トイレットペーパーはトウモロコシの皮!脱北YouTuberが語る北朝鮮の生活と脱北失敗で見た地獄:じっくり聞いタロウ

公開: 更新: テレ東プラス

売れっ子から懐かしのスターまで、芸能人が驚きの近況を報告する番組「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告」(毎週木曜深夜0時放送)。9月9日(木)の放送では、日本に在住する脱北YouTuberが、実際に体験したからこそ話せる北朝鮮での厳しい生活から脱北失敗で味わったおぞましい体験まで大暴露!

脱北YouTuberのキムさんは、1985年に姉3人、弟1人の5人姉弟の長男として誕生。北朝鮮での生活に疑問を持った彼は2008年、23歳の時に脱北し、中国を経由して韓国へ。2013年、日本に移住し、昨年YouTubeチャンネル「脱北者が語る北朝鮮」を開設して、商社の仕事の傍ら動画を公開。小学生の時に公開処刑を見せられた話をはじめ、北朝鮮の生活や脱北経験について日本語で語っている。

キムさんが10代の頃は、金正日体制に移行した1994年から90年代後半にかけて大規模な飢饉が発生し、「苦難の行軍」と呼ばれる経済的に非常に厳しい時期だった。キムさんは学校に通えず、さらに母と姉弟たちは次々と餓死し、父とも生き別れに。北朝鮮ジャーナリスト・五味洋治さんによると、当時は何百万人も亡くなり、道端にたくさん死体が放置されていたという。

その後、祖父母にとって長男の長男だったキムさんは「なんとしてもこの子だけは」と祖父母に引き取られるが、想像もつかない生活を送ることに。電気がなく水道も使えず、浄水されていない井戸水を飲み、トイレは地面に穴を掘ってしていたそうで、かなり不衛生な状況。当然トイレットペーパーもないのでトウモロコシの皮を代わりに使っていたとか。

また、「禁止でないことはない」というほど生活にさまざまな制限があり、ヘアスタイルは皆同じカット、服装は社会主義式のものでないとダメで、ジーパンなどをはいていると糾察隊(風紀取り締まり班)に捕まり、数時間の労働か罰金刑を受けた。

そんな中、国境地域で中国から密輸をしている北朝鮮のブローカーが豪勢な暮らしをしているのを見たキムさんは、「この国にいても未来はない」と脱北を決意。準備を進めていた彼に、あるブローカーが接近してくる。

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ブローカーを手配したのは、消息を絶っていた父親。姿を消した父親は脱北して生き延びていたのだ。キムさんはブローカーの家で脱北のチャンスをうかがっていたが、計画がどこからか漏れ、秘密警察に拘束されてしまう。

キムさんが留置所生活で特に苦しかったのは、24時間、就寝時間以外は姿勢を変えてはダメ、しゃべってもいけないため、「10何時間ずっと座っていた」ことだという。また留置所は白頭山という北朝鮮で1番寒い場所にあり、冬はマイナス20度に。暖房も何もない過酷な環境の中で「足が凍ったりして眠れなかった」と。そして食料は死なないくらいのトウモロコシのご飯と味噌汁。厳しい監視、凍えるほどの寒さ、耐えがたい空腹に苦しみながら、約3ヵ月拘束されていたという。

そんな地獄のような辛さを味わっても脱北の決意が揺るがなかったキムさんは、国境警備隊に渡すワイロの資金を約4年かけて貯金。さらに父と連絡を取ることに成功し、父の援助を受けながら2008年に2度目の脱北を決行。事前に国境警備隊の上の者にワイロを渡し、あらかじめ決めた時間に人払いをしてもらいブローカーと一緒に川を渡って国境を越えた。

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キムさんは脱北先の中国で約12年ぶりに父親と対面。中国から韓国へ渡り、2013年に日本へ。「北朝鮮を出た瞬間から地獄と天国というくらい違っていた。人間として生きるということが幸せだった」と今の状況を噛みしめていた。

この他、北朝鮮ジャーナリストが、昨年12月に制定されたばかりの恐ろしい法律や、仮想通貨を不正に狙うハッカー集団など北朝鮮の最新情報を大暴露!

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