校則なし。生徒手帳は生徒がつくる。長野県屈指の進学校、松本深志高校・生徒会メンバーのリアルな高校生活に密着!

公開: 更新: テレ東プラス

歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回の主人公は、長野県屈指の進学校「長野県松本深志高等学校(以下、深志高校)」に通う矢島優奈さんと高須理功くん(ともに高校2年生)。深志高校は自由な校風で、制服や指定の体操着すらない。学校に決められるのではなく、生徒が自ら考え判断し学校生活を過ごすというポリシーが長年受け継がれている。自らの手で学校を作り上げていく高校生たちのリアルを追いかけた。

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長野県松本市にある深志高等学校は創立145年を迎えた県内屈指の公立進学校だ。2021年の春は東大をはじめ国公立大に130人、早慶MARCHに73人が合格。全校生徒925人の深志高校には、普通の学校にあるような髪型や服装、持ち物についての校則はない。メイクもOKで宿題もなく、学校でどう過ごすかは生徒の自由。学校生活のルールは生徒自らが考え決める――これが深志高校が掲げる「生徒の自治」だ。

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深志高校では週に2回、生徒会の係長会が行われている。優奈さんと理功くんは生徒会の役員で、顧問の先生はいるものの会議に口を挟むことはないという。顧問を務めるのは、自身も深志高校OBの松本純一郎先生。「生徒の決定権が大きい学校。一番わかりやすいのは文化祭で、そもそも生徒がやると決めなければ開催しないんですよ」と、自治の特徴について教えてくれた。

昼食をとる場所にも決まりはなく、いつも生徒会室でお弁当を食べている優奈さんは、「いろいろな人がいるので楽しい場所です。同じ話を振っても全然返答が違ったりして、すごく面白い。深志高校OBである父の話を小さい頃から聞いていて、楽しそうなイメージがあり、入学を希望しました」と明かしてくれた。

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父親の健一郎さんは深志高校を34年前に卒業した。当時から自由な校風だったそうで、「いろんなモチベーションの人がいて、それが全部許される世界。そういう所にいると、自分の意志がはっきりする。"深志"は今の自分の人格のベースになっている」と語る。そんな健一郎さんと優奈さんは、友達のようになんでも話せる間柄だ。

小学生の頃は3つの習い事を掛け持ちしていたという優奈さん。中でもピアノは地元では知られた腕前で、コンクールで受賞した経験も。中学3年生のときには文化祭の実行委員長を務め、パンフレットの表紙やピアノの伴奏など、多くの作業を背負い込んだ。

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文化祭実行委員長という立場から、弱い姿はけっして見せず、周りに気を配り、常に笑顔を心がけていたという優奈さん。「実行委員長はこうあるべき」と気を張っていたが、その考えは間違いだったと深志高校に入学してから気が付いた。「自分がやらなかったら誰がやるんだ、みたいに思っていたけど、今考えると全然だめだなって。そこに気づけたのは、深志高校に入ってから」と振り返る。

深志高校では、諦めるか諦めないかを決めるのも自分自身。健一郎さんは「自分の意志で決めて、自分で考えていくことができるようになれば、どんな形であってもいい...。何ごとも自分で選べる雰囲気は学校が持っているものなので。もしかしたらそれが良い意味での伝統なのかもしれないですね」と、深志高校が持つ魅力を語る。

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文化祭の日程を決める話し合いが佳境に入っていたある日、理功くんは生徒会室で生徒手帳を真剣に読み込んでいた。深志高校では生徒手帳も生徒会で発行しているが、現在、改訂を計画中。理功くんはその担当で、まさに生徒の手による学校作りのど真ん中にいるのだ。改訂案を作り、完成するまで毎日のように顧問の松本先生にチェックしてもらう。休みの日も自宅で生徒会の仕事をしているというから驚きだ。

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理功くんは今、生徒会の係を6つ兼務している。高校生活は生徒会一色。なぜそんなにのめり込めるのか、その理由を聞くと、「生徒会は深志の自治を体現している。自分が深志を作っていけているというのが、楽しいのかな」と理功くん。深志高校の生徒手帳には学校が作った校則ではなく、生徒たちが考えたルールが書かれている。先生でも親でもなく、自分たちで作る「深志」という名の社会のもと、生徒たちは信念を持って青春を謳歌していた。

番組では他にも、優奈さんの登校から帰宅までに密着、生徒会の活動内容や、顧問でOBの松本先生が語った過去の"深志らしい"生徒会エピソードなどを紹介する。

11月8日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、「医学部目指す小樽の高校生...その意外な訳」と題して送る。

主人公は、北海道小樽潮陵高等学校に通う2人の男子生徒。2人の目標は医学部合格。なぜ医師になりたいのか? その理由を聞くと意外な返答が...。厳寒の地で奮闘する高校生の姿を追いかけた。

どうぞお楽しみに!

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