町田啓太「受け止めきれないくらい、圧巻」北斎の傑作を前に想像膨らむ

公開: 更新: テレ東プラス

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北斎漫画も、冨嶽三十六景も、富嶽百景もコンプリート! 二十歳で浮世絵師としてデビューしてから90歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けてきた画狂の絵師・葛飾北斎の代表作が一堂に会する前代未聞の特別展「北斎づくし」が、7月22日(木・祝)~9月17日(金)東京ミッドタウン・ホールにて開催。北斎が手掛けた数多くの作品がこれだけ一度に見られるのは最初で最後かも!?

本展のアンバサダーに就任し、音声ガイド・ナビゲーターも務める町田啓太さんにインタビュー。「北斎づくし」の見どころや、生涯で93回も転居した引っ越し魔の北斎にちなんで、町田さんの引っ越しに関するエピソードもうかがいました。

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――「北斎づくし」の展示を実際にご覧になって、いかがでしたか?

「受け止めきれないくらい、圧巻です! 会場の作りも素晴らしく、まるで絵の中にいるような感じでした。葛飾北斎といえば『冨嶽三十六景』にも代表されるような"波"や"北斎ブルー"というイメージが強かったのですが、よく見ると一緒に描かれている人物がまた魅力的だと気づきました。ここに来れば作品の中の人物と同じような気持ちになって展示物の数々を見られるんじゃないかと思います。僕も、北斎のダイナミックさ、繊細さなどを感じながら"どんな方だったんだろう"と、いろんな想像を膨らませながら見ました」

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――これまでと、本展を見てから、葛飾北斎に対するイメージは変わりましたか?

「アーティストとして感覚的な方かと思っていましたが、とても繊細で、構図も計算しつくされている。描き方を教える"絵手本"も展示されているのですが、とても簡潔で分かりやすく描かれているんですね。これは、感覚だけではなく技術がないと出来ないことだと思いました。70歳を越えても『まだまだだ』と、進化を止めなかったのはすごいことですし、だからこそ後世まで残るものが出来たのだろうな、と。自分に置き換えたら、そんなことができるだろうかと考えてしまいますね」

――本展の中でも特に見どころは?

「ユーモアがたくさん散りばめられているところが面白いです。ものによっては、刷った時期によって版が若干変わっていたり、編集者さんの意向で足されている部分があったりして、それを見比べることもできます。『こういうところに遊びを入れているんだな』と、"発見していく楽しみ"があると思います」

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――中でもお気に入りの作品は?

「波が鳥に変わっていく作品です。パッと見は分からなかったのですが、水しぶきかなと思ってよく見たら波の先が鳥になっていて。しかも1羽1羽に表情がある。これはすごいなと思って印象に残りました」

――ちなみに、町田さんご自身の絵力はいかがでしょうか? もし作品を手掛けるなら?

「絵力は分からないですが、モノを創ることは好きです。田舎育ちで自然が好きなので、地元の風景をモチーフに何か作れたらいいなと思います。お見せできるものになるかは分からないですが(笑)」

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――北斎は生涯で93回も転居した"引っ越し魔"としても知られます。町田さんは、引っ越しにまつわる思い出はありますか?

「僕は、そんなに何度も引っ越しをする方ではないですね(笑)。大学進学にあたって田舎から上京してきたときに初めて一人暮らしを始めました。大学から近いところに住んでいたので、同級生のたまり場になっていて。念願の一人暮らしだったのに、毎日誰かしら家にいるという状態でした(笑)。

そのとき週に5日ぐらいずっといたのが関口メンディー。メンディーに鍵を預けて僕が先に家を出て、学校で鍵を返してもらうこともよくあったのですが、ある日、帰宅したらとんでもなく家の中が湿気でひんやりしていて。お風呂の水が出しっぱなしになっていたんです。真冬でしたが、お湯が出なくなっていたので真水の風呂に入ることになりました。いまだにその話をすると、メンディーは『本当にゴメン』って謝ってきます(笑)」

生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」、9月17日(金)まで東京ミッドタウン・ホール東京にて開催。ぜひ、町田さんの音声ガイドとともに北斎の世界をご堪能ください!
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【プロフィール】
町田啓太(まちだ・けいた)
1990年7月4日生まれ。群馬県出身。俳優。劇団EXILEのメンバー。映画やドラマの話題作に次々と出演。「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京)、「今際の国のアリス」(Netflix)など話題作に多数出演。大河ドラマ「青天を衝け」(NHK)では新選組副長の土方歳三を熱演。現在進行中のテレビ東京×めちゃコミックのコンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます‼」の審査員、ドラマの主演を務める。またドラマ「JAM -the drama-」が8/26(木)夜10時~ANEMASPECIALチャンネルにて放送がスタートする。

(取材・文/高瀬純)

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