挫折から見つけた”生きるヒント”。マイケルの完コピダンスを教えるダイケル先生が踊る理由

公開: 更新: テレ東プラス

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キング・オブ・ポップと言えば...? そう「マイケル・ジャクソン」。
東京都杉並区のダンススタジオ「ハートビート」には、マイケルの完コピダンスを教えてくれる「マイケル・ジャクソンクラス」が開かれています。マイケルのダンス(以下マイケルダンス)を教えてくれるのは、その名もダイケル先生。ニューヨークでダンサーとして活躍され、現在はさまざまな場所でパフォーマンスやマイケルダンスのレッスンを行っています。

マイケルが好きだから、という理由で名づけられたダイケル先生は踊ることを愛してやみません。しかし過去にはダンスを諦め、サラリーマンをしていた過去も。一度辞めたダンスを再び仕事にしようとしたのは「ダンスが楽しい」という想いから。ダイケル先生が挫折の末に発見した"好きなことを仕事にする"ワケを伺いました。

ニューヨークのアポロシアターで勝ち続け、有名人に

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――ダイケル先生がダンスを始めたきっかけはなんですか?

「中学生の頃に『ダンス甲子園』(※バラエティ番組が主催していた、高校生がダンスで競い合う人気企画)を見て、ダンスを始めました。当時、地元の山形県にはストリート系のダンススタジオはほとんどなかったので、テレビを録画して独学で覚えたんです。上京してからは2年間レッスンに通いました」

――最初は独学だったのですね。マイケル・ジャクソンにはまったのは?

「23歳でニューヨークに渡ったのですが、現地でマイケル・ジャクソンのショートフィルムを収録した『ヒストリー・オン・フィルム VOLUME2』を見て崇拝するようになりました。ある日テレビを見ていたら、アマチュアの歌手やダンサーがアポロシアターでパフォーマンスする『アポロショータイム』が放送されていて、そこでマイケルの『ビリー・ジーン』のものまねダンサーが優勝したんです。『これなら俺でもいけるかも!』とオーディションに出場し、アポロシアター(劇場)で行われる「アマチュアナイト」で週間、月間、3ヶ月と部門優勝を重ね、年間チャンピオン決定戦の準優勝も獲得できました(当時日本人初の快挙!)。次にテレビで3回の勝ち抜き戦があってそれも全勝したのですが、その放送を見たアメリカの芸能事務所からスカウトされて。ラッパーのバウ・ワウの全米ツアーに3ヶ月間ダンサーとして同行し、町で声をかけられるほど有名になり、ニューヨークでダンサーとして活躍できるようになったんです」

ダンサーが経験する「30歳の壁」を乗り越えダンス一筋!

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――若くしてニューヨークで大成功されたにも関わらず、日本に戻られたのはなぜですか?

「911(アメリカ同時多発テロ)です。ビザの手続きで日本に戻った翌日にあの事件があり、再度の入国が厳しくなりました。最初は日本でもダンサーとして活動していましたが、ダンサーなら誰しもがはまる『30歳の壁』が来てしまって。自分たちの肉体のピークが過ぎる頃、下の世代がどんどん出てくる。彼らは低額のギャラでも請けるので、仕事がどんどん流れていってしまうんです。一時期はダンサーを諦めて、サラリーマンをしていた時期もありました」

――今のお姿からは想像できませんね。そこからどうやって再びダンスの道へ?

「結局、人生を振り返って『一番楽しいのは踊っているときだ』と気づいたんです。ダンスしかない、これで食っていく!と覚悟を決めました」

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――勇気の出るお言葉ですね。では、マイケル・ジャクソンのダンスを教えることになったきっかけは?

「以前からマイケルのダンスショーをしていたり、ワークショップで教えていたりしたのですが、マイケルが亡くなったあと(2009年)から、要望が増えました。その頃、『こいつマイケルが好きだから』と友人がふざけてつけた『ダイケル』という名前も定着。ワークショップの生徒さんからも定期レッスンにしてほしいというリクエストがあり、マイケルダンスのクラスを持ったんです」

――意図したのではなく自然な流れだったのですね。最後の質問になります。同じように好きなことを目指す方々にメッセージをお願いします。

「いろいろ心配するよりも、『好きなことをやるんだ』ということを疑わずに突き進んだ方が、絶対結果がついてくると思います。『やりたい』と思ったら即行動が吉。そういう人の方がレッスンも長続きするし、覚えが早いですよ。僕も結局は、純粋にダンスだけやっていても結婚できましたし、東京に家も買って、何不自由ない暮らしをしています。好きなことを突き詰めてやった方が、絶対いいと思います!」

――ダンスを追求してきたダイケル先生のお言葉、とても胸に響きます!ありがとうございました!

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【プロフィール】
ダイケルさん
ニューヨークの殿堂"アポロシアター・アマチュアナイト"で週間・月間・3ヶ月部門の3大会を連続優勝し、年間グランドチャンピオン決定戦では準優勝。全米28箇所を回るツアーも経験し、プロのダンサーとして活躍する。現在は以前から崇拝していたマイケル・ジャクソンのダンスを完全にコピーし、様々な場所でレッスンやパフォーマンスを展開中。
http://artifactz.co.jp/daichael.html

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