ダンサーの夢を諦めた壮絶人生...とびきり明るい笑顔の裏に隠された過去を衝撃告白

公開: 更新: テレ東プラス

【3行まとめ】
ドラマ「家、ついて行ってイイですか?」第5話をプレイバック!
・ディレクターの玉岡直人は、10万人にひとりという難病を抱える女性に出会い、取材させてもらうことに。
・やがて彼女の発病の様子から驚きの恋の顛末まで、波乱の半生が明らかになり...。

毎週土曜夜11時25分からは、ドラマ「家、ついて行ってイイですか?」(主演:竜星涼)を放送! 「家、ついて行ってイイですか?」で放送された何百ものエピソードの中から、「驚き」と「感動」と「面白い!」を兼ね備えた7軒を厳選! 取材を受ける場面から過去の壮絶な人生まで...すべてをドラマで描いていく。

「テレ東プラス」では、5軒目の内容をプレイバックする。

『家、ついて行ってイイですか?』のディレクター・玉岡直人(竜星涼)は、いつものように夜の駅前で取材対象者を探していた。路上パフォーマンスするダンサーに「けっぱれー!」と声援を送っていた女性に目をつけ、声をかけることに。

homeii_drama_20210917_01.jpg
「けっぱれって、どういう意味なんですか?」

「津軽弁で"頑張れ"って意味です」

女性は青森出身で、あやの(剛力彩芽)と名乗り、「夢を追いかけている人を応援したくなっちゃう」と語る。直人が意を決して「ご自宅までのタクシー代をお支払いするので、家、ついて行ってイイですか?」と尋ねると、「どうしよっかなぁ」と目をつぶって自問自答する。そして目を開け、「うん、決めました! いいですよ」ととびきりの笑顔で答えた。しかしあやのは、そんな明るさからは想像できない壮絶な人生を歩んでいた。

後日。スタッフルームで直人がVTRを編集していると、プロデューサーの柏崎瞳(にしおかすみこ)がやってきて「この前のスペシャル、急に差し替えちゃってごめんね」と言う。

homeii_drama_20210917_02.jpg
「いえ。でも、何で急に...」

「山中の回がめっちゃ良かったからさ〜」

「玉岡先輩、サーセン!」

「次は期待してるから」

若手ディレクター・山中(曽田陵介)の背中を恨めしそうに眺めながら、頭を掻きむしる直人だった。

30歳で公務員のあやのは、おもむろにスマホを腕にかざすと「持病があって。数値を測ってます」と言う。画面を見ながら顔をしかめ、心配する直人に「冗談です、大丈夫です。からかい甲斐ありますね」と言って楽しそうに笑った。

自宅に到着すると、すぐに中へと招き入れる。戸惑う直人に「全部、洗いざらい見せるって決めたんで。今日は私の人生、隠しごとなしです」とあやの。築33年、家賃75,000円の2LDK。全体的に物が少なく、室内は整理整頓されている。冷蔵庫の中身も少なく、親戚が漬けたという大きな梅干しを振舞ってくれた。見慣れないものを発見し、直人が「これ何ですか?」と尋ねると、あやのはさらりと「注射です」と答え、再びスマホで数値を測り始めた。

homeii_drama_20210917_03.jpg
「ここに管が刺さってるんです。これで血糖値を測るんですけど、今ちょっと数値が高いので、注射打っても良いですか?」

「何かのご病気なんですか?」

「1型糖尿病です」

そう言うと、注射器を取り出すあやの。血糖値のコントロールが出来なくなる難病で、生活習慣病の"2型糖尿病"とは異なる。10万人に1人が発症するが、原因不明で治療法も存在しない。そのため血糖値をコントロールする注射が欠かせないと説明する。

ペン型の注射器を取り出すと、慣れた手つきで腹部に打つあやの。

「やばい時は電車とかでも打っちゃうんですよ。かがめば誰にも見えないから。これがないと生きていけないんです。命の次にこれじゃなくて、これが命なんです」

「いつ病気になったんですか?」

「大学の頃ですね。ダンス部のキャプテンをしてたんですけど、突然発症して...」

大学時代。ダンス選手権の全国大会に向けて部員たちとリハーサルをしていると、突然ふらつき、倒れたあやの。そのまま気を失い、入院することになってしまう。

homeii_drama_20210917_04.jpg
暗い表情で全国大会のトーナメント表を眺めていると、チームメイトのえみ(小川未祐)が病室に訪ねてくる。すぐに笑顔になり、「ビックリさせちゃってごめんね。身体はピンピンしてる」と話すあやの。「でも、大会は無理かな」と言い、一冊のノートを手渡す。

homeii_drama_20210917_05.jpg
ノートには新しいフォーメーションが書かれていたが、そこにあやのの名前はない。

「私いないとちょうどバランス良くてさ。これは優勝狙えるかもよ!」

「あやの...」

「私はみんなが全国行けるって思っただけで満足なの。だからもういいの。もう決めたから」

「......」

「一つ、お願いがあるんだけどさ」

数日後、あやのの願いを叶えることになった。

「いきます。人生最後の本気のダンス」

スタジオにはえみとあやのの2人きり。CDプレーヤーから音楽を流すと、あやのは全身全霊で踊る。その様子を見て、えみは涙が止まらない。

「あーこれで心おきなく引退できる!」

「あやの...」

「何泣いてんの。明日からえみがキャプテンなんでしょ? しっかりしないと。そんな泣き虫のキャプテンじゃ、誰もついてこないよ。けっぱれ!」

あやのは笑顔でえみを励ました。過去を聞き、「ハンパなくお強いですね」と驚く直人。

「私、一度決めたら前に進むようにしてるんです。その道が正解だろうが不正解だろうが、絶対に正解にしてやろうって」

「ダンスを辞めた後はどうされたんですか?」

「しばらく入院してたんですけど、やる気は起きなくて。でも入院してた病院で意外な出会いがあったんですよね」

ある日、病院のロビーのベンチに本を忘れてしまったあやの。取りに戻ると、男性がそれを手に取り眺めていた。声を掛け、返してもらうと...。

「あやの?」

「え?」

「あやのだよな? ほら、青森第一高校の」

「あ!」

homeii_drama_20210917_06.jpg
「久しぶり!」

「...誰だっけ?」

「おい!」

その男性は同級生の中島良平(堀井新太)だった。高校時代に戻ったように冗談を言い合いながら病院の外を歩いていると、足元に子ども用のサッカーボールが転がってくる。良平はそれを返し「俺も後でちょっとだけ混ぜてよ」と子どもと話す。その様子を微笑ましく見守るあやの。実家の和菓子店を継ぐと言っていた良平だが、今は東京の店で修行をしているらしい。病院には花粉症の薬をもらいに来ただけで、あやのとは偶然の再会だった。「まだダンス続けてるんだろ?」と聞かれ、病気のことを打ち明けるあやの。

「そっか、そんなことがあったのか...」

「そう。だから今、手あたり次第に新しい夢を探してるの!」

「へぇ、どんな?」

「私がさっき忘れてた本」

homeii_drama_20210917_07.jpg
「きのこ好きだっけ?」

「いや別に。本屋さんで目についたから買ってみた」

「方向性間違ってない?」

「私も薄々そんな気はしてる。でも私は新しい夢を見つけるって決めたから。今はちょっと迷走してるけどね」

無理して明るく笑うあやのに、「よし、こういう時は叫ぶんだよ」と突然立ち上がる良平。「なんで、俺の和菓子なかなか認めてくれないんだー!」と叫ぶ姿に、あやのはキュンとするのだった。

homeii_drama_20210917_08.jpg
あやのの退院後、付き合い始めた2人。月日が流れ、良平の実家を訪ねることになった。母・富子(高谷智子)に和菓子でもてなされ、嬉しそうに頬張るあやの。紫色の練切りを食べると、「これ、すごい好きかも!」と目が輝く。

「良平が初めて自分で作ったお菓子なの。食べた人の夢が叶いますようにって、"ながれぼし"っていう名前なのよ」

「そうなんですね!」

「あやのさん、良平のことよろしくね」

「あ...はい!」

「なんか照れるね」

和やかな時間が流れるが、あやのの表情が曇る。良平は察したように、あやのを別の部屋へと連れて行った。カバンから注射器を取り出し、腹部に打つあやの。

「大丈夫?」

「うん。ちょっと食べ過ぎちゃったみたい」

「無理するなよ」

「でも、本当に美味しかったんだもん!」

良平は真剣な眼差しで「決めたわ。これからも、あやのを喜ばせるお菓子、たくさん作る」と宣言する。そんな良平に、あやのも嬉しそうに微笑むのだった。

翌朝。あやのが目を覚ますと、すでに良平の布団は畳まれていた。家の中を探すと富子と話す声が聞こえてくる。

「あやのさんのことだけど。素敵な方だっていうのはわかってるのよ。でも...心配なのよ」

「どういうこと?」

「お母さん調べたの。1型糖尿病は妊娠が難しいんでしょ?」


「うちは500年続いた老舗。跡取りがいないと困るべ?」

「何に困るんだよ。腕の良い職人に継いでもらう手だってあるわけだし。子どもがいなくても、あやのがいればそれでいい。だから口出ししないでくれ」

「......」

会話を聞いたあやのが決めたこととは...。

homeii_drama_20210917_09.jpg

9月18日(土)夜11時25分からは、ドラマ「家、ついて行ってイイですか?」第6話を放送!

homeii_drama_20210917_10.jpg
玉岡直人(竜星涼)は地方特集で茨城でロケをするが人がほとんど通らない。困惑していると泥酔状態でベンチに横たわる荒木淳(坪倉由幸)を発見し、取材OKを貰う。荒木はマンガ家の妻・真美(野波麻帆)が胃がんで入院中だと告白。今は絵すら描けない状態だという。それでも笑顔で過ごす荒木の理由とは...?そして後日、荒木に飲みに誘われた直人は「踏み込みすぎた質問をしてしまった」と反省するが...。

PICK UP