円安もあり海外の購入増 越境ECで「昭和レトロ」が人気

公開: 更新: テレ東プラス

txbiz_202111241230_01.jpg
越境ECで人気の「昭和レトロ」商品

日本に外国人が気軽に入国できない中で、越境EC、つまり海外から日本のネット通販で買い物をする人が増えています。大手越境ECサイト「バイイー」の売上高は2021年の7-9月期で過去最高となる95.77億円となりました。この好調を後押ししているのが、今年に入ってから急激に進んだ円安です。海外からの買い物がお得になったこともあり、好調な越境ECサイトですが、中でも意外なモノが人気となっています。

千葉県柏市にある越境ECサービス「バイイー」の倉庫。中に入ってみると、海外の客に送る商品の入ったダンボールがたくさん積まれていました。ここから118の国と地域に発送しています。新型コロナで人の行き来がしずらくなったことから、インターネットを通じて日本の物を買う外国人が増えているといいます。

バイイーを運営するビーノスの直井聖太社長は、好調の要因について「円安で日本の商品が買いやすくなっている。ASEANの国々では、いまだに日本の商品は高価だが、そういった国々も円安で買いやすくなっている」と今年に入ってから急速に進んだ円安を挙げます。

倉庫で海外で人気の商品を見せてもらうと、仮面ライダーやドラゴンボールなど昔に放送されたアニメや特撮のフィギュアや、スーパーファミコン、ラジカセ、さらに山下達郎さんや大貫妙子さんのレコードなど、海外でも昭和レトロが売れているといいます。

韓国のDJ、音楽プロデューサーのNight Tempoさんによれば、日本の昭和グルーブの人気には「洗練され、かっこいい音楽として再解釈されている。YouTubeなどをきっかけに一度はまると抜けられない。コアなファンが多い」といいます。

Night Tempoさんの活動拠点でもある韓国・ソウル。市内にあるレコード店では、今一番売れているのが80年代の日本のレコードだといいます。

「竹内まりや、山下達郎、あとは角松敏生。店にあるものはすべて売り切れ。値段が5倍や10倍になっているものもある」(レコード店の店長)

買いに来るのは20代や30代の若い人たちが中心。客の一人は「今の音楽は機械的だが、30年前はピアノやギターの豊富なサウンドのものが多く、よく聴いている」と話します。

海外で高まる昭和レトロ人気。ビーノスの直井社長は「日本にあこがれを持ち、文化に関心ある世代がインターネットを使い、物を買うので、自分たちの意識次第では伸ばしていけるマーケットだと思っている」と期待を寄せていました。

ワールドビジネスサテライト


PICK UP