現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。これまで大量生産・大量消費の象徴だったユニクロが、今生まれ変わろうとしている。4月9日(火)の放送では、シリーズ あなたにファッション革命第5弾「独占!"ユニクロ革命"の真実」をお届け。世界ナンバーワンを狙うユニクロの最前線に密着取材した。
一大旋風を巻き起こした商品を大改革!
ユニクロ銀座店のTシャツ売り場には1200種類以上もの品揃えがある。有名デザイナーとタッグを組むなどし、新たに掲げたコンセプトは、「MADE FOR YOU~あなたのために~」。
果たして何を目指しているのか...ユニクロの柳井正会長を直撃した。「世界一を目指さないと何やっているのか分からない。13万人の社員に『オリンピックに行ったら銅メダルとります』じゃ勝てない。少なくとも金メダルを獲る。それを絶対獲るんだという意志がないと勝てない」と柳井会長。
ユニクロ本部では、柳井会長の号令のもと、組織の大変革が行われている。本社(山口県山口市)にあるコールセンターは、かつてクレーム処理を担当するにすぎなかったが、今は客からの要望を徹底的に吸い上げている。集められた要望は、すぐに有明本部へ。
3年前に発売され、一大旋風を巻き起こしたワイヤレスブラも、今大きく生まれ変わろうとしていた。
ワイヤレスブラは、胸を支える金属ワイヤーをなくして快適性を実現。今やユニクロの看板商品となっている。客の評価は、5点満点中4.3と高得点。しかし、開発チームはある声に注目した。「シルエットがだらしなく見える」「脇肉が流れる」。開発担当者は客の声をもとに改良を加えようとしていた。
完成した新型のワイヤレスブラ。見た目は従来のものと変わらないが、驚くべき新機能が隠されていた。独自開発した特殊なカップを入れ、カップの部分がバストに合わせてサイズが変わる。それぞれの人に合ったバストにフィットするのだ。
今年1月から発売された新型ワイヤレスブラは、高評価が多かったものの、中には「試着したら合わなかった」という声も。進化させたはずだったが、新たな課題も見つかったのだ。
さらに下着売り場の接客担当が客の声をまとめたノートには「サイズがアバウト」という指摘も。
客の「生の声」をどう生かし、改善していくのか?即断即決の「ユニクロ革命」の現場に迫っていく。
ユニクロが"今までにない"ジーンズを開発
一方、定番のジーンズでも画期的な改革を行おうとしていた。実は生産現場には大きな課題があった。例えば、生産の中で最後に行われる「洗い」という工程。ここでは大量の水が使われており、さらに色を落とすために薬品をスプレーする作業もある。人や環境への負荷が問題となっているのだ。
そこでユニクロは"環境に優しいジーンズ作り"という新たな挑戦を始めた。ジーンズ開発のチームリーダー・松原正明さんが色落ちの参考にしているのは、古着屋で見つけてきた中古のジーンズ。これをヒントに、オリジナルの色落ちを考える。
そのためにユニクロが作った開発施設が、最新設備を揃えるアメリカ・ロサンゼルスの"ジーンズ・イノベーション・センター"だ。ここでは、ジーンズをレーザーで焼いて古着の風合いを表現。あっという間に、長年使いこんだ質感に変化していく。
だが工場では、新たな難題も出てきていた。レーザー加工に時間がかかりすぎるというのだ。1本仕上げるのに3分以上。このように時間がかかっていては大量生産ができない。
レーザー加工のデータは、ユニクロジーンズの生命線だ。レーザー加工のスピードを上げることはできるのだろうか。世界ナンバーワンを目指すユニクロ革命はこれからが本番。柳井会長はこう語る。
「夢に生きないといけないんじゃないの。人間はいつ死ぬか分からないんですよ。人生は夢なの」。
新しいステージに入ったユニクロの戦略に迫る「ガイアの夜明け」は、今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!
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