ゲラな2人は「笑うタイミングも同じ」 鈴木伸之×瀬戸利樹 仲良し対談:お茶にごす。

公開: 更新: テレ東プラス

不良×茶道部!? 異色のヤンキーコメディ漫画を実写化したドラマ、木ドラ24「お茶にごす。」(毎週木曜深夜0時30分放送/テレビ東京系)が、10月7日(木)より地上波にて放送スタート!(※BSテレ東では10月11日(月)スタート/Amazon Prime Videoにて全話配信中)

原作は、「今日から俺は!!」など"ヤンキーギャグ漫画"の旗手・西森博之の同名コミック。中学時代、強面で威圧的な雰囲気から最強の不良と呼ばれた主人公が、高校入学を機に"平穏な日々を過ごしたい"と茶道部に入部。茶道部の仲間たちと関わることで少しずつ変わっていく。

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"悪魔(デビル)まークン"と呼ばれる主人公・船橋雅矢を演じるのは、ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)の番長役も話題を呼んだ鈴木伸之。まークンの親友・山田航を演じるのは瀬戸利樹。2度目の共演で気心の知れている2人に、にぎやかな撮影現場の様子から茶道の話まで、じっくり語ってもらった。

学生服、まだ行ける!

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――まークンと山田、ご自身が演じるキャラクターの魅力は?

鈴木「まークンは、目つきが悪くて近寄りがたい外見から悪名高く、その評判を聞きつけた誰かにケンカを吹っ掛けられるという毎日を送っています。......が、実は、すごく優しくてピュアな男なんです。物語が進むにつれて周りの人たちが、本当のまークンに気付いて影響されていくのが、この作品の見どころだと思います」

瀬戸「山田は、まークンの良き理解者で、道を逸れそうになった時に戻してあげる存在です。まークンとは同級生ですが、お母さん目線になっていますね(笑)」

――キャラクターの濃い役どころですが、どのように演じましたか?

鈴木「今回は、今まで演じてきた演じ方とまた違ったお芝居をしています。コミカルさは残しながら、すごい顔でにらんだり、すごいリアクションで驚いたり、振り切った大きいお芝居を心がけました。演じていて楽しかったですし、自分にとっても挑戦でした」

瀬戸「個性の強いキャラクターが多い中で、山田は正しいことを言ったり仲裁したりするツッコミ役。みんなをしっかりと正すように気を付けながら演じました。まークンと2人のシーンでは、台本には描かれていない中学時代の2人の関係性が少しでも垣間見えるように意識しました」

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――高校生役ということで、制服の着心地はいかがでしたか?

鈴木「今、28歳ですが、夏に公開された映画『東京リベンジャーズ』をはじめ学生役が多くて。自分的には『まだいけるな』と思ってしまったんですが、大丈夫ですかね?(笑)。学園ものでは学生のような気分が味わえるのが楽しくて、学生服を着られるうちはやりたいと思ってます」

瀬戸「僕も25歳ですが、制服を着ると学生気分で撮影できて、青春を取り戻しているようでした。学生のキャストの中では僕らが一番年上だったはずなのに、自由に楽しんでいて、年下みたいでしたね(笑)」

鈴木「俺らが一番はしゃいでた気がする(笑)」

――お二人は映画『ストレイヤーズ・クロニクル』(2015年)で共演されていましたが、今回6年ぶりの共演はいかがでした?

鈴木「あの時、利樹は20歳だった?」

瀬戸「そうですね、19歳ぐらいでした。アクションものの映画でライバルという役柄でしたが、デビューしたばかりの僕を伸くんが優しく気遣ってくれたのを覚えてます」

鈴木「その後、何度かご飯の席では一緒になったりしたよね。今回は、撮影初日から、自分の中で利樹は山田そのものだった。山田は、おバカなことばかり言うまークンを常に正してくれる存在。山田がいるから、まークンがいられる。まークンと山田は、2人で1つなんだなと感じましたね」

瀬戸「台本の読み合わせの時から、伸くんが演じるまークンは絶対に面白くなるなと思っていたけど、実際に撮影が始まると、やっぱり面白くて。隣でお芝居ができてうれしかったです。伸くんは自分のことよりも周りに気を遣って撮影を進めてくれていることを感じて、大きな背中がさらに大きく見えました」

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鈴木「俺も、山田役が利樹って聞いた時から、絶対に楽しい関係にできそうだとと感じていたし、実際にそうだった。カメラが回っていないところでは2人でお弁当を一緒に食べたり、ロケ現場の学校を歩き回ったり、猛暑の中での撮影でお互いに扇風機を向け合ったり、楽しい思い出がいっぱいある」

瀬戸「伸くんは、本番前のテストで生まれてくるアイデアがたくさんあって、監督に提案することも多かったですよね。それを本番一発で決めるのが、さすがだと思いました。作品に対する伸くんの姿勢を見ていて、僕は付いていくのが精一杯だったけど、学ばせていただきました」

鈴木「謙虚なこと言ってるなぁ(笑)」

瀬戸「本当にそう思ってます! 本番前は『無理だよ~』とか弱気なことを言ってるのに、一発で決めるところが、本当にすごいです』

鈴木「今回、山田とまークンの掛け合いがすごく多くて。山田は話を正してくれる役割だから、こっちがいくらふざけても絶対に笑わず、常に役に徹していてくれたことが、すごくありがたかった」

――お話を聞いていると、良い関係が伝わってきます。お二人の共通点はありますか?

鈴木「2人ともゲラだね(笑)」

瀬戸「そうですね(笑)」

鈴木「利樹とは笑うタイミングも同じだったし、現場では一緒によく笑っていた印象が強いです。暑い中、タイトなスケジュールで朝も早かったけど、撮影が大変ということよりも、待ち時間に雑談ができると喜んでいました(笑)」

茶道の特訓で学んだこと

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――まークンと山田が茶道部に入ってお茶を学んでいくというストーリーですが、茶道のお稽古はどのぐらいしたのですか?

鈴木「撮影に入る2ヵ月ぐらい前から、お茶の先生の教室で丁寧に教えていただきました。お辞儀の仕方、お茶道具の名前、房のさばき方、薄茶と濃茶があって......とか、いろいろ習いましたね。学生時代は野球部で文化部とはあまり縁がなかったので、最初は楽しみ方がよく分からない部分がありましたが、それぞれの所作の意味を知っていくと、お茶の文化は素晴らしいと改めて感じました。撮影が終わってしばらく経ちましたが、薄茶のお点前は、今でも全部できると思います」

瀬戸「おおっ、すごい!」

鈴木「相当練習したからね」

瀬戸「空き時間はずっと練習していましたね」

鈴木「そうそう。お茶の先生に、おいしいお茶をいただいたりして。今はタンブラーに入れて現場で持ち歩いてる」

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――瀬戸さんは、茶道のご経験は?

瀬戸「僕も野球部でしたが、実は高校生の時、茶道部に入りたかったんです。でも、部員が全員女性だったので諦めました。その後、仕事の関係で茶道教室に通わせていただいたこともありますが簡単に教えてもらう程度だったので、今回のようにしっかり学んでみると知らなかったことも多くて。全神経を使ってすべてに集中しなければならなくて、一つでも集中が途切れると『そこ違うよ』と指摘されてしまう。精神力を保つ大変さを学びました」

鈴木「お茶って奥が深い。今回、茶道を経験して、28歳になっても学べることはたくさんあると分かりました。茶道部の姉崎部長を演じている久間田(琳加)さんのお点前が本当に素晴らしくて。薄茶と濃茶のお点前もそれぞれ違って難しいのに、撮影現場で完璧にこなしていて。俺たちと同じくらいしか稽古はなかったはずだから、すごく努力したんだろうな。お茶を通して、人柄とか奥ゆかしさも垣間見えた気がします」

――鈴木さんたちにとってお茶との出会いは、まさに"一期一会"でしたか?

鈴木「本当にそうです。"一期一会"とは、同じような毎日でも一瞬一瞬を大事にしなければいけないという意味で、人と人との出会いの大切さを表す言葉です。このドラマには、お茶にまつわる言葉がたくさん出てきて、そのひとつひとつに深い意味があります。はっとさせられることが詰まっているので、精神的に勉強になりました。視聴者の皆さんにも、ドラマを楽しんでもらいつつ、お茶の魅力を感じてもらえたらいいですね」

和気あいあいと語りながら、真面目な素顔をのぞかせる2人。息もピッタリな彼らが作り上げた、ジワジワとくる面白さを味わってください。

(撮影/uufoy 取材・文/伊沢晶子)

【プロフィール】
鈴木伸之(すずき・のぶゆき)
1992年10月14日生まれ。神奈川県出身。2010年「第3回劇団EXILEオーディション」に合格し俳優として活動を開始。「あなたのことはそれほど」(TBS系)、「今日から俺は!!」(日本テレビ系)、映画「東京リベンジャーズ」(2021年)などに出演。10月クールは「ラジエーションハウスII」(フジテレビ系)、「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)も放送。

瀬戸利樹(せと・としき)
1995年10月7日生まれ。千葉県出身。2014年デビュー。「仮面ライダーエグゼイド」(テレビ朝日系)、「偽装不倫」(日本テレビ系)、「推しの王子様」(フジテレビ系)、映画「チア男子!!」(2019年)、「シグナル100」(2020年)などに出演。映画「老後の資金がありません!」が、2021年10月30日(土) 公開。

青春・学園・ヤンキー・コメディ! 木ドラ24「お茶にごす。」10月7日(木)放送の第1話は?

第1話
中学最強の不良と恐れられ"悪魔(デビル)まークン"と呼ばれる船橋雅矢(鈴木伸之)は、高校入学をきっかけにもう喧嘩はしないと決心し、親友の山田(瀬戸利樹)からもアドバイスを受ける。ところが、絡まれている夏帆(萩原みのり)を助けるため、つい不良に手を出してしまい...。部活の新入生勧誘でも、船橋には誰も声をかけてこなかった。そんな中、唯一声をかけてきたのは茶道部の姉崎(久間田琳加)だった。

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