埼玉は都会からも田舎からもディスられる?やばい埼玉を見つけに行く埼玉片田舎巡り

公開: 更新: テレ東プラス

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いよいよ公開された空前絶後の"埼玉ディス映画"こと『翔んで埼玉』。今世界で最も熱くディスられている県・埼玉のことをもっと知るために、生粋の埼玉県民であり埼玉の女王を名乗る未衣子さんに急遽半日埼玉観光ツアーを依頼。「片田舎」こと北埼玉エリアを巡る旅が始まりました。

延々と荒野が広がる県名発祥の地「埼玉古墳群」や、農業体験もできる老舗遊園地「むさしの村」を巡った午前。昼食をとるために立ち寄ったチェーン店も埼玉県ゆかりの店でないはずがなく――。

※午前のツアーの様子はこちら!

【11:30 ピッツェリア馬車道】埼玉発祥の人気チェーンで焼きたてピザを食べ放題!

「埼玉県を代表する飲食チェーンを挙げるなら、『馬車道』、『山田うどん』、『るーぱん』、それに『ぎょうざの満州』も外せませんね」と未衣子さん。

そのなかから今日のお昼に選んだのは、埼玉を中心に関東エリアに多くの店舗を持つ「ピッツェリア馬車道」です。

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選択理由は「本当にチェーンかよってぐらいおいしい生麺があるんです。ピザも窯で焼いてるんです!」。

人気は焼きたてのピザをいくつでも食べられる食べ放題メニュー。ユニークなシステムも特徴で、テーブルの上に「まだまだいただきます」と書かれた札を立てておくと、

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焼きたてピザを持った店員さんが巡回しに来てくれます。「次はどんな味が食べられるんだろう!」というわくわく感もありますね。パスタとサラダがセットになった盛りだくさんなAセットでもお値段1199円(+税)とものすごくリーズナブルです。

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たまにデザートピザがやってくるのもうれしいところ。どれもとてもおいしかったです。

都会と田舎両方から板挟みにあう悲しい「片田舎」・埼玉

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ピザを食べながら未衣子さんに『翔んで埼玉』での埼玉県のディスられっぷりに関して思うところを伺うと、「私は(原作漫画を)読んでて『わかるな〜!』って思います。共感しますね」。

一方で、「埼玉県民は埼玉を出て、ほかの県出身の人と話したときにやっとディスられているという事実に気付くんです。私も昔は3両編成の秩父鉄道に乗って熊谷までプリクラを撮りに行ったりしてましたし、『ちょっと田舎だな』ぐらいは思ってたんですけど......。繰り返しディスられて耐性ができた埼玉県民は、逆に自分から自虐ネタで笑いを取りにいくようになっているような気もします」とも。

しかし、この「埼玉県民による埼玉自虐ネタ」にも大きな落とし穴があると未衣子さんは言います。それこそが、「片」田舎であるが故の都会と田舎からの埼玉県民板挟み問題。

「埼玉は東京に1時間で行けるから、本当の田舎ってわけじゃないんですよ。でも都会みたいな特別なプライドを持ってるわけではありません。だからといって『埼玉は田舎でさ』と自虐してみると、今度は本当の田舎出身の人から『イオンがあるのにどこが田舎だ!』とディスられたりします。どっち向いてもディスですよ。埼玉県民は、埼玉県民同士でしかお互いを慰めることができないのかもしれません......

都会に入り込めず、田舎とも言いきれない。埼玉と東京の位置関係が引き起こした深く悲しい現実の一端が垣間見えます。

ちなみに、原作や映画の設定にあるように内陸県である埼玉は海への憧れがあるのか伺うと、

「海は少しだけ怖いです。ずっと波の音がしたり、地平線の向こうまで水があるっていうのは。でもやっぱり楽しそうだから、積極的に行くようにしています。電車に乗ってて窓から海が見えると、今でも声に出して『わあ!』って言っちゃうんですよ。このあいだ、私の声を聞いた地元の小学生が海のこと教えてくれました(笑)」

【13:30 吉見百穴】あるときはお墓、またあるときは軍需工場になるミステリアスな場所

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北埼玉ツアー、最後の1カ所は比企郡吉見町「吉見百穴(よしみひゃくあな、よしみひゃっけつ)」。岩山に無数の穴が空いた不思議な場所ですが、これは古墳時代後期、今から約1400年近く昔に作られた国内最大規模の横穴墓群。国史跡にも指定されています。百穴と言いますが、実際の穴の数は216基もあるのだとか!

穴のなかに棺桶を安置したと考えられていますが、今や老若男女が訪れる観光スポットに。さらに観光地になる前、太平洋戦争中には地下軍需工場としても機能していたという盛りだくさんな経歴を持つ場所です。

地下軍需工場跡は普段は見学できるそうですが、訪れたときには点検・整備のため立ち入り禁止になっていました。

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しかし吉見百穴は岩山の頂上まで登ることが可能で、いくつかの横穴は実際に入って見学することもできます。穴の入り口は狭いですが、入ってみると意外と高さと奥行きがあります。

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あるときはお墓に、またあるときは軍需工場にと変遷を遂げてきたどこかミステリアスな場所ですが、今やそれを眺めながらのんびり軽食を取ることもできることができるのは感慨深いものがあります。熊谷銘菓「五家宝」もさまざまな味を展開中。意外と噛み応えがあっておいしかったです。

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すぐお隣には資料館もあり、埴輪や勾玉作り体験も実施できます。

まとめ

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奇しくも古墳に始まり古墳に終わった、北埼玉エリアの「片田舎」探訪。都会にも田舎にもなりきれないというジレンマを抱えているのは前述の通りですが、むしろ関東に住んでいる人にとっては、日帰りでちょっとした探検ができる魅力的な県とも言えるのではないでしょうか。『翔んで埼玉』を心ゆくまで楽しんだあとは、ぜひ「自分だけの埼玉」の魅力を見つけにきてください。

実際に埼玉を訪れたときには、おいしいものが揃う銘菓をお土産にするのもおすすめです。「十万石ふくさや」の「十万石まんじゅう」と「はにわさぶれ」をお土産に買って帰りました。今なら『翔んで埼玉』コラボ商品も販売しているので狙い目です!

【プロフィール】
未衣子
埼玉生まれ埼玉育ち親戚全員埼玉県民、行田市出身の生粋の埼玉県民。過去には埼玉の情報サイト「そうだ埼玉.com」で埼玉にまつわる記事を執筆。埼玉の女王様を名乗り、文学フリマでは「さいたま養豚場」のサークル名義で創作活動も行う。日課は埼玉新聞掲載のローカルニュースのチェック。
[Twitter] @315meow
[HP] https://about.me/miico315meow

【取材先情報】
・馬車道グループ https://www.bashamichi.co.jp/
・吉見百穴 http://yoshimi-kanko.net/kanko/hyakuana/
・十万石 http://www.jumangoku.co.jp/

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