朝1分のシャワーが加齢臭に効く! お悩み別「正しい入浴法」

公開: 更新: テレ東プラス

半身浴で痩せる! アツイ風呂に入れば酒が抜ける!...など、よく聞くお風呂の"効果"が、実は間違いだった!? 寒くなり、温かいお風呂が恋しいこの時期だからこそ、正しい入浴方法が知りたいですよね。

今回は、さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時28分~放送中)から、東京都市大学教授で温泉療法専門医の早坂信哉先生が登場。お風呂研究20年、3万8000人の入浴を調査してきた"お風呂のスペシャリスト"早坂先生に、「正しい入浴方」に加えて、肩こり、腰痛、加齢臭など「お悩み別の入浴方法」も教えてもらいました。

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入浴効果アップ! 正しい入浴法

「入浴こそ、誰もが実践できるもっとも優れた健康法」と提唱する早坂先生。お湯の温度"たった1℃"の違いで疲労回復、睡眠の質の向上、幸福度が高くなるなど、入浴による効果は大きく変わります。また、週7回の入浴で要介護リスクが約3割減少するという研究結果(注1)も出ています。

注1:早坂先生ら研究グループが、2018年11月12日(月)に調査結果を発表。全国18市町村に居住する要介護認定を受けていない高齢者1万3786人を3年間追跡した調査を行った。


【正しい入浴法】
まずは、早坂先生が推奨する医学的に正しいお風呂の入り方を紹介。

《入浴前》ミネラル入り麦茶を200~300ml飲む。
「一回の入浴で約800mlの水分が体から抜けるため、脱水症状や浴室熱中症を防ぐためには水分とミネラルを補給することが重要です。ミネラル入り麦茶は水分とミネラルを手軽に補給できる他、血流改善効果や血圧降下作用など、健康効果も報告されていますので、浴室熱中症や血栓対策飲料としてもぴったり。1回200~300mlを目安に」(早坂先生、以下同)

《入浴中①》40℃のお湯に5分程度、しっかり肩まで浸かる。
「40℃程度のぬるめの温度は副交感神経が刺激され、心身ともにリラックスさせる効果があり、血圧が下がるなど効果的。
お湯に浸かる時間は全体で10~15分でOK。お風呂に浸かることで得られる温熱効果によって、血液の流れが良くなり冷えの改善、新陳代謝が活発になることで老廃物の排出、さらに水圧による足のむくみの解消など、健康に効果大」

《入浴中②》体や髪の毛を洗って、再度5分程度お湯に浸かる。
「お湯につかると皮膚が浮いて汚れが落ちやすくなります。体を洗う時は、ゴシゴシこすらないこと。乾燥を防ぐためには、石鹸を泡立てて、手で軽くなでる程度で」

《入浴後》体をふいて10分以内に保湿する。
「急激に皮膚の水分量が減るので、10分以内に保湿を。夏場は扇風機やクーラーにあたりたくなりますが、温熱効果で血流もよくなっているので体は冷やさないほうがいいですね。
また、失った水分を補うため、ミネラル入り麦茶などを200~300ml飲みましょう」

お風呂に入るタイミングも重要。寒い季節や仕事で帰宅が遅くなった時などは寝る直前に入ってしまいがちですが、よりよい眠りのためには就寝1時間30分前の入浴が理想。就寝直前の入浴の際は、ぬるめのお湯にして長く浸からないなど、コントロールしたほうがよいそうです。

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肩こりや加齢臭に効く! お悩み別の入浴法

正しい入浴法を理解したところで、お悩み別の入浴法を教えてください。

【肩こり・腰痛に効く入浴法】
40℃のお湯に肩まで浸かって簡単ストレッチ!
「肩こりや腰痛は温めるとよくなります。肩までお湯に浸かり、しっかり温めて全身に血流をめぐらせましょう。さらに、お湯の中で肩や首を回すなど軽い運動やストレッチをすると効果的」

【二日酔いに効く入浴法】
38℃のお湯に15分が効果的
「まず酔った状態では絶対に入らないこと! 二日酔い解消のための入浴の目的は、水圧をかけて利尿効果をあげることです。まずはしっかり水分補給をして脱水症状が改善されたら、38℃のお湯に15分程度入浴。そうすることで利尿作用が働き二日酔いには効果的です」

ちなみに、酒飲みが良く口にする「熱いお湯に浸かって汗をかいて酒を抜く!」は百害あって一利なしだそう。

【加齢臭に効く入浴法】
朝、1分間のシャワー!
「朝のシャワーで、一晩寝ることによって排出された皮脂や汗をリセット。たった1分で夕方まで臭いが軽減します」

実は効果なし!?間違いだらけの入浴法

これまで正しい入浴法について教えていただきましたが、実は、広く知られる入浴に関する知識の中には間違っているもの多いのです。

半身浴はダイエットにも美肌にも効果なし!?
ダイエットや美容に効く!とブームになった半身浴ですが、実はそれらの効果はなく、また入浴による健康効果も半減してしまうのだそう。

「心臓病などの疾患がある方には半身浴をオススメしていますが、ダイエットや美容的な効果を上げるためなら、"半身浴"だけに効果も"半分"になります」

ダイエット的な視点では、半身浴でかいた汗は「代謝で出た汗」とは異なるので、これによって体重が減ってもただ、体の水分が一時的に抜けただけなので水分を摂ればすぐに元の体重に。美肌的な視点では、長湯をすることで皮膚から保湿成分が抜け出て逆効果。

入浴中は代謝が上がり、関節なども柔らかくなるため、湯船の中でストレッチをしたり、軽い筋トレをすることはダイエットに効果的。また、湯船に浸かることで血流が良くなるため、新陳代謝(ターンオーバー)をうながし美肌につながります。ただし、こうした効果を得るためには半身浴よりも40℃のお湯に肩まで10分間浸かるほうが効果が高いのです。


風邪を引いた時のお風呂はNG!?
「風邪の時は、お風呂に入ると悪化する」と思う方が多いかもしれませんが、近年は「風邪のときに入浴しても問題ない」という意見が主流になっているそう。

「高熱でなければお風呂に入ってOK。お風呂で体を温めることで、ウィルス撃退効果が期待できます」

ただし、湯冷めは風邪の症状を悪化させる可能性があるので、入浴後はすぐに布団に入ること!

また、お風呂には入浴剤を入れるとより効果的。早坂先生のこの時期のオススメは、ミカン風呂! 「食べたミカンの皮を天日で干して、ストッキングやネットに入れてお風呂に入れると、温熱効果も高まり香もいいですよ」とのこと。今まで捨てていたミカンの皮が再利用できるのもうれしいですね。先生に教わった正しい入浴法を実践して、寒い冬も健康的に過ごしましょう!


取材協力:早坂信哉先生。博士(医学)/温泉療法専門医。東京都市大学 人間科学部教授。20年間にわたり3万8000人の入浴を調査、生活習慣の入浴を医学的に検証する第一人者。「入浴検定」を主宰する日本入浴協会理事も務めている。
参考資料:「最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査してきた医者が考案」(早坂信哉著/大和書房)
オフィシャルHP:http://hayasakashi.wixsite.com/bath

早坂信哉先生も出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時28分からのOAも要チェックです!

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