子どもが産まれて初めての1歳の誕生時にケーキを贈りたい。
しかし、赤ちゃんは食べられるものに制限が多いため、ケーキを用意するのも大変!手作りケーキをインスタにアップする親御さんもいますが、みんながみんな映える(しかも美味しい)ケーキ作りができるわけでもないし...。しかし、子どもを持つパパ・ママパティシエが「1歳から食べられるケーキ」を作ったと聞いたら、しかも大人が食べても美味しいと聞いたら、食べてみたくありませんか?一体どんなケーキなのか、開発者の元を訪ねて聞いてみたいと思います。
ケーキって何歳からOK?
ケーキは何歳から食べていいのでしょうか。
その答えは1歳頃から。
多くの赤ちゃんは生後5~6カ月頃から離乳食を始め、徐々にさまざまな食材に慣れていき、ケーキデビューをするのは早くても1歳頃からなんです。
ただ、通常売られているケーキは、離乳食を終え、幼児食にすっかり慣れた3歳頃を設定しているものが多く、実際には、1歳なりたての子どもが食べるようにはできていません。
そのため、1歳の誕生日のお祝いとしてケーキを用意したくても、難しいのが現状です。
1歳の子どもが食べてOKとNG食材は?
お菓子によく使われる食材の中で、1歳頃の赤ちゃんが食べてもOKな食材、NGな食材をまとめてみました。
■OK食材※アレルギーの場合を除く
小麦粉、米粉、卵、牛乳、無糖ヨーグルト、生クリーム、きな粉
■NG食材
チョコレート、カカオマス、洋酒(リキュール)、くるみなどナッツ類、もち
■注意が必要な食材
砂糖
少量であればOK
バター
少量ならOKだが、脂肪分が胃腸の負担になりうるので量は控えた方がいいです。
はちみつ・黒砂糖
1歳未満の赤ちゃんが食べるとボツリヌス症にかかり、最悪の場合死に至る危険があるので絶対に与えないこと。1歳を過ぎれば症状は出ないものの、最近では念のため2歳以降がいいという話もあります。
小豆
小豆は砂糖を大量に使うため、胃腸への負担が大きいので適切とは言えません。
ケーキに必要な砂糖。しかし、砂糖は量が多ければ胃腸に負担がかかり、虫歯になりやすいなど、赤ちゃんに食べさせるのはハードルがあります。
1歳から食べられる「はじめてケーキ」って?
1歳児に市販のケーキを食べさせるのはなかなか至難の業ですね。それでも1歳の誕生日にケーキを食べさせたい!そんな方には、子育て中のパパ・ママパティシエたちが考案した、1歳から食べられる「はじめてケーキ」がおすすめです。
「はじめてケーキ」は、香川県高松市「菓子工房ルーヴ」で生まれました。
▲菓子工房ルーヴ
開発者のお1人・パティシエ(焼成部)の石川仁さんに話を伺いました。
――「はじめてケーキ」を開発したきっかけは?
「もともとお客様から『1歳の子どもが食べられるケーキはありませんか?』という問い合わせが多く寄せられていました。そんな時、店内スタッフにベビーブームが到来。元々働いていた仲間たち数人が親となったのを機に、『パパ・ママで開発チームを組んで、1歳の子が食べられるケーキを作ってみよう!』と、プロジェクトが立ち上がりました。約5カ月に及ぶ試行錯誤を経て、2018年10月に完成しました」
――苦労した点は?
「スポンジ作りに一番時間をかけました。当初はきな粉だけでスポンジを作ったところ、物足りなさを感じたため、米粉ときな粉を合わせることにしました。ただ、その配合の調整が難しかったですね。味だけでなく、1歳の子どもでも噛めるスポンジの柔らかさを追求することにも苦労しました」
――ケーキのクリームにはどんな材料を使っていますか?
「豆乳をベースとした独自の配合のクリームを作りました。1歳が食べられるケーキですが、大人が食べても美味しいように、薄味だけど旨味が感じられる絶妙な配合を目指しました。試作品ができる度に各自で自宅に持ち帰り、子どもに試食してもらってその反応を見て、意見交換をしていましたね。パパ・ママスタッフみんなで一丸となってできあがった自慢のケーキです」
ということで1歳でも材料さえ注意すればケーキを食べられることが分かりました。
お店に出向いて「はじめてケーキ」はなかなか買いに行けない...というパパ・ママはこの記事を参考にして材料を用意し、ケーキ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
【取材協力】
「菓子工房ルーヴ」
住所:香川県高松市鹿角町290-1
電話番号:0120-869-787
営業時間:9:30~19:00
定休日:無休
駐車場:65台
【参考資料】
「はじめてママ&パパの離乳食」(主婦の友社)