容の一部を紹介していく。

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どこの業界も無駄なことばっかりやっている

――そもそも、柳井さんがご自分の人生において、"服作り"を選ばれたのはなぜですか?

柳井「選んだというよりは運命だと思っているんですよ。若い人たちに言っておきたいことがあって、それは、人間は与えられたモノ、与えられた運命でしか自分の人生にはならないということ。人は、与えられたモノでしか自己実現はできないんですよ。だから、偶然だと感じることにも必然性があると思います」

――企業として、チャンスはどうつかんでいけばいいのでしょうか?

柳井「まず、向こうからチャンスが来ることはないんですよ。ほとんどの人はチャンスをチャンスだと思わずに素通りしてしまう。気がついていないんです。問題意識を持って『ひょっとしたらここに不満足があるのではないか』と思える人だけが、チャンスをものにできるのではないでしょうか。

日本の大会社、そしてそこで働く人たちは、もっと危機感を持って仕事をしないといけない。安定、安心、安全?そんなものはないでしょ。世界中と競争しているわけですから。競争は「安定、安心、安全」の全く反対。その競争の中で勝ち抜かないと生き残ることはできない。特に日本には、"なんとなく安定的にやっていれば生き残ることができるんじゃない?"と思っている人が多いですよね。組織的にそういう風になってしまっていると思います」

――番組の中でも、柳井さんは"無駄なモノを作らない、売らない、運ばない"とおっしゃっていました。夢のような話だと思いましたが...。

柳井「人間はいつ死ぬかわからない。でもね、人生=夢なんですよ。挑戦しない限りエキサイティングじゃない。"あなたは何をしているんですか?""何もしていません"、これでは生きている意味がない。僕は特に若い人に言いたいですね。みんな夢は持っているけど、もっと夢に向かって生きないといけない。僕らみたいに突拍子もない夢を持つ必要はないけれど、自分で夢を持ってそれを達成することで、自分の立ち位置を変えていかないといけない。もっと高い位置から風景を見たら見え方が全く変わるんですよ。これをコツコツやっていく...それが僕は大事だと思う。そうじゃないと、気がついたら人生終わっていた...となってしまいます。この30年がいい例でしょう。日本にとってこの30年は大失敗だったと僕は思う。他の国は成長しているのに、日本は成長していないのですから。そこにもっと気づかないといけないのではないでしょうか。

明治維新や戦後復興の時は、日本人はみんなもっと危機感を持っていましたよね。状況に怯えるのではなく、今よりもっとエキサイティングで、スリルを楽しんでいました。夢に向かって勇気を持ってやっていた。今もそういう気持ちでやればいいのだと思います」

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――「ユニクロ」の"無駄な商品を作らない"という方針が、業界全体に影響を与えるのでしょうか。

柳井「当然影響するでしょう。アパレルに限らず、どこの業界も無駄なことばっかりやっている。だからこそ、ビックデータが必要なのです」

全部変えない限り"AI時代"では生き残れない

――これからのAI時代、「ユニクロ」はどう生きていくのでしょうか?

柳井「みんな人工知能とかロボティクスとか言うと、機械が入ったらすぐできるようになると思っているでしょ? でも実際は全然できないの。決まり通りのことはすぐにできるかもしれないけど、実際はそうじゃないことの方が多い。"車を作れ"と言ったら作れますか? "水泳しろ"といったらできますか? 知識だけでは何もできないでしょう。だからリアルとバーチャルが融合し、両方が最高の状態にならないと勝てないということなんですよ。例えば将棋でも、名人(リアル)が人工知能(バーチャル)を勉強したら、人工知能以上のものができるかもしれない。だからこそ僕らは、それぞれの業界で名人にならなくてはいけないのです」

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「これから『ユニクロ』がどう進んでいくのか...『この方向だな』という概略は見え始めました。それが見えているのは世界でも数社しかないし、日本の企業はほとんどないのではないでしょうか。大事なのは、深く考えて深く感じる能力。これがないと、イノベーションとクリエイティビティ、そしてディープシンキングはできない。今起こっていることは産業革命なので、頭の深いところから変革していく必要があると思います」

――「ユニクロ」も産業革命をやると...?

柳井「全部変えない限り生き残れないですよ。自動車に馬車で対抗しようと思っても無理。それくらいのところにもう来ているわけですから」

――それでは「ユニクロ」はどういったものを目指しているのでしょうか。

柳井「本当にいい服ですね。まだウチでも売っていないかもしれない、お客さんの想像をはるかに超えた、"新しくて本当にいいと思う服"。ユニクロは世界一を目指しているし、世界一を目指さないと何をやっているのか分からない。13万人の社員に『オリンピックで銅メダルを取ろう』という目標を言っても、銅メダルすら取れない。少なくとも『金メダルと取る、絶対に取る』という意志がないと、勝てないんですよ」

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