幼児が高所から転落！命がけの伝統行事「人間の塔」に密着：有吉の世界同時中継

12月9日（木）夜6時25分からは、ゲストに松木安太郎、飯尾和樹（ずん）、池田美優、丹生明里（日向坂46）を迎えて「有吉の世界同時中継～今、そっちってどうなってますか？～」【世界の警察密着24時！年末一斉パトロールSP】を放送！

「テレ東プラス」では、12月2日に放送された番組の中から「2年ぶりの開催！スペイン・人間の塔」の内容をプレイバックする！

組み体操のように人が人の上に乗り、高さや完成までの速度を競うスペイン北東の伝統行事「人間の塔」。豊作を願う踊りが起源とされるこの祭りは200年以上の歴史があり、ユネスコの世界無形文化遺産にもなっている。番組では、町の祝日で2年ぶりに人間の塔が披露されるというスペイン・ヴィラフランカを取材し、人々が熱狂する様子をスタジオに伝えた。

かつては王様の別荘地として栄えたヴィラフランカは、中世ヨーロッパの面影を残す町並みと質の高いスパークリングワインの産地として知られる。住人らの人間の塔への関心は高い。町の至る所には記念碑や看板があり、人間の塔の博物館や約1億3000万円かけた専用練習場まであるほどだ。

だが大勢が参加する競技の特性上、コロナ禍によりここ2年は開催されていなかった。2年ぶりの復活にいやがうえにも住民の期待が高まっていくなか、番組は祭りに参加する4チームのうちの1つ、73年の歴史を持つ強豪「カスティエール・デ・ヴィラフランカ」（以下、ヴィラフランカ）に密着した。

人間の塔は通常1チーム数百人が参加する。塔は、土台となる「ピンヤ」、胴体部分に当たる「トロンク」、先端部に当たる「ポムデダルト」の3つのパートに分かれ、2列8段や3列10段など塔の形で難易度が異なる。その塔の頂点に立つのが花形「エンチャネタ」。人間の塔は上に行くほど体重の軽い幼児が担当し、チーム最年少はわずか4歳のマルタちゃんだ。

「上に登るのは怖い？」。そう尋ねられたマルタちゃんは「全然怖くない。すっごい楽しいよ」と、平然と答える。この町では人間の塔に参加することは、朝起きてご飯を食べることのように当たり前。マルタちゃんも姉の肩に乗り、遊ぶのが日常という。

祭り当日。開始時刻が近づくにつれて、ガラガラだった会場を多くの人が埋め尽くした。塔の組み立ては各チームが順番に行い、チャレンジは3回まで。一番上の人間が頂上で片手を挙げれば成功となる。より速く、より高く、ぐらつかせずに積み上げられるかが評価のポイントだ。

いよいよ祭りが始まった。先陣を切ったヴィラフランカは2段目、3段目を難なく組み上げたものの、一度は中断。今ルールでは、塔は低い段数なら2回まで組み直しが許されるため、再び挑戦した。よどみなく3段目まで塔が積み上がると、音楽隊が曲を変える。上の状況がわからない土台役の参加メンバーに曲調の変化で塔の完成具合を伝えるためだ。

4段目、5段目、6段目......。体重の軽い子どもたちが大人たちの体をよじ登っていく。もちろん命綱はない。スタジオの出演者も固唾を飲んで見守り、有吉弘行は「こんな子どもがいるの？感動する。すごい勇気だよ」と興奮を隠せない。

そして、ついにエンチャネタ（最上段役）の女の子が8段目に立ち、片手を挙げた。会場からは割れんばかりの拍手が起こる。その後、塔の中空に新たに1柱を作り、外壁の役割を担う人たちが徐々に降りていくという凄技を見せて、ヴィラフランカは4列8段の塔を見事に成功させた。

しかし2巡目に事故が起きた。今回、ヴィラフランカが挑戦するのは高難易度の3列9段。1巡目と同様、順調に塔を作っていったが、7〜8段目に差し掛かったときバランスが崩れてしまったのだ。落ちていく子どもたちの姿に、これまで状況を伝えてきた番組特派員も「やばい！やばい！」と思わず叫ぶ。幸い大きなけが人は出なかったようだが、まさに命がけだ。

とうとう迎えた3巡目。最後に挑むのは、1段に2人しかいないバランスの力が問われる形だ。ゆらゆらと揺れる人の段を、エンチャネタの女の子が頂上に向けて登っていく。誰か一人でも力の配分を誤れば、バランスが崩れて塔はたちまち崩壊してしまう......。しかし今回は、2巡目の失敗を取り返す2列8段の見事な塔が完成。終わってみれば、ヴィラフランカが他のチームを寄せ付けない圧倒的な実力で勝利を飾ったのだった！