スタバは脱プラスチックを実現できるのか:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

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現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組ガイアの夜明け(毎週火曜夜10時)。1月15日(火)の放送では、深刻化するプラスチックごみ問題の実態を追跡。日本のメディアでは初となる、「スターバックス」ケビン・ジョンソンCEOへの単独インタビューを交え、「脱プラスチック」に向けて動き出した企業の取り組みを徹底取材する。

どうする!? 行き場を失ったプラスチックごみ

ここ数年、プラスチック製のストローや容器などによる海洋汚染の実態が次々と明らかになり、魚などの体内にプラスチックごみが取り込まれてしまう事例が数多く報告されている。プラスチックごみによる環境破壊を食い止めるべく、小売業界や外食チェーンなどでは、買い物袋や容器を紙製に切り替えるなどの動きが加速してきた。

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業界団体の調査によると、過去40年間でプラスチックごみの量は、約3倍にまで膨らんでいる。様々な産業廃棄物を取り扱う処理会社・東港金属では、これまで毎月200トンものプラスチックごみをリサイクル資源として中国に輸出してきた。しかし中国は、1年前にプラスチックごみの輸入禁止を決定。今もなお、東港金属には1日あたり大型トラック300台分の廃棄物が運び込まれるものの、中国に輸出していた大量のプラスチックごみが、丸々行き場を失ってしまった。

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東港金属の社長・福田隆さん(44歳)は、その余剰分の処理に頭を悩ませていた。プラスチックごみは同社の工場に保管しているが、基準を超えた保管は廃棄物処理法で禁止されており、中国に出荷できない分は焼却処分することになる。今までは、輸出という形で毎月約340万円が同社に入ってきていたが、焼却処分の場合は、逆に510万円の焼却費用を同社が負担。その合計額は約850万円となり、年間にすると1億円近い金額が同社の損失となってしまう。

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消費税が5%から8%にアップした際、駆け込み需要のあおりを受けて、ごみの量も3割増えたという福田さん。今年は消費税10%への引き上げ、さらに来年には東京オリンピックも控えており、ごみの量が増加することは避けられないと予測。将来の危機を回避する一手を決断する。

スターバックスのストロー廃止宣言は実現可能か

スターバックスは、2020年までに、世界中の全店舗で、使い捨てのプラスチック製ストローを廃止すると発表した。その数は3万店舗で年間10億本。日本国内では、林山美樹さんがプロジェクトリーダーを務めることになった。

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日本での基本方針は、ストローを使わず、口を直接つけて飲めるフタを採用すること。しかし、看板商品でもあるシャーベット状のフラペチーノはストローが不可欠。林山さんは、さまざまな素材のストローを全国から取り寄せてテストを開始する。紙製のストロー、植物を主な原料とするバイオマスプラスチックのストロー、微生物によって自然分解される生分解性プラスチックのストローで試飲を繰り返し、味わいの変化や安全性などを確かめていく。

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プラスチックに代わる代替ストローは、2020年春に導入予定。林山さんは、これと並行して、店舗から出るプラスチックごみのリサイクル実証実験に取りかかった。テストケースとして、仙台の7店舗から回収したストローやカップなど180キロのプラスチックごみをリサイクル工場へ持ち込む。

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「脱プラスチック」の勢いは世界的規模で加速。その激流の中で戦う企業の努力を、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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