「生存率ゼロ%」の小児がんに挑む日本の医師:未来世紀ジパング

公開: 更新: テレ東プラス

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2月20日(水)放送の「日経スペシャル 未来世紀ジパング」(毎週水曜夜10時)では、人気シリーズ「世界を救う日本の医療」第4弾を放送。今回は、カンボジアやベトナムで活躍する日本の"スゴ腕"医師たちに密着する。

日本では例がない巨大腫瘍に名医が挑む

最初の舞台は、東南アジアのカンボジア。ここに、日本のNGOが寄付を募って建てた病院がある。日本人医師や看護師がボランティアで働くこの病院は、無償で質の高い医療が受けられるとあり、カンボジアの人達の駆け込み寺となっている。

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この病院で手術を待つシンホアちゃん(3歳)。1歳4カ月の時に発覚した腎臓がんの影響でお腹が異常に膨らんでいる。カンボジアは、人口に占める子供の割合が日本の3倍あるにもかかわらず、子供の専門病院がない。また、難易度が高いがんの手術が出来る医師もいないため、子供ががんになると、それは事実上、生存率ゼロとなる。娘の死を覚悟していたシンホアちゃんの両親は、最後の望みを賭けてこの病院にやって来ていた。

そこに現れたのは、九州大学病院の医師たち。田口智章教授と若手の外科医や麻酔科医など、総勢5人からなる日本トップクラスの小児外科チームだ。九州大学病院は、日本の国立大学で初めて小児外科を開設した名門。今回、シンホアちゃんを含む3人のがんの子供の手術を行う。

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田口教授が若手の医師を帯同させているのには、理由がある。実は日本では少子化の影響で小児外科の症例数が減少し、若手医師が経験を積む場が少なくなっている。トップクラスの症例数を誇る九州大学病院でさえ、小児がんの手術は年に50件も満たない。カンボジアの子供を救うことは、日本の若手医師の育成にも繋がるのだ。シンホアちゃんの手術の最終確認を若手医師たちとする田口教授。日本では例がない、巨大な腫瘍に挑む。

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生活習慣病の患者が急増するベトナム

ベトナム南部最大のチョーライ病院を訪れた番組取材班は、異様な光景を目の当たりにした。建物の中に収まらず、中庭にまであふれる人々...。この病院では、ベッド数1800に対し入院患者が2500人にまで増加。部屋に入りきらず、廊下で寝ている入院患者までいる。

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近年、経済成長率6%台を維持するベトナムでは、生活が豊かになるにつれ、"生活習慣病"とも呼ばれる糖尿病、脳卒中、心臓病などの患者が急増。中でも国民の2割が心臓病を患っていて、毎年およそ20万人が亡くなっているという。

そんなチョーライ病院を訪れたのは、心臓外科の浅井徹医師。心臓病の患者が日本中から集まる順天堂大学医学部附属順天堂医院に引き抜かれたスゴ腕医師だ。手術の現場にカメラが入ると、医師を含め全てのスタッフに細かい指示を出す浅井医師の姿が。患者の命を救うには外科医の腕だけでなく、手術に参加する全員の"チーム力"が大事だと浅井医師は話す。

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今回、1週間のベトナム滞在中に9つもの手術を行う浅井医師だが、この病院で手術するのは年に1度。ベトナムの若手医師やスタッフは、この機会に技術を習得しよう必死だ。しかし、経験不足から、手術中はトラブルが続出。浅井医師は、フォローしながら極力現地のスタッフに経験を積ませていく。彼らの経験と技術向上は、実は日本との間で「Win-Winの関係」に繋がる可能性があるのだ。

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世界を舞台に、優れた技術と熱い想いを伝授する日本の名医たち。彼らの活躍を伝える「日経スペシャル 未来世紀ジパング」は、今夜10時放送。お見逃しなく!

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