日本を訪れる外国人たちを、空港や街でアポなしインタビュー！ そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ？」（毎週月曜夜6時25分～）。今回のテーマは、「このYOU将来ビッグになりそうじゃね？金のタマゴがパッカ～ンと割れちゃうぞSP」。将来の大物候補を青田買いする95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか？
空港を飛び出し、日本全国の市町村で面白YOUをガチ捜索して密着する「出張YOU」！
今回の出張先は、人口約95，000（うち在住YOUは約2,500）人、茨城県の東南部で太平洋に面した茨城県神栖（かみす）市。漁業が盛んな港町で、特にイワシやサバは全国有数の漁獲高を誇る。しかしそれを上回る名産といえば、実は出荷量全国1位のピーマン！ 町ではピーマンを使ったソフトクリームや、ピーマンを生地に練り込みウズラの卵を入れた「子宝たい焼き」なども人気なんだって。海浜部には日本の物作りを支える鹿島臨海工業地帯が広がり、人気の夜景スポットにも。
市内の大きな八百屋「丸や」さんで声をかけたのは、スリランカ出身で日本在住5年目の、声がちょっぴり小さめでシャイなチャナカさん（29歳）。空手の「拳友会」トップで、黒帯10段の総裁の教えに惚れ込み、直々に教えを乞うため来日した。総裁は約1mの氷を数個並べて割る（切る）こともできる達人で、そんなスゴい人を見たことなかったとリスペクトする。そんなチャナカさんの日本での生活を見せてほしいとお願いすると、快諾してくれたので密着決定！
翌朝8時30分頃、チャナカさんが黙々と働く「丸や」さんへ。こちらは全国の生産者や市場から直接買い付けた旬野菜などが、ドーンと並ぶ青果店。チャナカさんは陳列・接客を担当していて、漢字の手書きPOPを書くのも上手だ。これも「日本語を覚えなさい」という総裁からの教えなんだそう。
また、チャナカさんは本当に勉強熱心で、ベテラン店員さんも「1回教えたらちゃんと覚えるので、他の店員がみんな追い抜かれちゃう」と、認めるほど。これもやはり総裁の教えで、「自分から教わりにいかないと勉強にならないです」と、がんばっている。お客さんから接客を指名されることもあり、総裁の教えを胸に奮闘中だ。
仕事を終えて帰宅したチャナカさんを迎えたのは、10年愛を実らせ結ばれた奥様。今でこそ一緒に夕食を作って超ラブラブな生活を送っているが、結婚直後はチャナカさんが総裁を慕って1人で来日したため、離ればなれの新婚生活だった。
当初は来日を責めた奥様も、「彼の"どうしても日本で空手を学びたい"という情熱に、私も納得せざるをえなかったわ」と認めてあげたそう。それにしても、ここまでチャナカさんを虜にする総裁って、いったいどんな方なのか...。
ということで、やってきたのは空手の「拳友会」本部。チャナカさんがこれから練習だというので、番組Dも密着の許可取りへ。しかしすぐ、「総裁かわからないけど、めちゃくちゃ怖い人がいました...」と怯えて戻ってきた（笑）。
勇気を出して許可をいただき本部に潜入してみると、総裁がスゴい迫力で教えを説いていた。そんな総裁は自称35歳（！？）、「拳友会」ができて53年目（2021年取材時）だそう。
この時間帯は、黒帯2段のチャナカさんを含めた上級者向けの練習で、みんなキレッキレの技を繰り出している。ちなみに総裁は、チャナカさんも持ち上げられない100㎏のバーベルも軽々持ち上げ、周囲を圧倒した。
そんな「拳友会」は1968年に創設され、トップの中山優さんが一代で築いた空手流派。茨城県を中心に日本に10カ所の道場があり、創設以来、約7万5000人に空手指導を行っている。しかもスリランカやイギリスなど、世界8カ国に支部があり、総裁の生徒は6000人以上も！
チャナカさんと総裁の出会いは、2005年。スリランカに直接指導にやってきた総裁に衝撃を受け、こうなりたいと思ったというチャナカさん。このときから日本で直接習いたいと思うように。こうして空手だけをやるため海外から来たのは、チャナカさんが初めてだそう。「自分がまず痛みを感じる！ 苦しみを感じる！ その感じたことを今度は子どもたちに伝えていくというのが、私の人間空手の道」と、総裁は語る。
また、総裁から礼儀や人間性も学んでいるチャナカさんには「スリランカで拳友会のトップになって、スリランカの子どもたちに伝えられるようになりたい！」という大きな大きな夢があった。目標は、まさに総裁のような指導者、なのだ。
総裁が「（直接指導することで）スリランカに持って帰って、スリランカの子どもたちにも教えてねって言ってます。チャナカには期待してますよ！」と本音を伝えると、チャナカさんは小さい声で「押忍...」とポツリ。総裁から突っ込まれ、腹から声を出したところで密着は終了。チャナカさん、これからもがんばってね！
