個人にも魔の手...大物地面師が狙った”もう1つの標的”:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

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現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組ガイアの夜明け(毎週火曜夜10時)。2月19日(火)の放送では、不動産業界に巣くう"地面師"や"ブラック家主"の実態を緊急取材。一般庶民の土地や住まいをも標的にする驚きの手口を明らかにする。

1200坪の土地をめぐる不審な取引

住宅大手の積水ハウスが、「地面師」グループに土地の取引を巡って55億円をだまし取られた事件で、今年1月、主犯格のカミンスカス操容疑者が逃亡先のフィリピンから日本へ強制送還された。一連の事件でカミンスカス容疑者のほか16人が逮捕されている。

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取材を進めると、カミンスカス容疑者がかつて出入りしていたアジトからは、偽造書類に使われたであろう大量の印鑑も見つかる。そしてさらに、カミンスカス容疑者が個人の土地にも絡んだ疑惑が浮上。先祖代々引き継いできた1200坪もの土地を自宅もろとも地面師グループに奪われた、と被害を訴えるのは、東京・江戸川区に住む沢田さん(仮名)。地面師たちは企業だけでなく、個人にも狙いをつけていたのだ。

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地面師グループとみられる男たちが沢田さんに近づいてきたのは約3年前。マンション・アパートの運営に行き詰まっていた沢田さんは、借金の担保だった土地を差し押さえられていた。そこへ声をかけてきたのが、不動産会社の社長、その顧問と名乗る面々だ。彼らが沢田さんに提案したのは、敷地内に老人ホームを建て、その収益を借金の返済に充てるという計画。不動産会社は老人ホームの詳細な設計図まで用意していた。

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交渉には本物の弁護士も登場。愛着のある自宅と土地を取り戻したい、という気持ちもあり、沢田さんはこの提案に乗ることを決意。そして沢田さんは、計画をスムーズに運ぶためにと不動産会社社長らが提示した「土地の所有権をいったん不動産会社に移す」という条件を飲んでしまう。

ところが、老人ホームの建設は一向に進まないまま1年半が経過。苦境に立たされた沢田さんの前に現われたのが、大物地面師・カミンスカス容疑者だった。取材班は、沢田さんの土地をめぐる疑惑をさらに追及。この不審な取引に関わった重要人物たちに話を聞く。

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窓ガラスや玄関を破壊...「ブラック家主」vs住民

不動産トラブルに巻き込まれるのは土地の所有者だけとは限らない。庶民にとって身近な賃貸住宅ではブラック地主・家主が暗躍している。去年3月、名古屋にある古い長屋で空き家の窓ガラスや玄関が破壊される事態が発生した。乱暴な行為に出たのは長屋を買い取った不動産業者の関係者。残っている居住者に立ち退きを迫ったとみられている。

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名古屋は2027年開業予定のリニア中央新幹線の新駅ができる計画で、周辺では再開発が進んでいる。長屋を取り壊してきれいな土地にすれば高く売れるのでは...、そんな業者の思惑が透けて見える。

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現在の借地借家法では、借主が住み続ける権利が手厚く保障されているが、不当な立ち退きを迫るブラック地主・家主は、全国各地で一般市民を脅かす存在となりつつある。

今回取材した兵庫県借地借家人組合は、ブラック地主・家主による被害者の駆け込み寺的な存在。相談者に相談に乗り、一緒になって家主や不動産業者と交渉するのだ。その代表である、組合長の田中祥晃さん(83歳)。去年12月、田中さんは、年金で一人暮らしを続ける高齢の女性からの依頼を受け、執拗に退去を迫る不動産業者と直接対決する。

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東京オリンピックやリニア新幹線開通などを背景に、土地高騰の熱狂に沸く日本。その賑わいの影に潜む不動産トラブルの実態を、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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