スナックのママと客がバツイチ同士で再婚!「たばこやめなよ」「薬は飲んだ?」細かい夫にブチギレ。だがその後、悲しすぎる運命が待ち受けていた...

公開: 更新: テレ東プラス

【3行まとめ】
ドラマ「家、ついて行ってイイですか?」第3話をプレイバック!
・昼間の銭湯で出会った見た目が派手な高齢の女性・きよ美について行くと...そこには夫婦愛に満ちたステキな人生ドラマが待っていた!
・そして、きよ美が番組ディレクターの直人についてしまった嘘とは...?

「さすが真実、話が濃い。そして、研ナオコさん濃い」「研ナオコさん、まさかのスッピンで出演! なんだかうるっときてしまいました」とSNSで話題。

毎週土曜夜11時25分からは、ドラマ「家、ついて行ってイイですか?」(主演:竜星涼)を放送! 「家、ついて行ってイイですか?」で放送された何百ものエピソードの中から、「驚き」と「感動」と「面白い!」を兼ね備えた7軒を厳選! 取材を受ける場面から過去の壮絶な人生まで...すべてをドラマで描いていく。

「テレ東プラス」では、3軒目の内容をプレイバックする。

『家、ついて行ってイイですか?』のディレクター・玉岡直人(竜星涼)は、取材する人を見つけるべく、「回数券をプレゼントするので...」という誘い文句で銭湯の客に声を掛けていた。交渉が上手くいかずうなだれていると、銭湯の入口で明るい服を着た女性が牛乳を飲んでいる。声をかけると、快くインタビューに応じてくれた。女性は毎日この銭湯に来ているという。

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「こちらの銭湯の回数券をプレゼントするので...家、ついて行ってイイですか?」

「家? あんたもしかして、オレオレ詐欺的な?」

「いやいやいや! そういうのじゃ」

「違う? まぁいいよ。うちには財産なんか何もねぇから、来い!」

年季が入った自転車を押して歩き出す女性。

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後日。スタッフルームで編集作業をする直人に、若手ディレクターの山中(曽田陵介)が「先輩って仕事好きですか?」と声をかけてくる。

「普通かな」

「だと思いました。先輩、そんなに楽しそうじゃないっすもんね」

後輩からのそんな言葉に、直人は複雑な気持ちでため息をつくのだった。

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女性の名前は村松きよ美。71歳でビル清掃の仕事をしているという。家に誰かいるのかと聞くと、「今はいねぇ。遅くにならないと帰ってこないから」とのこと。

「ご主人ですか?」

「当たり前だろう」

「何時くらいに帰ってきますか?」

「そうだなぁ、夕方5時過ぎくらいかな」

「何のお仕事をされてる方なんですか?」

「タクシーの運転手」

きよ美のアパートに到着。ポストには"チラシ入れるな"という手書きの貼り紙がしてあり、中を確認すると「また入れやがった!」と腹を立てるきよ美。玄関には"セールスお断り"の貼り紙がしてあり、表札には「村松きよ美・勝彦」と書かれている。

「それじゃ、ご苦労さん!」

そう言うと、玄関を閉めようとするきよ美。直人はそれを慌てて止め、「家の中を見させてもらう番組なんですけど...」と申し出る。キョトンとするきよ美だが、趣旨を理解すると、部屋に招き入れてくれた。しかしきよ美は、ある嘘をついていたのだった-。

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築51年、家賃6万4千円の2LDK。中は綺麗に掃除されており、夫と2人暮らしだという。電気はいつもつけっぱなし。「電気代もったいなくないですか?」という直人に「そんな細かいこと気にするんじゃないよ。かっちゃんに似てるね、そういうところ」と返すきよ美。

「かっちゃんとは?」

「旦那に決まってるじゃないか。お前さ、人の話よく聞いてないな」

「お名前、伺ってましたっけ...?」

「話の流れってもんがあるだろう」

部屋には、56~57歳頃に結婚した夫とのツーショット写真が飾ってあった。昔、スナックのママだったきよ美と、客として通っていた夫・勝彦(菅原大吉)は、お互いバツイチ同士で再婚したという。

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きよ美がママをしていた頃のこと。勝彦はカウンターで酒を飲みながら、世の中の不景気を嘆いていた。タバコを吸いながら聞いていたきよ美だが、「いつまでぼやいてんだよ。愚痴ばっかり言ってたら出禁だよ」と叱咤する。

「暗い話ばかりしたらこっちも暗くなるだろ。落ち込んだ時には自分で頑張って明るくするの」

「頑張るって、無理やり?」

「うん。自分で自分を明るくしたら金もかからない。安上がりでいいだろ?」

そう励ましながら、鍋のおでんを盛り付けるきよ美。勝彦はその背中を眺めながら、「きよちゃんみたいな人が、俺と結婚してくれたらなぁ」と呟いた。

「...いいよ」

「え?」

「だから、結婚してやってもいいって」

「え、いいの!?」

「独り身も飽きたしよ。あんたみたいな人、ほっとけないからね」

「...やった。言ってみるもんだな」

「でも、暗い話したら離婚だよ!」

「え!?」

タバコに火をつけながら、きよ美はそっと微笑むのだった。

現実に戻り、勝彦のどこに惹かれたのか聞かれると「イケメンだからね。男はやっぱり顔だね。顔が良ければ、多少のことは許せる」ときよ美。そして「あんたもなかなかイケメン。かっちゃんに似てるね」と直人をまじまじと見つめる。

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冷蔵庫の中には大量の青汁がストックされていた。勝彦が好きだそうで、「乳酸菌が入ってて飲みやすいから」と、フタを開けて飲ませてくれた。ドアポケットには、キンキンに冷えたグラスとビール。これも勝彦のためのもので、きよ美は飲まないという。

龍角散のど飴もたくさんストックされていた。「それね、かっちゃんがいっぱい買って来てくれるの」と言いながら、おもむろにソファに寝そべるきよ美。「すごい体勢ですね」と驚く直人に、「あんたもかっちゃんと同じようなこと言うねぇ」とリラックスモード。
勝彦は正座をしてビールを飲むそうだ。使うのは、冷蔵庫でキンキンに冷やしておいたグラス。いっぽうのきよ美は、ソファーに寝転がりながら焼酎で晩酌する。

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「それにしてもすごい体勢だな。どんな寝転び方よ」

「楽だよ、これ。ちょっとやってみな」

そう言われたソファーに寝転んでみる勝彦だが、腰痛持ちには体勢が辛く、すぐに断念してしまった。

「腰痛めるよ? きよちゃんもちゃんと座ればいいのに」

「私はこの姿勢で一本」

楽しい思い出を回想するきよ美。現実に戻ると、「あんたもやってみな。気持ちいいから」と直人にソファを譲る。実際に寝そべってリラックスする直人に、「どうしてかっちゃんには分かんないのかな? この良さが。あれこれ細かいんだよ」と言いながらキッチンでタバコを吸い始め、再び回想する。

ある日、リビングのテーブルでタバコを吸っていたきよ美。隣に「今日の薬まだ飲んでないでしょ?」と、薬と水を持った勝彦が腰掛ける。

「今日はいいよ」

「ダメだよ、毎日飲まなきゃ。また胃の調子悪くしたらどうするの?」

「なったらなったでいいじゃん。私はね、太く短く生きるって決めてるんだよ」

「きよちゃんにはね、太く長く生きてもらわないと」

そう笑いながら、薬を手渡す勝彦。きよ美は「しょうがないなぁ」と受け取り、しぶしぶ薬を飲むのだった。

勝彦にトイレの電気がつけっぱなしだったと注意された時のこと。「明るい方がスパっと脱げてスパっと出せる。効率的だろ?」と聞き入れないきよ美を「電気代がもったいないよ。ちゃんと消そう?」と諭す勝彦。しかしきよ美は「細かい男だねぇ。寝るよ」と話半分で床についたのだった。

別の日。きよ美が物をひっくり返しながらリモコンを探していると、「だからちゃんと片付けろって言ったでしょ?」と勝彦。きよ美は「片付けてないくらいの方が、見つかった時に倍嬉しいっつーの」と言うが、「人間って探し物をするだけで年間150時間浪費してるんだって」と豆知識を披露する勝彦。

「誰がそんなくだらないこと調べてるの? その時間の方が無駄だっつーの!」

と、散らかし癖を直さなかったきよ美。そんなことを思い出していると、時刻は夕方5時近くになっていた。時計を確認し、「そろそろご主人帰ってきますか?」と直人が尋ねると、きよ美は少し考えた後「来ないよ」と答える。

「えーと、どういうことですか?」

戸惑う直人に、きよ美はリビングの端を指差し、「ここにいるから」と言う。そこには勝彦の遺影が飾られていた。

「死んじゃったんだよ」

「ちょっと待ってください...さっき夕方5時に帰ってくるって」

「それは...ついさ。まさか家に上がるとは思ってなかったから。悪かったね」

「いつ亡くなられたんですか?」

「2ヵ月前」

2ヵ月前。タバコを吸っているきよ美に「タバコやめなって」と苦言を呈した勝彦。

「なんでだよ」

「だから何回言わせるのよ。体に悪いって!」

「大丈夫だよ。私はこれまで1度も大きな病気したことないんだから」

「これからするかもしれないだろ」

きよ美が新しいタバコに火をつけようとすると、勝彦が無理やり奪い取り、折り曲げてしまった。「なにもったいないことしてるんだよ!」と怒るきよ美。

「私はね、棺桶に入ってもタバコ吸うって決めてんの!」

「俺はきよちゃんの体のことを思って...」

「こんな細かい男だったら結婚するんじゃなかったよ!」

「ごめん...」

「謝るくらいだったら最初から口出しするんじゃねぇよ!」

言いすぎたと思いつつ、後に引けず家を出て行くきよ美。1人になった勝彦は息苦しそうに胸を押さえるのだった。

きよ美が向かったのはパチンコ店。タバコを吸いながらしばらく遊び、自分の台がフィーバーすると「よしよし」と笑顔になる。景品所で交換したのは、タバコ1カートン。その隣には缶ビールが並んでいて、少し考えた後、残りの玉をビールと交換した。

「ただいま。かっちゃん、ビールもらってきたよ〜」

上機嫌で帰宅したきよ美だが、部屋に入ると一瞬で顔色が変わる。勝彦が苦しみながら倒れていたのだ。慌てて救急車を呼ぼうとするが、鞄をひっくり返してもスマホが見つからない。

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「だから...掃除しろって...」

苦しみながらも、スマホがありそうな場所を指示する勝彦。しかし、テーブルの下、キッチン、洗面台の横...どこを探してもスマホがない。ますます慌てるきよ美に、「枕元だ」と息も絶え絶えな勝彦。掃除しなかったことを後悔しつつ、急いで確認すると、枕の下にスマホを見つけた。

「あったよ! いま救急車呼ぶからね!」

急いで119番に電話するが、その間にも勝彦はどんどん苦しそうになってゆく。電話で「すぐお願いします! 苦しがってます!」と必死に懇願するきよ美。

「かっちゃん、今来るから!」

勝彦の手を握ると、苦しみながら「きよちゃん」と話しかけてくる。

「今日の薬は...?」

「飲むよ、ちゃんと飲むよ」

涙を流しながら勝彦を見つめるきよ美。

「龍角散、買っといたから...」

「分かった...」

勝彦は安心したようにきよ美に笑いかけるが、その意識はだんだん遠のいていき...。

「かっちゃん...ねぇ、かっちゃん! 早く、早くー!!!」

きよ美は勝彦の手を握りながら泣き崩れるのだった。

9月4日(土)夜11時25分からは、ドラマ「家、ついて行ってイイですか?」第4話を放送!

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