地元で愛され続ける理由とは!? 大衆食堂を営むメキシコ人カップルの旅、涙の完結編:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(毎週月曜日夜8時~)。今回は、メキシコ人カップルがニッポンの大衆食堂の味を学ぶ旅の完結編!

nipponikitai_20190204_01.jpg

地元の人々に愛され続ける理由を学ぶ

メキシコで日本食の大衆食堂「たま食堂」を営むペドロさん&アイメさんカップル。これまでの放送では、4代続く家族経営の大衆食堂「三勝屋」で名物・パーコーの作り方を伝授していただき、多彩なメニューをご夫婦2人で作る「みゆき食堂」では門外不出の時短テク料理とご夫婦の連携プレーに感動 ! さて完結編となる今回訪れた食堂は?

《今回2人が訪れた大衆食堂は?》
「いずみ食堂」(茨城県鹿嶋市)
昭和48年開業。日本屈指の工業地帯がある鹿嶋で働く人や家族連れなど地元の人たちの胃袋を長年にわたり支えてきました。

店を切り盛りするのは、女将の小泉さくさん、80歳のご主人の秀雄さん、そしてさくさんの弟・栄三さんの3人。また数年前からは娘さんやお孫さんたちも交代でサポート。今回は、ペドロさん&アイメさんのため兄弟の奥さんたちも全員集合してくださいました。

nipponikitai_20190204_02.jpg
「いずみ食堂」ののれんを見たペドロさんは、「まったく同じだ!」と大興奮! なんと2人がメキシコで営む「たま食堂」と全く同じのれんなのです。うれしい偶然に驚きながら店内に入ると、小泉家のみなさんが笑顔で出迎えてくださいました。

nipponikitai_20190204_03.jpg
そして店内にもうれしいサプライズが! ペドロさんとアイメさんのために、ポスターを作ってくださっていたのです。これには2人も感激!

nipponikitai_20190204_04.jpg
《地元で愛され続ける理由》
「地元の人に愛され続ける理由を学びたい」という2人は、45年にわたり愛され続ける秘訣を教えていただくことに。

まずは「いずみ食堂」のみなさにご挨拶していると...厨房から人が出てきて客席に座ったため、アイメさんはビックリ。その方は、ご近所の常連さん。常連さんたちは、裏口から来店することが多いそうで、「家族同様に仲良くなっちゃうのよね~」と女将さん。このアットホームさこそ、愛される理由なんですね。

《一番人気はタレが自慢の「焼肉定食」》
およそ40種類のメニューのでも一番人気は「焼肉定食」。こだわりのタレは焼肉、ニンニク、しょうがの3つのバリエーションがあります。そこでアイメさんは「焼肉定食」、ペドロさんは「しょうが焼定食」を注文します。

アイメさんは、「たま食堂」で「しょうが焼き定食」を出したいのですが、ペドロさんはまだ完璧ではないため「お客さんが、これを日本食だと思ってしまうと心苦しい」とお店には出せないと譲りません。そのためにもニッポンで本物のしょうが焼きを知ることが第一歩になるはず。

nipponikitai_20190204_05.jpg
基本となるのは、国産豚ロースを使った「焼肉定食」。人気の秘密は甘辛い自家製のタレ! 女将さんが若い頃、何十店も食べ歩き、長年の試行錯誤の上たどり着いた味です。お皿に盛り付けたらタレをもうひとかけするのがポイント。「しょうが焼定食」は、途中でおろししょうがを加え、仕上げにもしょうがと自家製のタレをたっぷりと。

出来上がった定食を前に、ペドロさんは一汁三菜で構成されたニッポンの定食のバランスの良さを絶賛! 「私たちも、このようにバランスの良い定食をメキシコで出したいんです」と熱意を伝えます。

nipponikitai_20190204_06.jpg
まずは焼肉を味わい「やはりタレが命ですよね」というペドロさんに、女将さんも「そうそう」とうなずきます。そして初めてのニッポンのしょうが焼きも「ムイムイ リコ!(すごく美味しい)」「デリッシオーソ!(美味しすぎる)」と箸が止まりません。ネギ一切れ、お米の一粒まで、キレイに完食しました。

食後には梨が。農家の方々からもらった果物を、その時々で出しているのだそう。おかわり自由のご飯や、デザートのサービスなど、お客さんを大事にする姿勢に2人は感心しきり。アイメさんが「近所にいたら毎日通います」というと、ペドロさんからは「(常連さんのように)厨房から入ってきます」と冗談も飛び出し、みなさんも大笑い。

nipponikitai_20190204_07.jpg
《ニッポンの生活を体験》
この夜は、女将さんの自宅に泊めていただくことに。床に座るスタイルは初体験だというアイメさんは、「本当のニッポンのご家庭にいるのだと実感できます」と感激。さらに、2人を迎えるため小学生のお孫さんが勉強して書いてくれたスペイン語の挨拶の貼り紙まで。みなさんの温かい心遣いに感謝し、初めての湯船や布団などニッポンの生活を満喫したのでした。

45年愛され続ける秘伝の焼肉のタレ

nipponikitai_20190204_08.jpg
翌日は、開店前からお店のお手伝い。接客や厨房のお手伝いをし、たくさんの常連さんに愛される秘密を学ばせていただきます。「いらっしゃいませ!」「ありがとうございます」と元気よく挨拶する2人に、常連さんたちも笑顔で応えてくださいました。

nipponikitai_20190204_09.jpg
店が落ち着いたところで、女将さんが試行錯誤の末にあみ出した秘伝の焼肉のタレのレシピを特別に教えてもらえることに!

女将の包丁捌きを見たペドロさんが「包丁がすごく上手ですね」とほめると、「そんなことないって~!ペドロさんはうまいな~」と女将さんも思わず笑顔に。こうして笑いを交えながら、女将の教えを忘れないようしっかりとメモをとります。

《45年愛され続ける秘伝のタレの作り方》
皮を剥いて細かく刻んだたっぷりのニンニクと生姜に、醤油、砂糖、唐辛子などを加え煮ます。そして最後にみりんを加え、アクは取らずに40分煮込み、ザルでこして完成!

ポイント1:ニンニクを10分ほど水に入れておくと皮が柔らかくなり剥きやすくなる!
ポイント2:みりんは最後に入れた方が煮詰まらず甘みが出る!

ニンニクと生姜が効いた甘辛いタレ! 地元の人々に長年愛されてきたこれぞ昭和の味、これぞ「いずみ食堂」の味!

「何回も何回も作ってこの味を目指したいです」というペドロさん。女将さんは「できるよ、みなさんだったら」と励ましてくださいました。

nipponikitai_20190204_10.jpg
《運動会で地元の方々とふれあい》
翌朝は、地区の運動会のための仕出し弁当170個を作るお手伝い。アイメさんは「日本人は全てのものをキレイに包みますね。お弁当もプレゼントみたい」と感激。メキシコにはない「包む」という文化に心を打たれた様子。

nipponikitai_20190204_11.jpg
弁当の届け先は、お孫さんが通う小学校。全校生徒が62名と少なく、地区の大人と合同で運動会を開催しています。今回、ニッポンの文化に触れてほしいと学校をあげて2人を歓迎してくださいました。2人はマシュマロ食い競争に参加し、アイメさんが1位に! 2人の奮闘に会場も大盛り上がり!

《女将さんの心のこもった接客》
お店に戻り、夜の営業のお手伝い。女将さんは外までお客さんをお見送りして、「気をつけてね」と声をかけます。女将さんの心のこもった接客に、「私たちも女将さんのようにお客さんを大切にしたいです」というペドロさん。女将さんは「それが一番大事なことよ」と教えてくださいました。

nipponikitai_20190204_12.jpg
最後の夜はみんなですき焼き! 2人も、お礼にアボカドを使ったメキシコ料理「ワカモレ」を振る舞います。さらに炒めたひき肉をトッピングに添え、トルティーヤの代わりに揚げた春巻きの皮で包みタコス風に。みなさんにも大好評で、「デリシオーソ!(美味しい)」とスペイン語で喜んでくださいました。

45年間ほぼ休みなしで営業してきた「いずみ食堂」。「お店は誰が継がれるんですか?」というアイメさんに、「誰も継ぐ人がいないのよ」と寂しそうな女将さん。アイメさんは「この食堂は宝物ですからなくなって欲しくないです」と残念な気持ちを伝えます。

温かい心づくしに涙が止まらない

nipponikitai_20190204_13.jpg
《みなさんの温かいおもてなしに感動》
翌朝、小泉家のみなさんからウェルカムサプライズ! アイメさんが案内されたのは近所の美容室。そこには色鮮やかな着物が。アイメさんに、代々受け継がれる振袖を着付けてくださったのです。「生まれ変わった気分です」とはにかむアイメさんですが、ペドロさんとみなさんは「かわいい!」と大喜び。

nipponikitai_20190204_14.jpg
アイメさんの美しい着物姿に感激したペドロさんは、「アイメは毎日毎日働きづめでオシャレをする時間もないんです。今まで犠牲にしてきたものが報われました」と涙が...。「僕にとって一番大切なのはアイメなんです。どんなにつらいことでも彼女のためなら耐えられるので幸せです」と思いを語るペドロさんに、アイメさんもみなさんも感動の涙...。

nipponikitai_20190204_15.jpg
せっかくなのでペドロさんも袴を着付けてもらい、パワースポットの鹿島神宮へ! お店の成功を祈願します。小泉家のみなさんのおかげで、一生の思い出ができました。

そして別れのとき。ペドロさんは「普通、よそから来た人間にここまでしてくれるなんてありえません」と感謝を伝えます。「みなさんと過ごせて本当に幸せでしたが、言葉が話せないことだけが残念でした」と涙するアイメさんに、女将さんは「言葉は通じなくてもさ、目と目を見ると言葉になって心に通じるものがありました」と優しい言葉をかけてくださいました。

nipponikitai_20190204_16.jpg
着物姿で撮った記念写真のプレゼントに、2人は涙があふれて止まりません。ペドロさんは、言葉にならない思いを「アミーゴ!(親友)」という最大級の愛情を込めた表現で伝えます。

nipponikitai_20190204_17.jpg
みなさんと涙を流しながら抱き合い、「メキシコにも来てください」としっかり握手を交わし「いずみ食堂」を後に。「ニッポンで目に焼き付けた食堂に少しでも近づけられるように頑張りたいです」と、帰国の途に就いたのでした。

《3か月後...メキシコの「たま食堂」は?》
ニッポンでの旅から3か月後、スタッフがメキシコの「たま食堂」へ追跡取材!

nipponikitai_20190204_18.jpg
2人には内緒で店を訪れたところ、ペドロさんとアイメさんは驚きながらも元気な姿で出迎えてくれました。店内には「いずみ食堂」でいただいたポスターが! 「従業員が必ず目にする所に貼って励みにしているんです」とペドロさん。「みゆき食堂」でいただいたたぬきの置物も、しっかり飾ってありました。

メニューには、「しょうが焼き」「パーコー」「コロッケ」などニッポンの大衆食堂で教わった料理も加わり、お店の名前とともに掲載されています。本場で学んだ味のおかげで、売り上げはなんと以前の約2倍! 放送を見たメキシコ在住の日本人も多く訪れるようになったそう。

ニッポンでお世話になったみなさんからのビデオメッセージに、2人はまた涙、涙...。「この感謝は一生忘れません」とペドロさん。またの来日、お待ちしています!

漆喰を愛するアメリカ人男性が、憧れの左官職人に学ぶ!

nipponikitai_20190204_19.jpg
今夜2月4日(月)夜8時からの放送は、大工として働くアメリカ人男性をご招待! 日本で古来から使われている塗り壁材、漆喰に夢中の彼。漆喰を塗る練習をするため自宅裏に土壁を作り200回位以上練習するもうまくいかず...。「ニッポンの左官職人の技術を学びたい!」という彼は岐阜・高山でニッポンの漆喰を初めて見て興味深々。憧れの左官職人・挾土秀平に世界最高峰の技術を学ぶ。さらに兵庫県で、左官が塗材を塗るための工具、左官ゴテの製造工程も見学!

PICK UP