10億円の売り上げを誇るヒット商品も誕生!ヒト・コト・モノ...目指すは「地域のお宝探し」

公開: 更新: テレ東プラス

広く浅くではない、一点集中型の地域創生を──。

beyondtokyo_20220107_01.jpg▲「都会を出て暮らそうよ BEYOND TOKYO」(MC:中村雅俊伊藤聡子

2021年12月、コマース事業全般を手がける「テレビ東京ダイレクト」(東京・港区)と旅行会社「クラブツーリズム」(東京・新宿区)が地域活性化事業における連携協定を締結。
「テレビ東京ダイレクト」代表取締役社長・遠藤孝一氏と「都会を出て暮らそうよ BEYOND TOKYO」(BSテレ東 毎週水曜夜10時放送)プロデューサー・進藤隆富氏、「クラブツーリズム」代表取締役社長・酒井博氏と同社取締役・中村朋広氏の4人が「連携協定調印式」に登壇し、2022年1月より、持続的に地域の潜在価値を発掘する「地域共創プロジェクト」を開始すると宣言した。

beyondtokyo_20220107_02.jpg
両社は共同制作番組『ハーフタイムツアーズ』(テレビ東京 毎週月~金午前8時放送)を手がけ、4年目を迎える。同番組は、番組内で紹介したツアーに視聴者が申し込みできるのが売りだが、今回の協定は、こうした観光にとどまらず地域活性化まで深掘りすることを目的としている。

「テレビ東京ダイレクト」が持つ地域特産品の商品開発力と通信販売のノウハウ、「クラブツーリズム」が持つ地域ネットワークとツアー企画のノウハウを融合させ、地域の潜在価値を持続的に発掘する。

具体的には長期滞在型のツアーや地域のファンづくりを目的としたツアーの開発、独自の食材や地酒、伝統工芸品など地域ならではの特産品を開発したり、販売を支援したりすることで、地域事業を展開。
ツアーや地域商材は、現在BSテレ東で放送中の地域情報番組「都会を出て暮らそうよ BEYOND TOKYO」(MC:中村雅俊、伊藤聡子)の中でも地域の魅力として紹介していく。

beyondtokyo_20220107_03.jpg
また、前述した「ハーフタイムツアーズ」や2社による共同ブランド「テレ東トラベル」、地域食材のお取り寄せ番組「虎ノ門市場」(テレビ東京 毎週月~金午前11時、夕方5時10分)とも連携を進め、さまざまな方向からアプローチしていく予定。

beyondtokyo_20220107_04.jpg▲「クラブツーリズム」代表取締役社長・酒井博氏

「地域創生は各社がこぞって乗り出している。レッドオーシャン(競争が激しい市場)化している環境で勝算はあるのか」。記者から質問が出ると、酒井氏は「大手旅行会社が作る個人型商品は、素材の組み合わせだけにとどまるものが多い」と回答。インターネット専売のOTA(オンライン・トラベル・エージェント)が販売する旅行商品は自由度こそ高いが、観光地の全てをその中に網羅することができないと話し、「だからこそ私たちの出番。我々のように地域をパッケージ化して案内する旅行会社はそんなに多くない。私はブルーオーシャンだと思う」と自信をのぞかせた。

遠藤氏は「私たちがやりたいことは一点集中型。特定の地域と密着して盛り上げていくことに、まだまだ可能性を感じる。幅広く全国の地域ビジネスを網羅してやっていくのは難しいが、一点と密着してコミュニケーションを取ればいろんなことができる」と話す。

beyondtokyo_20220107_05.jpg▲「テレビ東京ダイレクト」代表取締役社長・遠藤孝一氏

建築廃材を炭にして商品化した「炭八」が10億円の売り上げを誇る大ヒット!

「テレビ東京ダイレクト」は、過去、島根県出雲市の小さな建築会社が建築廃材を炭にして商品化した「炭八」の販売で大きな実績をあげている。発売当時は目立たなかったが、「テレビ東京ダイレクト」が紹介したことで火がついた。今では10億円の売り上げを誇るヒット商品に転化したという。

beyondtokyo_20220107_06.jpg
「地域にはまだまだこうしたお宝が眠っている。かつて『都会を出て暮らそうよ』に出演してくださった市長が『地域創生はその地域の宝探しだ』と言っていた。旅行や商品開発も含めたいろいろなお宝を『クラブツーリズム』と一緒に探していきたい」(遠藤氏)。
2022年春には購入型クラウドファンディングのプラットフォームを立ち上げる予定と話し、地域ごとのスタートアップ企業と組んだ商品づくりにも意欲をみせた。

遠藤氏は地方を巡った際、いくつかの企業が持つ技術にうならされたという。
「ある企業は、浜松の伝統である鏡面仕上げ技術をピアノ以外の家具やスピーカーに転用するなど、ほかにはなかなかない技術を使って新たな商品づくりをしていた。何か新商品ができるなら、当社と一緒にクラウドファンディングをやりましょうと話した。私自身もまだまだいろんな地域を回って探したい」。進藤プロデューサーによると、テレビ東京でも、2022年春、クラウドファンディングに特化した特番を立ち上げる予定だという。

beyondtokyo_20220107_07.jpg
「この連携の売り上げの目標は?」との質問には、酒井氏が「共同事業としての目標は数値を含めていまは定めていない」と答えた。仕組みづくりから始めて芽が出るのは2〜3年後と予想する。

また、コロナ禍での旅行形態の変化については、「コロナ前に比べ、長期滞在型ツアーが売れるようになった。以前は全くと言っていいほど注目されなかったが、周遊による感染リスクの高さをユーザーが意識しているのかも。(その結果)物見遊山型ではない"コト消費"を求める新しい旅の形が出てきている。地域を深掘りし、観光の広がりを作ることが私たちの使命」と話した。

PR力を強みとする「テレビ東京ダイレクト」と各地域に太いパイプを持つ「クラブツーリズム」。両社の長所を掛け合わせ、地域の潜在価値の発掘や価値コンテンツの創出を目指す。

beyondtokyo_20220107_08.jpg
■地域共創プロジェクト内容
(1)専門チームによる地域共創型の商品開発
(2)放送品質の映像コンテンツ制作
(3)独自販路での販売(テレビ放送、カタログ、ECサイトほか)
(4)地域の特色を活かし、継続的な誘客を促す「テーマ型旅行商品」の企画、販売
(5)全国 250万世帯の顧客を対象とした旅行情報誌『旅の友』によるPR
(6)顧客の旅行参加履歴にもとづいた適切なセグメントによる調査の企画・運営
(7)地域の観光課題の抽出を目的にしたモニターツアーの企画・運営
(8)お祭りや郷土芸能の運営や旅行販売 他

PICK UP