30年ぶりの高水準 「上場ラッシュ」 背景に何が?<WBS>

公開: 更新: テレ東プラス

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国内の新規上場会社数のグラフ。

今月、新規上場した企業や上場を予定している企業の数は32社。実に、1991年11月以来、30年ぶりの高い水準です。今年1年間の新規上場もリーマンショック前以来の高水準となる見通しで「上場ラッシュ」ともいえる状況です。背景には何があるのでしょうか。

16日、東証マザーズに上場した「ブロードエンタープライズ」。手がけているサービスはオートロックをネットで管理するシステムなどです。例えばカードキーを忘れてしまった場合は、管理会社からメールでQRコードが発行され、ドアのセンサーにかざすとロックが解除されます。在宅勤務の普及などもあり、今年の売り上げは1年前から約1.5倍の増加を見込んでいます。

「コロナでプラスに働いた業界の上場が多いのでは。市場にお金が回っていることもあり、(上場を)今年にしてよかった」(ブロードエンタープライズの中西良祐社長)

東京証券取引所によると、今年の新規上場企業は136社に上る見込みです。リーマンショック前の2006年以来、15年ぶりの高水準です。しかしこうした上場ラッシュには"逆風"もあります。ブロードエンタープライズの上場初日の終値は2420円と、公開価格の2790円を割り込む結果となりました。

「12月の上場者数が多く、個人投資家の間で非常に大きな売り買いがあった」(中西良祐社長)

上場ラッシュですが、マザーズは11月から急落しています。逆風の一つはアメリカの金利上昇への懸念で、上場を先送りした会社もあります。一方でこういった中、なぜ上場に踏み切る企業が多かったのでしょうか。

駆け込み上場の理由の1つが、昨年のコロナ禍で上場を先送りした会社の分が今年乗っかってきている点。2つ目はベンチャーキャピタルが、できるだけ早く利益を確定したいと出口を求めている点。そして3つ目に、アメリカの金利が来年上がる前に上場しておきたいという点が挙げられます。

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