玉木宏「僕は、本当に寂しい人間です(笑)」

公開: 更新: テレ東プラス

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いよいよ4月15日(月)夜10時から、ドラマBiz「スパイラル~町工場の奇跡~」(テレビ東京系)がスタート! 原作は、真山仁の大ヒット作「ハゲタカ」シリーズのスピンオフ作「ハゲタカ4.5/スパイラル」。東京のとある町工場を舞台に、「人を救う仕事がしたい」という信念を持つ企業再生家・芝野が、経営難に陥った町工場を立て直すために奮闘する姿を描く。主人公の芝野を演じるのは、玉木宏。芝野は、仕事に関してはスキのないスーパービジネスマンでありながら、ロマンチストで涙もろい一面もあるという魅力的な人物。芝野という役柄への思いから、玉木自身の仕事観にも迫った。

"偶然ではなく、すべて必然"に共感する

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――今回、玉木さんはドラマBiz枠で初主演となりますが、そのことについての思いをお聞かせください。

「真山先生の原作としては、「巨悪は眠らせない」シリーズ('16、17年テレビ東京)という作品をスペシャルドラマで2本やらせていただき、今回で3作目になるので、真山先生のテイストを受けて演じることに関して、"難しい"と思うことはありません。"町工場の奇跡"というサブタイトルが付いているように、日本に町工場はたくさんあり、日本が持っている技術をちゃんと残していくことはすごく大事なことだと。『巨悪~』で演じた検事とは違う着眼点でストーリーを発信できる面白さがあると思います」

――芝野が持つ"ロマンチストで感情豊かな部分"をどのように表現したいと考えていますか?

「原作の芝野にはない要素なので、どこまでやるかが大事だと思っています。脚本のト書きに"感動している""感極まっている"とあるのですが、それを表現するのはなかなか難しい気がしていて...。感動するにもいろんなパターンがあるので、それを踏まえて調整していきたいです。ただ、ドラマとして人間味を出せる部分なので、そこを大事に演じられたら、芝野という人物に共感してもらえるのではと思います」

――涙もろい芝野のように、感極まって涙を流したことはあるのでしょうか?

「実は、生活の中で涙を流したことがほとんどないんです。映画を観たりドラマを観て泣くことがない。本当に寂しい人間だなと(笑)。感動しそうになる心の動きはあるのですが、それを客観的に見ている自分がいて、そこでブレーキをかけてしまうんです。だから、最近、涙は流していません(笑)」

――いつもフラットなんですね。

「自分で心掛けているわけではないですが、自然とそうなってしまっているんです」

――それでは、玉木さんが芝野に共感する部分は?

「僕にとっては、芝野という人間が素晴らしい人間に見えます。"どうしてこんなにブレずにいられるのだろう?"、"なぜ大手電機メーカーである曙電気を辞めてまで、親身になって町工場で働くことができるのだろう"と。共感というよりは、まだ疑問しかないです(笑)。自分だったらそこまでできるかな、ということは考えました」

――「偶然起こったことも必然としてすべて受け入れる」という芝野の考え方は、とても素敵だと思います。

「原作を読んでいて『年齢を重ねる中で、一見偶然にしか見えない巡り合わせも必然だと考えるようになった』という文言があり、すごく印象に残っている言葉です。僕自身も、今までの人生において、どこかで"偶然ということはない"と思うようになっていて...。すべての出来事は起こるべくして起こったというか、今あるものはちゃんと用意されていたものなんだという意識があります」

――芝野は信念のある人物として描かれています。玉木さんが仕事をする上での信念とは?

「いただいた仕事に対しては、責任を持ってやり遂げるということです。いろいろな人が動いて形にしているものに携わっているので、自分がちゃんと与えられた役や立場を全うすることで、結果につながるのではないかと思っています」

――これまでのキャリアの中で、玉木さんが大切にしていることはありますか?

「僕は迷惑をかけたくないという気持ちが一番強くて、自分のせいで撮影が止まってしまうのが何より怖い。ですから、体調を含め役に関する準備など、常に良い状態で現場にいられるようにすることを心がけています。クランクインまでにある程度形にしておかないと撮影が進まなくなって迷惑がかかってしまいますから...。ただ、時間がなくて本当に準備が間に合わないという時は、たくさんありました。そういう場合は、睡眠時間を削ってでもギリギリまで準備し、現場に行くしかない。僕は最悪な状況まで想定して準備するタイプなので、実際に現場に行ってみると、"心配するほどでもなかった"ということはよくあります(笑)。でも、その時になってみないとどうなるかは分からないので、やれることはやります」

――すごく準備をしてから現場に臨まれるんですね。

「そうしないと怖い(笑)、というのはありますね」

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――キャストも個性的な役者さんが揃っていて楽しみです。共演者の皆さんの印象をお聞かせください。

「個性豊かな方々とアイデアを出し合って、それをどう形にするかと模索していくのが楽しみです。町工場の主任・桶本を演じる國村隼さんは大ベテランですし、ご一緒できるのがうれしく、心強いです。ご自身の感情がブレないというか、堂々としていらっしゃるので、すごく助かります。國村さんは、この仕事を始める前はエンジニアになりたかったとおっしゃっていて、町工場の社長の息子・望を演じる戸塚純貴くんも整備士の資格を持っているそうで、そういう意味でもいろんなアイデアが出てくるのではないでしょうか」

年齢を重ねるごとに楽しくなっているのはたしかです

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――さて、30代最後の歳になります。40代になった時に目指す仕事のスタイルはありますか?

「始めた頃と今では映像業界もいろんなことが変わってきているし、40歳を境に、自分発信でやっていくことが大事なのかなと...。今まではいろんな環境に身を置いて、吸収できるものは吸収して吐き出して、というのを繰り返していたんですけど、今後はプラスαで、仕事の選び方など自分の意志で動いていこうかなと思っています」

――40代が見えてきて、プライベートでの過ごし方も変わりましたか?

「健康に気をつけたりということはないんですけど(笑)、年齢を重ねるごとに、だんだん楽しくなっているのはたしかです。旅行や人と会うことが好きなんですけど、違う職業の人と会って話をすることは身になりますし、プライベートはそういう時間として使うことが多く、そこはあまり変わっていませんね。今は、いわゆるIT系の仲間と会うことが多くて、話していて面白いです」

――最後に、このドラマの見どころをお願いいたします。

「ドラマに登場する町工場のように、技術を持っているけれど営業がうまくいかなくて...と困っている方が実際にたくさんいるかもしれません。そういう人たちにとって心強い作品になるのかと思います。芝野はすごく誠実で真っ当でブレなくて、こういう人がいたら助かるだろうと感じられるキャラクターですし、爽快感があって気持ちのいいドラマです。ぜひ、楽しみにしていてください」

「いつもフラットでいる」と自身で言うように飄々とした語り口で質問に答える一方、仕事には万全の準備をして臨みたいという一面も。そんな玉木宏が、危機的状況に立ち向かうヒーロー・芝野をどのように演じるのか、期待が高まる。

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4月15日(月)夜10時スタート! (BSテレ東は4月19日金曜夜9時スタート)ドラマBiz「スパイラル~町工場の奇跡~」をどうぞお楽しみに!

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【あらすじ】
企業再生家の芝野健夫(玉木宏)は、恩人である天才発明家の藤村登喜男(平泉成)の死をきっかけに大手電機メーカーから転じ、小さな金型工場・マジテックの再生を手掛けることに。芝野は、亡き藤村の娘・浅子(貫地谷しほり)、劣等感を抱えながら成長する弟の望(戸塚純貴)、藤村の右腕だった桶本(國村隼)らと共に奮闘する。しかし、過去の因縁から芝野に復讐を目論む村尾(眞島秀和)と外資系ファンドのホライズンが、ある目的でマジテックを乗っ取ろうと動き出す...。

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