“レオパレス問題 総まとめ”ガイアの夜明けで発覚した驚きの実態

公開: 更新: テレ東プラス

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レオパレス21(以下レオパレス)違法建築問題で、再び驚きの事実が明らかになった。3月26日(火)のガイアの夜明け(毎週火曜夜10時)が、レオパレス問題の最新スクープとなる第4弾を放送。施工を請け負った業者の重要証言から、レオパレスの新たな不正疑惑が浮上した。番組が疑惑を追及、レオパレスが言い逃れる、というループを繰り返してきたこの問題を、今一度振り返る。

スクープの発端は"ブラックすぎるアパート契約"の告発

レオパレスは「♪夢中で頑張る君にエールを~」のCMソングで有名な賃貸アパートの大手企業。歴代CM出演者も、田中麗奈、藤原紀香、田中圭、広瀬すずといった人気スターがズラリと並ぶ。

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敷金無料や家具・家電つきなど、身軽な若者向けの付加サービスで人気を集めていたレオパレスだが、一方では「壁が薄くて隣室で納豆をかき混ぜる音が聞こえる」「隣の部屋がエアコンを入れると自室でもオンになる」「部屋のチャイムを鳴らしたら同じ階の住人全員が玄関ドアを開けて出てきた」といった"レオパレス伝説"が、ネット上を中心にまことしやかに囁かれていた。

2017年12月、ガイアはスクープ第1弾として、レオパレスのサブリースをめぐる契約トラブルの実態を放送。「30年間の賃料保証」などのうたい文句で、賃貸アパートの個人オーナーや相続税対策を考えている人などとサブリース契約を交わしていたが、途中で反故に。「契約から10年超のアパートは契約を解除」「10年未満は家賃収入の大幅な減額を求める」という内容だ。

つまり「30年保証と言ったけれど10年に短くする」「払うと約束したが、やはり払えない」という、個人オーナーたちとしては受け入れらない内容だった。この一方的な契約変更は「終了プロジェクト」という名称で組織的に行なわれていたことが明らかになった。

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番組はその内部文書を入手し、レオパレスの深山英世社長に直接説明を求めたが、言葉に詰まった末に返ってきたのは「コメントは差し控えさせていただきたい」という一言だった。

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界壁の施工不良が発覚...レオパレスが会見で釈明

放送から約5ヵ月後となる2018年5月には、第2弾を放送。レオパレス物件の天井裏にカメラを入れ、遮音や延焼を防ぐための「界壁」が設置されていなかったことが明るみになった。ネット上に書き込まれていたレオパレス物件の音漏れの"都市伝説"は、入居者の命にもかかわる社会的な問題へと変わった。

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界壁の施工不良は建築基準法違反に繋がる。それが発覚することを知ったレオパレスは、放送直前に緊急会見を開き、建築基準法違反の疑いとその施工管理責任については認めながらも、施工不良の原因を「現場の施工業者の誤解と認識不足によるもの」などと説明した。

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問題発覚後もレオパレスの不誠実な対応

今年2月に放送された第3弾では、不良物件の調査・補修工事が遅々として進んでいない現状が明るみになった。レオパレスは全棟調査の実施を約束していたが、あるオーナーは、昨年5月の記者会見から数か月間も放置されたまま、物件の補修工事はおろか調査すら行なわれていなかった。そこでレオパレスに調査を依頼すると、界壁の不備が発覚。しかし、本社による「社内判定」で、それが「問題なし」に覆ってしまった。この対応にオーナーも行政も憤り、再調査の結果、改めて「界壁の不備」が確認された。こうしたずさんな調査の実態について深山社長に取材を申し込んでも、一貫して取材拒否が続いた。

放送の2日後、深山社長はようやく会見を開き、一連の問題について謝罪。問題発覚から実に9か月後のことだった。さらにそこでは、33都府県の1324棟で施工不良が見つかったこと、1万4443人の入居者に転居を求めることを発表した。

創業者が不正に関与? 衝撃的な調査報告

今年3月には、外部調査委員会による中間報告が公表された。これまでのレオパレスの説明を否定するだけでなく、一連の施工不良が創業者・深山祐助氏の指示によるもので意図して組織的に行なわれた、と指摘されている。

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祐助氏は、深山英世社長の叔父にあたる人物で、1973年の創業から30年以上にわたってレオパレスのトップに君臨。同社のビジネスモデルを一から作り上げ、界壁がない不良物件「ゴールドネイル」も、祐助氏の社長時代に生み出された商品だ。2006年、祐助氏は入居者から共済金目的で集めた約48億円を私的に流用。これを理由に、レオパレスの社長を引責辞任した経緯がある。

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第4弾で施工業者が重大証言 「界壁不要」とレオパレスが指示

そして3月26日(火)に放送された第4弾では、実際にレオパレス物件を手がけた施工業者が驚きの証言をする。「図面上に界壁は載っていなかった」というのだ。別の業者も「界壁はなくてもいい」とレオパレスから指示されていたことを明かした。昨年5月の会見で、一方的に界壁問題の責任を押し付けられた施工業者たちが、重大な反論をした形だ。

また不良物件の調査・補修工事についても新たな疑惑が浮上した。2001年から発売され7300棟以上が建てられた「ハイブリッド」という物件。全国にあるレオパレス物件の2割を占める人気シリーズだ。ところが、「ハイブリッド」は、優先調査の対象から外されている。

愛知県・常滑市にある「ハイブリッド」のオーナーは、界壁問題を知って不安を感じ、昨年6月にレオパレスに調査を依頼。これに対して「ハイブリッド商品は国交省の認定商品であり、界壁が必要ない商品のため調査は原則として行なわない」というのがレオパレスの言い分で国土交通省の「認定書」を示してきた。しかし、建築図面には「界壁は小屋裏まで達するものとする」と明記されている。

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この認定書について国土交通省に問い合わせると、「遮音性や防火上の安全性の観点から設置が求められる界壁の要・不要とは無関係。必要な界壁が不要となる根拠にはならない」との回答が届く。「国土交通省の認定書があるから界壁は必要ない」というレオパレスの言い分を国土交通省が完全に否定したのだ。

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そして今年1月、このオーナーは、ついに図面に記載されていたレオパレスの一級建築士との面会にこぎつける。すると、レオパレス側が当初「界壁は必要ない」と主張した点について「(担当した建築士が)商品知識の無知で誤った説明をした」と釈明したという。

番組では、この一級建築士を直撃。だが当人は、動揺を見せながら「全部本社を通してほしい」と繰り返すばかりだった。

このオーナーは自ら一級建築士を手配して、界壁の調査を実施。第三者の立場で調査にあたった一級建築士は、「物件の一部に界壁が無く、耐火性能及び遮音性能を満たしていない」と物件の不備を指摘した。オーナーとしては、今後のレオパレスからの報告、そして行政の判断を待つことになる。

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依然として止まらないレオパレスショック。レオパレスの対応に泣いている入居者やオーナーが大勢いることが明らかになる中で、彼らの不安はいつ払拭されるのだろうか。

この放送を見逃した方は、テレビ東京ビジネスオンデマンドへ!

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