土屋太鳳「自分の夢は叶うのか、幸せになって良いのか...そんな不安を抱えている人は、世の中にたくさんいると思います」

公開: 更新: テレ東プラス

1月7日(金)夜8時からは、新春ドラマスペシャル「優しい音楽~ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ」を放送!

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一人の女性がある青年に出会った時、 封印されていた「記憶の歯車」が、再び動き出す...。本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』を執筆し、近年ますます存在感を表している瀬尾まいこが手掛けた『優しい音楽』(双葉文庫)をドラマ化。
様々な事情を抱えながらタケル(永山絢斗)に接近する鈴木千波役を、テレビ東京ドラマ初主演となる土屋太鳳が演じる。脚本を、数々の話題作を送り出す岡田惠和が担当。
感動し、温かい気持ちになるだけでなく、「なぜ千波はタケルに近づいたのか?」というミステリー要素も加わり、2人の恋愛模様から目が離せない作品となっている。

「テレ東プラス」は、主演の土屋太鳳を取材。作品への想いを聞いた。

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――岡田作品へのご出演は約4年ぶりとなります。まずは、今回の出演が決まった時の感想からお聞かせください。

「素敵なお話に出会えて、とても嬉しかったです。内容的には胸が締め付けられる部分もありますが、岡田さんの脚本によって、とても柔らかく優しい言葉で会話劇が繰り広げられていくので、そのアンバランスさも含め、楽しんでいただける作品になるのではないかと思いました。佐藤浩市さん、安田成美さん、仲村トオルさん、永山絢斗さんとどんなお芝居のキャッチボールができるのか...とても楽しみでした。
また、父がサーフィンをするので、家族でよく海に出かけていたこともあり、『いつか江ノ電が出る作品に出演したい』と思っていたので、今回の舞台が鎌倉であることも嬉しかったです」

――台本を読んで、どんな印象を持ちましたか?

「私が演じる千波の家族は、普通の日常に起こりうる出来事で、ちょっとしたすれ違いが起きてしまいます。そういった日常の中にある悲しさや虚しさが、今の時代にとてもマッチしているのではないかと思いました」

――土屋さんが演じる千波は、鎌倉にある洋館風の家に家族と住む女子大生。江ノ電の駅で偶然タケルと出会い、運命の歯車が回り始める...という設定です。千波という女性をどう捉えていますか?

「台本には"とても綺麗な子"と書いてありますが、容姿だけではなく、心もとても素朴で純粋。悲しいことがあったからこそ『しっかり正面から向き合いたい』という素直さを感じました。千波は両親のために生きています。彼女の身に起きた悲劇は、『家族がいなかったら、もしかしたら命を落としていたかもしれない』と考えてしまうような出来事だったと思います。私自身も家族が大好きで、『家族がいるから今ここにいる』という部分が大きいので、そういう部分では、千波とすごく似ていると思いました」

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――エリック・クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン」が、物語のカギを握っています。タイトルの「優しい音楽」にちなんで...土屋さんにとって音楽はどんな存在ですか?

「役作りをする時も、『彼女はどんな音楽を聴くのかな?』と想像して気持ちを作ることがあるので、音楽は相棒という気持ちです。偶然ですが、以前、舞台『プルートゥ PLUTO』で、AIロボット・ヘレナ(ウランと二役)を演じさせていただいた際、夫を亡くし、人間としての心があるヘレナの気持ちを作るにあたってどういう曲がいいかなと考えた時、『ティアーズ・イン・ヘヴン』を聴いたことがありました。和訳を調べ、読みながら気持ちを作ったのを覚えています。
個人的なことで言うと、悔しい時は中島みゆきさんの『宙船』を聴き、元気を出したい時やワクワクしたい時は、ベートーヴェン『交響曲第7番 第1楽章』を聴きます。『宙船』は、『おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな』という歌詞があって、心の中で『そうだよね!』と言いきかせています(笑)」

――ラブサスペンスとヒューマンドラマの要素が盛り込まれ、"家族"と"絆"が描かれる本作。最近、絆を感じた瞬間は?

「昨年10月に声の出演をさせていただいた映画『アイの歌声を聴かせて』が公開されましたが、コロナ禍とあり、積極的な宣伝活動ができませんでした。そんな中、映画館の皆さんが上映回数を増やしてくださったり、口コミで作品を広めてくださったりしたことにとても感動しました。皆さんにお会いすることはできませんでしたが、作品に対する愛情や同じ気持ちを共有できたことがとても嬉しかったんです。絆を感じた出来事でした」

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

「今回の作品は、正直、千波の状況を『なかなか想像することができない』という苦しさがありました。このご時世、『自分の夢は叶うだろうか』『自分は幸せになって良いのだろうか』という不安を抱えている人がたくさんいると思うので、ぜひ作品をご覧いただき、皆様に何かを感じていただけたらいいなと思っています」

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ヘアメイク/市岡愛、衣装協力/yee(杉崎製作所)、スタイリスト/津野真吾(impiger)

【土屋太鳳 プロフィール】
1995年2月3日生まれ、東京都出身。2008年に映画デビュー。2015年、NHK連続テレビ小説「まれ」でヒロインを務める。映画「orange -オレンジ-」「8年越しの花嫁」「累―かさね―」など多数出演。「大怪獣のあとしまつ」(2022年2月4日公開予定)でヒロインを演じる。ドラマ「今際の国のアリス」(Netflix 山﨑賢人とW主演)も配信中。

(取材・文/蓮池由美子)

1月7日(金)夜8時からは、新春ドラマスペシャル「優しい音楽~ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ」を放送!

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【あらすじ】
大学教授でギターをたしなむ父・雅志(仲村トオル)、歌がうまくて完璧な母・桂子(安田成美)と暮らす女子大生・鈴木千波(土屋太鳳)が、いつもより早く家を出たある朝のこと。江ノ電のとある駅に着いた千波は、ホームにいた永居タケル(永山絢斗)を見るなり、思わず立ちすくみ激しく動揺する。だが心当たりがないタケルは、話し掛けられても困惑するしかなく...。
広木克彦(佐藤浩市)が営む小さな造船所で日々真面目に働くタケルは、古い木造アパートでひとり暮らし中。家には過去に何かあったのか、家族写真や父母のものらしき眼鏡が大事に飾られている。そんな境遇の違う2人は、奇妙な出会いを経て、やがて恋人同士に。ところが千波は、なぜかタケルを両親に会わせようとしない。その衝撃の理由を知ったタケルは――。
鎌倉を舞台に、それぞれが忘れられぬ過去から新たな一歩を踏み出すまでの〝再生〟を描いた、音楽が繋ぐ優しさ溢れる愛と絆の感動物語!

どうぞお楽しみに!

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