おじさんTikTokerで採用活動!? 売り手市場で企業も対策<WBS>

公開: 更新: テレ東プラス

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三陽工業のTikTok動画

来年の春に卒業する大学生を対象にした企業の就職説明会が、1日解禁となりました。コロナ禍で採用を控えていた企業が採用を増やすため、学生が優位となる「売り手市場」になるとの見方があります。こうした中、オンライン化によって就職活動が変わりつつあります。

東京ビッグサイトで1日に開かれた合同企業説明会には、およそ250の企業が参加しました。行列ができていたのが、日本航空のブースです。業績悪化で中止していた客室乗務員の新卒採用を3年ぶりに再開しました。

「先行きは不透明であるものの、需要は必ず回復すると信じている。長い目で見たときに、一定の年齢層がいないことによる経営のひずみもある」(日本航空人事部の國友俊輔さん)

日本航空の他にも、新型コロナの影響が大きい飲食業や宿泊業でも、採用を増やす動きが広がっています。

今年は、企業の採用意欲の高まりから、一転して売り手市場になるとの見方が強く、就職活動も前倒しになる傾向だといいます。学生は「ちょっと遅くて、去年6月から就職活動を始めた。周りには去年4月から動いている人がいた」と話します。

リクルートによると、2023年卒の2月1日時点での就職内定率は13.5%と調査を始めた2015年以降で最高となっています。

「面接は対面かと思っていたが、意外にオンラインの面接が多く、オンラインにシフトしている」(合同企業説明会に訪れた学生)

実は企業が解禁前にオンラインを活用し、早い段階で選考を進めているのです。今後もオンラインを活用する企業は増えるといいます。

「オンラインというツールが出てきたことで、会社の雰囲気や人柄が伝わるコンテンツをつくって情報開示していくかが、これから本当に重要性を増してくる」(リクナビ栗田貴祥編集長)

学生にPRするため、新たな取り組みに力を入れている企業があります。兵庫県にあるバイク部品の研磨などを手がけている金属加工会社「三陽工業」。社長や取締役など、会社の幹部たちが、一堂に集まって話し合っていたのはTikTokの撮影についてです。

「動画は毎日投稿。土日も含めて365日です」(三陽工業 広報グループの醫王田史穂理さん)

こちらの会社では、若い世代にもっと会社のことを知ってもらおうと去年2月にTikTokを開始。平均年齢57歳。おじさんTikTokerとして自ら体を張っておもしろ動画を投稿したところ話題となり、フォロワー数は5万人を超えました。動画を土日も含めて365日、毎日投稿しています。

すると思いがけない効果がありました。

「ことし4月採用の新卒6名中3名がTikTokを見ていて、それがきっかけになった。最初はそこまで想像してなかった。本当にびっくりした」(三陽工業人材戦略部長の小杉義明取締役)

TikTok経由で新卒採用に関する問い合わせが来るなど、他のSNSと比べても、若い世代に対し効果があると感じているといいます。

「採用のいろいろな面でプラスの部分が思った以上に大きかった。三陽工業という名前が広がって、雰囲気が伝わっていくことで、こんな会社で働いてみたいというところをアピールしていきたい」(小杉取締役)

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