石破茂vsひろゆき「日本もアフガニスタンのようになる。他人事ではない」

公開: 更新: テレ東プラス

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米イェール大学助教授の成田悠輔氏と、2ちゃんねる創始者の西村博之(ひろゆき)氏が日本や世界の根本的な問題に新しい視点を提供し再定義するトーク番組『Re:Hack』。

今回は政界の大物である衆議院議員・石破茂さんをお招きし、日本の国防と危機について徹底討論する。

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日本もアフガニスタンのようになるかもしれない

まずはタイムリーなアフガニスタン情勢について伺いたいと切り出したひろゆきさん。
ひろゆきさんの見解では、中国がタリバン政権と友好的な動きを見せているため、国連も追従せざるを得なくなり、アフガニスタンは国際社会的にも正式にタリバン政権になると予想。
その見解に石破さんも同意を示しつつ「民主主義や人権を自分で勝ち取っていないものは強くない」と持論を展開する。

今回のアフガニスタンや、古くは南ベトナムも構図は同じで、アメリカによって民主主義が普及させられたが、そのアメリカが資金などの理由で撤退した結果、ベトナムは社会主義国家へ、アフガニスタンはタリバン政権になったと説明。
自分たちで手に入れた民主主義ではないという点では、日本もアフガニスタンやベトナムと共通している。そのため、石破さんは「今の日本にとってアフガニスタンは他人事ではない」という見解を示す。

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他の国のためになんか誰も血を流さない

日本もアフガニスタンのようになってしまうことはあるのだろうかーー。ひろゆきさんは「(日本を含めて)自国に軍事力がない国はみんなこうなるのでは?」と疑問をぶつける。
石破さんは「他の国のためにだれも血なんか流さない。そんなお人好しの国なんてどこにもない」とし、そんな当たり前のことを直視せずに「日米安全保障は盤石だ」というようなことを言い続けていると大変なことになる、と日本の国防に警鐘を鳴らす。

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日本がアフガニスタンの事例から学ぶべきこと...それは「独立、民主主義、人権というものを守るためには大変な努力が必要だ」ということ。
上記のような国防の基本的な考え方について「(政治パフォーマンス的に)当たり前のことをウケないけど語らないなら、政治家なんか辞めたほうが良い」と石破さんは強く主張した。

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土器の違いよりも日清戦争を行った理由を学校は教えるべき

どれだけ国防は大事だと言われても、「日本人の大半は平和ボケをしている」と成田さん。たしかに日本がアフガニスタンと似ていると言われてもピンと来ないのも事実・・・。

石破さんも「国民は日々の生活で忙しいので国防ばかりを考えるわけにもいかない」としながらも「日本が戦争をすることになった理由を歴史から学ぶことができるのに、学校で近現代史をほとんど教えていないことは、おっかないことだと思っている」と日本の学校教育制度に疑問を投げ掛ける。

縄文土器と弥生土器の違いよりも、なぜ日本が日清戦争をすることになったのか学んだほうが役に立つはず、と石破さん。たしかに、生活の中で土器の違いの知識が役に立った記憶はない・・・。

そこでひろゆきさんが「(近現代史教育について)文科省がコントロールすることは可能では?」と質問すると、石破さんは「日教組左翼教育が関係している」と持論を展開。
70年経っているにも関わらず、戦後間もない感覚がまだ残っており、価値観が混在している領域に手を付けることに抵抗感が残っているのではと解説した。

アジア太平洋地域防衛の鍵は日英同盟の復活!?

国防の重要性は再認識できた。しかし、最近の兵器はステルス戦闘機やサイバー攻撃対策など高度化し続けており、国防費が高騰を続けているのも事実。日本1カ国だけでは賄いきれないのではないだろうかーー。

成田さんは「自国だけで賄いきれないならば、日本はどこの国と国防開発においてパートナーとなるべきか?」と質問。

石破さんは「アメリカと言いたいが、バーゲニング・パワー(※)が効かないので、実はイギリスと組む価値が非常に高い」とイギリス推しであることを明言。同じ海洋国家であり、次期戦闘機開発においても、アメリカ以上に情報開示をしてくれる可能性が高いという。また日英同盟を結んでいた歴史もある。

では肝心なアジアで組む相手はいないのか? 石破さんもアジアで組む重要性は認めながら、イギリスはオーストラリア・ニュージランド・シンガポール・マレーシアと結んでいる5カ国防衛取極があることを紹介。イギリスと組むことで、これらアジア太平洋地域の主要国とも緊密な関係を持てる可能性が高まるようだ。

※2者以上の関係者が交渉・折衝を行う場合におけるそれぞれへの対抗力を指す。

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そもそも集団的自衛権議論の意味ってあります?

他国との連携といえば集団的自衛権の話題は切っても切れない。しかし、ひろゆきさんはこの集団的自衛権に懐疑的な様子。「そもそも集団的自衛権議論をやる必要があるのか?」と切込む。
いざ戦争が始まってしまった場合、国際社会が「それは集団的自衛権じゃない!」と主張したところで止められないし、すでに国民も死んでいるみたいな場合、その議論は果たして意味があるのか? 日本においても、例えば自民党が旗を振って国会で承認をされてしまえば「あれは違う」と議論したところで止めることはできないのではないかと主張。

石破さんは自公政権が過半数を占めていてもそんなにハードルが低い行為ではないとしながらも、実際の国際情勢がどういう状態になったら発動させるべきかという議論は日頃から行っていくことが重要であると主張。例えば中国が台湾へ侵攻したら・・・など。ひろゆきさんの言う通り、戦争が始まってしまってからでは遅いからこそ、日頃から国民や議員たちは議論しておくことに意味があるのかもしれないーー。

中国よりも注意すべき日本存亡の危機とは!?

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日本の国防が多方面において脆弱性があることはなんとなくわかってきた。とはいえ、中国が「私達、中国人民解放軍です!」と堂々と台湾や尖閣諸島に侵攻してくる可能性は低いとのこと。

では「日本存亡の危機が次に訪れるなら何が原因になるのか?」と成田さんが根本的な疑問に立ち返る。「日本人の肌感覚としてリアルにヤバいと思える危機はあるのか?」と石破さんに質問をぶつけると「日本の中間層がどんどん貧しくなっていることでしょう」と即答。
中間層の貧困という危機の原因は資本主義の暴走による格差と分断にあるという。今回は、国防の回かと思っていたら、経済的な話題に・・・! 「日経テレ東大学」らしい政治と経済が絡み合う議論の行方は!? 日本の国防に未来はあるのかーー。

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※番組情報
【ひろゆきvs石破茂】中国は覇権取るのか?日本滅ぼす正体【尖閣・台湾・アフガニスタン】

出演:
成田悠輔(半熟仮想株式会社代表、イェール大学助教授)
西村博之(ひろゆき 2ちゃんねる創設者)

ゲスト:
石破茂(衆議院議員)
ピラメキパンダ(テレビ東京所属 パンダ)

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