初詣はいつまでにいけばいい? 正しい作法と開運のポイント

公開: 更新: テレ東プラス

新年おめでとうございます。みなさまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
さて、お正月といえば初詣! 正しい作法を知っていますか?

専門家による生活情報満載の「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時28分~放送中)に出演中の和文化研究家・三浦康子さんに、正しい初詣の仕方や、開運のための行いについてうかがいました。

nanairo_20190101_01.jpg

「初詣」の基礎知識

nanairo_20190101_02.jpg
お正月といえば初詣。近所の神社や有名なお寺など、初詣は人それぞれですが、場所や時間などに決まりはあるのでしょうか。

「初詣」とは?
「本来は氏神様や菩提寺に新年のご挨拶にいくこと。基本的な順序としては、元旦に年神様を家にお迎えし、それから氏神様へご挨拶するため初詣へ。お友達と寺社仏閣に参拝されるのもいいですが、まずはいつもお世話になっている氏神様や菩提寺にご挨拶しましょう。引越しなどで氏神様がわからない場合は、地元に長く住んでいらっしゃる方に、その土地の氏神様について尋ねてみるといいかもしれませんね」(三浦さん、以下同)

大晦日から詣でるのは「初詣」になる?
「かつては、氏子たちが夜に集まり朝まで"年籠り"をして年神様をお迎えしていました。それが、大晦日の夜に参拝する"除夜詣"と、新年になって参拝する"初詣"にわかれました。また、大晦日から元日に年をまたいで参拝するのは"二年参り"といいます」

「初詣」はいつまでに行けばいい?
年神様がいらっしゃる、松の内(1月7日、または1月15日)に参りましょう」

いざ初詣! 神社の正しい参拝方法は?

nanairo_20190101_03.jpg
手水で身を清める
まずは、神社の鳥居をくぐると参道のわきにある「手水舎」で身を清める。
「左手→右手→左手で口→口をつけた左手→自分が持っている柄杓自体→きちんと戻す」
という手順で。

「二拝二拍手一拝」の手順
1.賽銭箱に賽銭を入れる
2.鈴を鳴らす
3.二拝(2回頭を下げて深くおじぎをする)
4.まずは胸の高さで掌を合わせ、右手を少し下にずらして二拍手。その後、指先をきちんと合わせて祈りを込めてから手を下ろす。
5.最後に一拝をして終了
※「二拝二拍手一拝」が参拝作法の基本ですが、神社によっては特殊な拝礼作法を行っているところもあり、各動作には諸説あり。

「お参りをする際は、お願いごとをするのではなく、感謝の気持ちを述べましょう。神様にはそれぞれ得意分野があるので、お願いをしてもよいですが、大事なのは神様がお願いごとを叶えてくれるのはではなく、見守ってくださっているということ。お参りでは、"神様の前で決意表明をしている"ということなので、あとは自分の努力のみです!」

おみくじはお参りの後に
「おみくじを引く場合は、必ずお参りをしてから。まずは神様にご挨拶をして、そのお言葉を受け取るのがおみくじです」

初詣の後は寄り道せず家へ
「できれば初詣の後は、いろいろな場所に立ち寄らずに、頂いた福がこぼれないように家に帰りましょう」

もっと知りたい! 開運のための行動

nanairo_20190101_04.jpg
お正月の風習には、家族の幸せや健康を願う意味が込められています。特に、新しい年の初めに口にするものには、開運のヒントが!

【お屠蘇(おとそ)】
新年を迎え、家族の健康を願い、皆で頂くのが「お屠蘇(おとそ)」。実は、飲む順番があります。
「家族でお屠蘇を飲む場合は、"若い人の気力やパワーを注入する"という意味から、年少者から年長者へ順番に飲むのが古来からの風習です。
お屠蘇は、家族の健康を願い、お酒に漢方薬を浸して作ったもの。まず、最年長者が最年少者にお屠蘇を注ぎ、それを飲んだ最年少者は次に若い人へ注ぎ、年齢の高い人へと繋いでいきます。
厄年にあたる人がいる場合は、厄を払うために最後に飲んでください。アルコールのため、お子様や運転をする人は飲む真似をするだけで大丈夫です」

【祝い箸】
おせち料理やお雑煮をいただく時に使用する祝い箸は、普通のお箸と異なり両方の先端が細くなった"両口箸"を用います。
「両方の先端が細くなっているのは、一方は神様、もう片方を人が使うためで、"神人共食(しんじんきょうしょく)"を表しています。祝い箸を使って縁起の良い食べ物を神様と一緒に食べると、そこに込められた思いを心身に取り込むことができるでしょう。
また、祝い箸は大晦日に家長が箸袋にそれぞれの名前を書き入れ、神棚や鏡餅にお供えし、元旦にそれを下ろして食事をするのが習わしです。祝い箸は使い捨てではなく、松の内の間はお箸を洗い清めて使いましょう」

【若水(初水)】
若水とは、その年に初めて汲んだお水のこと。
「古くは、お雑煮には若水(初水)を使うという風習がありました。
明け方に恵方の湧き水や井戸水を汲みに行き、その若水を使っていましたが、今は難しいので、元日の朝一番に水道で汲んだお水をお茶や調理に使ってみましょう。ペットボトルのお水を使用しているご家庭は、その年、最初に開封したボトルを使うなど、若水の文化を現代流にアレンジしてもいいですね」

お正月ならではの「おめでたい」風習、せっかくなので現代風にアレンジして取り入れて、開運を願いましょう。


取材協力:三浦康子さん。和文化研究家。ライフコーディネーター。古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案し、「行事育」提唱者としても注目されている。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとる。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、監修書『おうち歳時記』(朝日新聞出版)ほか多数。
オフィシャルHP:http://wa-bunka.com/

三浦康子さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時28分からのOAも要チェックです!

PICK UP