知らないと大損!?保障と貧困のスペシャリスト鈴木亘が語る「日本の社会保障超ハック術」

公開: 更新: テレ東プラス

テレビ東京の番組『ピラメキーノ』のマスコットキャラクターであり、YouTubeチャンネル『日経テレ東大学』内では、経済学者の成田悠輔さんや、2ちゃんねる創始者のひろゆきさんらと丁々発止を行っているぴらめきパンダ。

そんな謎多きパンダの冠番組がYouTubeチャンネル『日経テレ東大学』内で新たにスタート。題して『ぴらめきパンダのビジネス人生相談』。
「パンダに人生相談をしたい社会人はいるのか?」というツッコミもありそうだが、パンダが笹を食べながら悩める現代人に"ぴらめき"を与えてくれるようだ。

記念すべき最初の相談は42歳の独身男性から。長年付き合った彼女との結婚を躊躇していたら振られてしまった模様。人生挽回するべく一念発起して起業を検討しているものの、失敗したときのリスクを考えて二の足を踏んでいるというーー。※42歳男性の質問はパンダが話の都合上、創作したものです。

初回から可愛さゼロの重たい相談である。さすがのパンダも早速匙ならぬ笹を投げ出す勢いに・・・。ということで、助っ人に社会保障のプロフェッショナルである鈴木亘さんを召喚! 悩める中年男性の今後のリスクについて、社会保障の観点からアドバイスを送る。

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年金は絶対に損する制度

心強いゲストも登場したところで、社会保障の代名詞の1つである年金についてまずは掘り下げる。ひろゆきさんは「年金に入った方が良い」と吹聴していたが、鈴木さん「ひろゆきは入るべきだが、普通の人は絶対に損をする」と断言。

これまで多人数の現役世代が割り勘で老人を支えるのが年金制度であったが、現役世代はひらすら減少を続けており、近い将来、1若者で1老人で支えるようになるという。そのため、自分が払った以上が返ってくる可能性はなく、絶対に損をする仕組みだという。

ちなみに、ひろゆきさんのような大金持ちで税率が最大値の方は、無課税の年金は割が合うらしいが、あまり参考にはならない・・・。

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破綻するまで損する仕組みは変わらない

現役世代が損をしない年金制度にするためには、基本は個人積立型にしつつ、富裕層は多めに払ってもらうような自助と共助を両立するような形に改善するべきだと鈴木さんは説明するが、その改変の道のりは実務家からすると絶望的な状況だという・・・。

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絶望的な理由としては、行政や利益団体との利害調整という側面もありつつも、最たるものは「国民が想像を忌避して変えようとしない」ことだという。
改善策が進むとしたら、立ち直れる程度の小さな破綻が起きて、国民の目が覚めるまで待つしかないという。小さな規模で済めば良いが・・・。

唯一の希望は地方行政

国家レベルでは絶望的な状況ながらも、地方行政には小さな希望が残っているという。鈴木さんが実際に改革を成し遂げたのも、大阪市などの地方自治体という枠組みであった。

地方行政は首長の権限が強いという改革しやすい土壌があることに加え、若者が多いエリアでは、投票率を上げることでシルバー民主主義に打ち勝てる可能性もあるという。また、国という単位だとピンとこない施策であっても、自治体単位だと"自分ごと化"出来るため、耳を傾ける有権者も増えるそうだ。

たしかに自分の税金が訪れたこともない地方の誰かのためになるよりも、住んでいる地域の学校の整備などに使われる方がわかりやすく同意もしやすい。

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知ってさえいれば世界トップのチャレンジしやすい国

年金制度だけ見ると損をした気持ちになるが、日本は世界でもトップクラスにセーフティーネットが充実しており、安心してリスクテイクできる国だと鈴木さんは語る。
万が一起業や転職に失敗しても失業保険や再就職支援制度が充実しており、病気や怪我をしても医療保険制度が充実していて、文化的な生活を送れなくなることはほぼないという。

さらには最終手段でもある生活保護も、申請の手続きさえきちんとすれば、割と低いハードルで承認されるという。ハードルが低すぎることへの課題はありつつ、苦しい状況まで追い込まれても国家が最低限の生活を守ってくれることは事実のようだ。

「国の給付制度は簡単には受けられない」と考えている人の大半が単純に知らないだけで、知ってさえいれば世界でもトップクラスにリスクを冒したチャレンジをしやすい制度を持っている国のようだ。

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知ることの重要性とそのコツ

どうやら日本を利用しまる人生の分かれ道は「知っているか、知らないか」の差のようだ。そこで鈴木さんに情報収集の習慣を尋ねると、雑誌や新聞からが多いそう。
そして新聞は、学生時代から我らが日本経済新聞を愛読しているとのこと! 経済情報が広く学べることに加え、政治的に右でも左でもなく、また昨今のニュースアプリのように自分の趣向に偏ってしまうこともなく、バランスの取れた視点でニュースを知れることも魅力だという。

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さらにデジタル化の対応も早く、日経電子版の使い心地が良いため、今では日経電子版のみを愛用しているとのこと。電子版では過去記事の検索など、さらに充実した新聞体験が簡単に出来ることが良い点だという。
読み方にもこだわりがあり、1面からは読まずに『経済教室』『大機小機』というコラム系の記事から読み始め、スポーツ面をじっくり読むそうだ。かなり日経新聞を愛していないとたどり着かない通な読み方だろう。

日経新聞マニアの鈴木さんに、日経電子版有料読者ならば誰でも利用可能な『紙面ビューアー』アプリを利用してもらった。紙面から電子版派になって久しいという鈴木さんも使い勝手の良さに感動した様子。

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最近実装された『メモ機能』や『マーカー機能』も、「スクラップするときに役に立つ」と素敵なコメントを。日経新聞をハードに読みこなしている人ほど、痒いところに手が届く機能のようだ。

今回番組に出演された鈴木さん、楠木さんを始め、各界のエキスパートがニュースを解説する「Think!」は日経電子版でお楽しみいただけます。
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※番組情報

〇〇〇〇|ぴらめき人生相談

出演:
ピラメキパンダ(テレビ東京所属 パンダ)

ゲスト:
鈴木亘 (学習院大学経済学部教授)

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