56億7000万年後何かが起きる、「高野山」に戦国武将のお墓が集まる理由とは!?

公開: 更新: テレ東プラス

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神々しい光景、神秘的な佇まい――。
平安時代から1200余年の時を刻み続ける聖なる信仰の場、天空の聖地・高野山を訪れる。溢れる和歌山の美しい風景を絵画のように切り取り、「和歌山ミュージアム」としてお届けする。

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今回は、その内容「天空の聖地 高野山」を紹介。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録され、日本国内ならず、世界的にも注目され続ける高野山の素晴らしさを伝える。

日本仏教の聖地・世界遺産「高野山」

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世界遺産・高野山は、標高1000メートル級の八つの峰々に囲まれた深山の幽谷。今から約1200年前となる平安時代のはじめ、弘法大師・空海によって密教の道場が開かれた日本仏教の聖地である。

空海は、真言密教の修行に集中できる地を探し求めた末、高野山にたどりつく。都の喧騒から遠く離れ、紀伊山地の雄大な自然に抱かれたその地で、根本道場を開いたのだ。

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高野山内は「壇上伽藍」と「奥之院」を二大聖地とし、現在も世界中から訪れる多くの人々の信仰を集め、親しまれている。胎蔵曼荼羅の世界を表した「壇上伽藍」は、空海が高野山を開創された際、真っ先に整備され、最初に諸堂が建てられた道場の中核となる場所だ。

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境内には19の建造物が建ち並び、高野山のシンボルとしても有名な「根本大塔」の内陣は、朱塗りで華麗に仕上げられた。内部にある16本の柱には、堂本印象画伯の筆による十六大菩薩が描かれている。

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壇上伽藍には、建久8(1197)年に鳥羽上皇の皇女である八条女院の発願により建てられた「不動堂(国宝)」や、空海が高野山を開創する際、真言密教の守り神として高野山にお迎えした丹生明神、高野明神を祀った「御社(みやしろ)」がある。

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こちらは、その形が六角錐であることからその名がついた「六角経蔵(ろっかくきょうぞう)」。経蔵とはお経を納めるための場所で、経蔵の基盤部分にある把手(とって)を持ちながらひと回りすれば、一切経を一通り読んだ時と同じ功徳を得られるとされている。

パワースポットとして注目される「奥之院」

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高野山における、もう一つの聖地である「奥之院」。

承和2(835)年に62歳で永遠の禅定に入り、後に醍醐天皇より、「弘法大師」の諡号(しごう)を賜った空海の御廟を祀る大師信仰の聖地。高野山の【最高なる聖地】としてもその名を馳せ、神域として「パワースポット」としても注目される地だ。

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一の橋から御廟まで約2キロメートルの道のりには、およそ20万基を超える諸大名の供養塔や慰霊碑の数々が立ち並ぶ。供養塔や慰霊碑をよく見れば、次々と知っている名前を目にすることだろう。一ヵ所にこれほど多くの戦国大名や歴史上の人物たちの供養塔がある場所は他に例を見ない。

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玉川にかかる御廟橋を渡り、御廟の目前にある燈籠堂へ向かう3人の僧侶。僧侶たちが運ぶのは、ここで今も人々のために祈り続けているとされる、空海のための生身供(しょうじんぐ)だ。1日2回、食事が入った白木の箱が燈籠堂へ運ばれる。空海は、今も私たちの心の中で生き続けているのだ。

高野山に戦国武将をはじめとする多くのお墓が集まる理由の一つをご存知だろうか。お経には56億7000万年後に弥勒菩薩さまが現れる(3つある)場所の一つが高野山奥の院であると書かれている。弥勒は釈迦の弟子であったが死後は兜率天に生まれ釈迦の死後56億7000万年後再び人間世界に下生し、悟りを開き釈迦滅後の人々を救うとされている。空海は弥勒菩薩に付き従いこの世界に来生されると言われている。その来生の時をより近くで見るために特等席である奥の院にお墓を作ったと言われているのだ。

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高野山の旅。今宵の宿は宿坊・福智院。高野山には多くの宿坊があり、多くの参詣者を受け入れている。福智院は「福徳円満良縁成就」のご利益のある愛染明王をご本尊とする約800年の歴史をもつ寺院。

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美味しい精進料理に舌鼓を打った後は、高野山で唯一の天然温泉で1日の疲れを癒す。また、朝の勤行(お勤め)や写経など、寺院ならではの体験をすることもできる。

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2004年、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された天空の聖地・高野山。一度その世界に触れれば、魅力はきっとあなたの心に伝わるはずだ。

海と山、雄大な自然に囲まれ、長きにわたる歴史の息吹に触れながら、五感で楽しめる紀州路へ――。

「和歌山ミュージアム」でさまざまな風景に触れ、明日へのパワーへとつなげてみてはいかがだろうか。

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