安藤美姫さんのスクールライフも!「中京大学付属中京高等学校」がトップアスリートを生み出す秘密

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歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、数々の五輪選手を輩出している「中京大学付属中京高等学校」(以下、中京大中京)。スタジオゲストに卒業生の安藤美姫さんを迎え、トップアスリートが次々誕生する秘密に迫る。

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中京大中京があるのは、愛知県名古屋市。1923年創立、男女共学で現在の生徒数はおよそ1400人。特進・進学・国際と3つのコースがあるが、特筆すべきは卒業生の顔ぶれ。
安藤美姫さんをはじめ、浅田真央さんや宇野昌磨さんらフィギュアスケート選手、侍ジャパンの稲葉篤紀監督、ヤクルトスワローズの嶋基宏選手など、トップアスリートを多数輩出している。スポーツの学校のようにも思えるが、大学進学率は9割以上。筑波大や東北大など難関大学の合格者も多く、文武両道の名門校だ。

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様々なスポーツで全国制覇。特に硬式野球部は圧巻で、甲子園には春夏合わせて60回出場し、全国制覇は11回。今年の春もベスト4に進出し、「甲子園通算136勝」は日本一の記録だ。校長室にお邪魔すると、バランスボールに座って仕事をする伊藤正男校長先生が迎えてくれた。フィギュアスケート全国高校総体では13回優勝。フィギュアだけではなく、野球や陸上、水泳など、数々のトロフィーが飾られている。

スポーツクラスにお邪魔すると、山盛りの弁当を食べる生徒の姿が。「食べないと強くなれない」と、1日5回食べる水泳部員も。陸上やサッカーでインターハイ優勝した生徒など、錚々たる顔ぶれが揃う。

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スポーツクラスでは、どんな授業をしているのだろうか? 英語の授業に潜入すると、教室には洋楽が流れ、モニターに歌詞が表示されている。これには、楽しみながら英語を覚えるとともに、ポジティブな曲によって良いイメージで試合に臨むという狙いが。テキストには海藻の健康効果なども掲載されており、英語の授業でもスポーツに役立つ内容を学ぶことができる。
英語科の先生は「生徒たちは将来、英語でインタビューを受けたりする。それを想定しているので、他のコースの生徒とは違う教科書を使い、生徒たちが考えるような内容に持っていきたい」と話す。

続いて特進コースへ。教室に入ると、教えているのは先生ではなく生徒だった。考える力を伸ばすことに力を入れている特進コースでは、理解力と発想力を養うため、生徒が教えることもあるという。

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数学科の先生は「最終的には、教師がいなくても教科書を見て勉強が出来る生徒を育てたい」と話す。この日、先生が出題した問題は1問のみ。解説せずヒントのみを与え、自分で考える習慣を身につけさせていた。

2年前に設置された国際コースでは、英語でプレゼンが行われていた。卓越した英語力と国際感覚を身につけることを目指すこのコース。3年間で1100時間の英語授業、海外研修や国際交流プログラムもあり、世界で活躍する人材が育まれている。

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学校内には、「真剣味」という言葉がいたるところに貼り出されている。「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ...これは究極のミッション」と話す伊藤校長。
この校訓を掲げたのは、学祖の梅村清光。「真」は学力、「剣」は体力、「味」は人間力、バランスが取れた人間形成を目指すことを意味している。
創立からおよそ100年、脈々と受け継がれてきた「真剣味」の理念。取材班は、その校訓を体現する野球部に密着した。

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朝7時。部員たちが行っていたのは、雨で湿ったグラウンドの整備。こうした仕事は下級生の役割かと思いきや、整備を行っていたのは3年生。真剣味の「味(人間力)」を、最上級生が下級生に身をもって伝えているという。
プロ野球に進む生徒もいるが、多くは大学に進学するため、勉強もおろそかに出来ない。授業が終わると練習だが、この日はあいにくの雨。室内練習場はなく、部員たちは雨を避けた狭い場所でトレーニングに励む。

雨が上がると一斉にグラウンドへ。ナイター設備もないので、練習は3時間のみだが、短い時間でも、時間を区切って練習法を工夫。高橋源一郎監督は「『こうしろ、ああしろ』は極力控えて、自ら取り組めるような形で考えさせたい。時代が変わっても、真剣に野球をやって真剣に仲間と勝負。このスタイルだけは変えてはいけない」と語る。

キャプテンのノートを見せてもらうと、甲子園出場に向けて毎日の練習で気付いた課題がびっしり。

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全員が書く野球ノートには、選手が自らの課題を毎日記録していた。自ら考えて取り組むことは、人間力も高める...校訓「真剣味」の教えが浸透し、変わらぬ強さを支えていた。

現在の文武両道の裏には安藤さんの存在が。安藤さんが入学する際、当時の校長が「進学重視に偏ってもダメ。スポーツにも力を入れよう」と再び方針転換。その目玉として、女子史上初の4回転を飛んだ地元出身の安藤さんを、スケートリンクを作って迎えたという。総工費はなんと十数億円!

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狙いは見事的中し、安藤さんが高校3年生でオリンピックに出場すると、再びスポーツの学校として脚光を浴びることに。その後はスケートリンクがあるということで、浅田真央さんや宇野昌磨さんも入学。全国屈指のスポーツ名門校として、今では様々な競技の生徒が集まるようになった。

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学力が高い中京大中京に入学することについて、安藤さんは「ジュニアの頃からスケートでトップを目指していたので、勉強は諦めていた。でも『学力のレベルではなく、スケートでトップを保ちつつ学校に来たら良い』と言ってもらった」と告白。「勉強は大変だった。肩身が狭いながらも、アスリートの生徒同士で協力し合っていた」と、学生時代を笑顔で振り返った。

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最後に安藤さんは母校について「真剣味 感謝」と綴り、「高校時代はわからなかった"真剣味"の本当の意味を理解することができた。『真実味のあるアスリートでいたい』という思いがあったので、この言葉は意外に合っていた。これを機に、全国にこの言葉を広めたい」と語って番組を締めた。

他にも、スポーツクラスの激励会、オリンピックを目指すフィギュア部期待の選手、フィギュアあるあるなど、盛りだくさんの内容でお届けする。

8月23日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」は、ゲストにレッド吉田(TIM)を迎え、高校野球の名門「智辯和歌山中学校高等学校」の凄さに迫る。

甲子園に春夏合わせて39回出場。高校野球界のレジェンド、最多勝利を誇る高嶋仁前監督を緊急取材。また、智辯和歌山といえば甲子園名物の全校応援! そもそもどんな学校なのか? 名門校のカメラが潜入すると...何と読経。この読経に智辯和歌山の精神の秘密があった! さらに、毎朝10分読書の時間が。一体なぜ...?

そして中高一貫の教室をのぞいてみると、何と中6なる教室が。ここにも智辯和歌山の教育方針の秘密が隠されていた! どうぞお楽しみに!

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