<テレビ東京・売り子対談後編>就活時のアピールにも?「1日3試合、連続で売り歩いたこともありました」:池谷実悠の”推し事”備忘ログ

公開: 更新: テレ東プラス

毎月、池谷実悠アナウンサーが推し事(※推しを愛するための活動)紹介する連載「池谷実悠の"推し事"備忘ログ」。第7、8回は、特別編として「テレビ東京 売り子対談」を開催!
池谷アナウンサー、スポーツ局・野町真名実さん(※後日、リモート取材)、配信ビジネス局 配信ビジネスセンター・正井彩夏さんと、大学時代に売り子のアルバイトをしていたテレ東社員同期3人が集結し、前後編に渡ってその舞台裏や知られざる秘話をお届けします(※前編はコチラ!)。

oshigoto_20210821_01.jpg▲左から、池谷アナウンサー、正井さん

朝からビールのタンクを背負って売り歩き...部活の合宿のような根性が試されます

――前編では売り子の舞台裏について伺いました。想像以上の試練があることがよくわかりましたが、売り子のアルバイトによって身についたスキルはあるのでしょうか。"今のお仕事に活かされているな"と感じることはありますか?

正井「やはり接客の技術でしょうか。私はサッカーの売り子で、味の素スタジアムで働いていましたが、長く続けていくと、次第に常連さんと仲良くなっていくので、サッカースタジアムに登場した瞬間、『今日もありがとう!』と声をかけていただくことがありました。ビールを注いでいる最中にゴールが入ったら、みんなで一緒に喜ぶことができますし、自然と『今、誰が決めました?』という会話が生まれ、その一体感がとても好きでした。売り子の経験を通して、人と話すことがさらに楽しいと思えるようになった気がします。"話しかけられやすい雰囲気"を作ることも学ばせていただきました」

池谷「正井さんや野町さんと話していて"共通するな"と感じるのは、3人ともお祭り騒ぎが好きで人と話すのが好きということ。私も、正井さん同様、野球という国民的なスポーツを通し、ラフな感じで幅広い年代の方々と話をするのがすごく楽しくて、いい経験になったなと思っています」

野町「私はメットライフドームで働いていましたが、"アピールする力"を養うことができたと思っています。小さい頃から西武ファンでしたが、ファンであることを強みにして、応援歌に合わせて手でリズムを取ったり口ずさんだりしながら売るようにしていました。そんな私を見てくださったお客様が、『西武ファン?』と親近感を持ってくださり、ビールを買っていただけることもあったので...。受け身ではなく『自分の強みをどうアピールして活かすか』という工夫も学べたような気がします。
それはディレクターとなった今の仕事にも活かされていて、『私の強みはどこだろう』『選手の皆さんにどうアプローチしていけばいいのか』ということを常に考えて行動するようにしています」

ike_20210821_1-1.jpg▲スポーツ局の野町さんは、ディレクターとして千葉ロッテマリーンズを取材。

正井「あと売り子の経験を通して、"人を観察する力"が育まれたような気がします。売り子のお仕事をしていると、"あのお客様はそろそろ2杯目を欲しがっているな"ということを敏感に感じて読み取らなくてはならないので、人の気持ちによく気づくようになりました」

池谷「たしかにそうかも! これはひょっとすると売り子の癖かもしれませんが、ものすごくよく人を見るようになったような気がします」

正井「試合中、"あのお客様はビールを欲しそうにしているな。席まで行ってみようかな"と常に自問自答しているからかもしれません。人が何を考えているのかを読み取る観察眼が磨かれたというか。例えば私の場合、お仕事でキャストの皆様に番組の見どころをお伺いする機会が多いのですが、相手の表情を見て"この質問はちょっと違ったかな? 次にいこう!"という瞬時の判断ができるのは、売り子時代の経験が役に立っているのかなと。蓄積されたものが間接的に活かされているような気がします」

池谷「お客様の心はもちろん、売り子同士でもお互いに空気を読まないと...。東京ドームは『先輩が行った列に行ってはいけない』という暗黙のルールのようなものがありました。先輩にも気をつかいますし、"あの列はさっき先輩が売ったからダメだな。他の会社の売り子さんがあの列に行ったけど、あまり売れてないからやめておこう"など、ボードゲームのように頭を使わないと意外と売れない世界なんですよ。私は、"あのお客様は1杯目を何時頃に飲んだから、もうそろそろ2杯目いくな"とか、細かい部分まで覚えておいて戦略を立てたりしていました(笑)。全体を俯瞰で見る大切さも学んだような気がします」

正井「すごい! そこまで考えるとは...さすがは東京ドーム!(笑)」

oshigoto_20210821_thum.jpg

――こうして伺うと、売り子の世界は想像以上に奥が深いのですね!

池谷「そうですね。楽しい経験もつらい経験もすべてが身になるというか...こうして語れば語るほど、学びは多かったなと感じます。部活のようなところもあって、例えば、ドームで行われる『都市対抗野球大会』の場合、1日3試合、朝・昼・晩と売り子をやります。そうなると、平日の朝からタンクを背負って売り歩くのですが、それが12日間も続くので、部活の合宿のような根性が試されます。私は大学の授業があり、8日間しか働くことができませんでしたが、ものすごい運動量ですし、先輩も後輩もみんなきついので、同じ会社でチームのような結束感が生まれます。誰かのビールがなくなったら、誰かが急いでタンクを変えに行くというような連携プレーで戦わないと勝てない。都市対抗は会社単位でシェアを争っていました。"楽しかったな~"と懐かしく思うと同時に、根性が試されるほどの地獄でもありました(笑)」

――連続で1日3試合...部活の合宿よりも長丁場じゃないですか! 聞いただけで気が遠くなります(笑)。野町さんは、テレビ東京の入社試験の際、売り子経験についてお話しされたそうですが...。

野町「はい! お話しさせていただきました。テレビ東京には、とにかく野球が好きで、『野球の取材がしたい』ということを必死にアピールした結果、入社することができたと思っています。その中のエピソードのひとつとして、売り子時代のお話をさせていただきましたが、面接官の皆様がとても興味を持ってくださったので、アピールポイントのひとつになったのではないでしょうか。売り子をやった経験はもちろんですが、私の場合、大学院のラスト1年で、自分がずっとやりたかった売り子の世界に勇気を持って踏み出せたことが大きかったです。それ以降、『失敗してもいいからやってみよう!』と思えるようになりました」

――なるほど。就活のアピールポイントにもなるのですね。池谷アナウンサーは、ご自身の中で、売り子を経験したことによって何か変化はありましたか?

池谷「そうですね。例えば"この人と親しくなりたい"と思ったら、まずは自分から心を開かなければいけないということを学ばせていただきました。自分の中で、さらに積極性が育まれたのではないかと思っています。その学びは社会に出てもしっかりと役に立っていて、先輩方とお話する際も、自分からプライベートの話をするように心がけています。元々そういう気質ではありましたが、さらに勇気を持って相手の懐に飛び込んでいくことができるようになりました。ただ、それがうまくできているかどうかは、正直自分ではわかりません(笑)」

oshigoto_20210821_04.jpg
――前後編に渡り、楽しい取材をありがとうございました! 次回「池谷実悠の"推し事"備忘ログ」は9月下旬に公開予定です。「東京2020オリンピック」の裏話も? どうぞお楽しみに!

※売り子に関するすべての情報は、アルバイトをしていた当時のものになります。

【池谷実悠アナウンサー プロフィール】

oshigoto_20210821_05.jpg▲マリトッツォの存在を「よじごじDays」(毎週月~金午後3時40分)で知ったという池谷アナ

1996年9月18日生まれ。静岡県出身。O型。2019年、テレビ東京に入社。『よじごじDays』(月、水、金曜メインパーソナリティー)『日経ニュース プラス9』『追跡LIVE!SPORTSウォッチャー』、毎月末の金曜夜9時からLIVE配信している『里崎智也の月刊プロ野球』などを担当。

【スポーツ局・野町真名実さんプロフィール】
入社3年目。担当番組:「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」ほか。スポーツ記者として千葉ロッテマリーンズを担当。
テレビ東京スポーツ」公式YouTube では、ロッテの映像を続々配信。「里崎智也の月刊プロ野球」では、池谷アナと共演している。

oshigoto_20210821_06.jpg
【配信ビジネス部 配信ビジネスセンター・正井彩夏さんプロフィール】
入社3年目。2021年、総合プロモーション部を経て現在の部署へ。
担当番組:ドラマ「僕の姉ちゃん」(Amazon Prime Videoにて2021年9月より全話一挙先行配信、テレビ東京にて2022年放送予定)ほか。

ドラマ「僕の姉ちゃん」のあらすじは...。
oshi_20210821_1-2.jpg
両親が海外赴任で不在の白井家。30歳の姉・ちはる(黒木華)と24歳の弟・順平(杉野遥亮)は留守を預かり、つかの間の二人暮らしをしている。メーカーの営業部で働く社会人1年目の順平(杉野遥亮)は、同期の真田美穂子(久保田紗友)のことが気になり始める。
帰宅し、「女の子のふと見せる素の部分がかわいい」と嬉しそうに話す順平だが、ちはるに「順平、女に無意識などない」と断言され、動揺する。
一方、輸入家電の会社に勤めるちはるは、会社にいる「いけすかない女」が、男との会話でいちいち家庭的キーワードを挟み込んでくるのが気にくわないという。予想外のちはるの話に戸惑う順平だが、そこには家の外ではなかなか聞くことのできない「女性のホンネ」が含まれているような気がして、妙に納得してしまうのだった。

PICK UP