習志野高校吹奏楽部「美爆音」の秘密とは?コロナ禍で奮闘する35年ぶりの女子部長に密着!

公開: 更新: テレ東プラス

歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、千葉県にある「習志野市立習志野高等学校(以下、習志野高校)」。部活動の強豪校で、中でも吹奏楽部は、「甲子園」での応援演奏はもちろん、「侍ジャパン」の壮行会にも招待され、名物になっている。吹奏楽の王者はどのようにして作られているのか。スタジオゲストに吹奏楽部出身の井上和香さんを迎え、その秘密に迫る。

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全国屈指の吹奏楽部を擁する習志野高校。その吹奏楽部について、「吹奏楽をやっていたら、誰もが知っている高校。レベルの高い人たちが集まる」と井上さん。

習志野高校の最寄り駅は、京成本線の実籾駅。生徒数は952人で、今年で創立64年目を迎える。校舎に入ってまず目に入るのは、数々の部が獲得した全国優勝の証し。2度制覇した「夏の甲子園」をはじめ、サッカー、バレーボール、バスケットボールなど、多くの部が全国制覇を成し遂げている。プロ野球で大活躍した"ミスタータイガース"こと元・阪神タイガースの掛布雅之さんや、サッカー元日本代表の玉田圭司さんなどを輩出。さらに難関私立大学に合格者を多数出すなど、まさに文武両道の高校だ。

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吹奏楽部の生徒に話を聞くと、「習志野高校に入って大正解。コロナ禍だけど、楽しいことがいっぱいある」とコメント。岩波永校長先生は、部活動強豪校としての教えについて「先輩から受け継がれているものが多い。本校のフレーズは、"雑草の如くたくましく"。これが習志野高校のひとつのステータス。自分たちは決してエリートじゃない。少しずつ力をつけていって、一歩一歩レベルアップしていく。そういった伝統みたいなものを伝えている」と語る。

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運動部が力を発揮する秘密兵器が、「美爆音」と呼ばれる吹奏楽部名物の応援演奏。千葉ロッテマリーンズの応援に招かれるなど、日本トップクラスの演奏で、地元のイベントでも欠かせない存在になっている。

男子バレーボール部の生徒は「背中を押してくれる存在なので、かなり心強い」「鳥肌が立って、もう1段階上のレベルでプレーできる」とコメント。鈴木明典監督は「吹奏楽の応援があるとないとでは点数が違う。応援演奏が鳴った瞬間に、選手のジャンプ力がグッと上がる」と、その効果について語る。

母校を背負って戦う選手に、演奏と応援で魂のエールを送る吹奏楽部員たちも「勝利の喜びを分かち合えるのが一番楽しい」「"活動の一部"というより、楽しみになっている」と、心から楽しんでいるようだ。

吹奏楽部は1962年に創部。その実力は折り紙付きで、受賞歴は「全日本吹奏楽コンクール」金賞を23回、「全日本マーチングコンテス」ト金賞を15回と、圧倒的な実績を誇る。吹奏楽の名門では、日々どんな練習が行われているのか...カメラが密着した。

meimonkou_20210815_04.jpg(※2021年7月14日撮影)

朝7時。音楽ホールから聞こえてきたのは絶叫する声。覗いてみると、部員たちが激しいエクササイズに取り組んでいる。吹奏楽は腹筋を使うため、体育会顔負けの筋トレは欠かせないそう。それが終わると、楽器を使わず、テンポに合わせて息を長く強く吐き出す"ロングブレス"のトレーニング。発声練習や合唱も。「体を響かせることができなければ、楽器を響かせることはできない」。それが習志野高校吹奏楽部に代々伝わる教えだ。

午後は楽器ごとのパート練習。名門とはいえ上級者ばかりではなく、入学してから楽器を始めた生徒もいて、初心者でも音楽を楽しめる環境が整っている。

生徒が自分で考え、決めて、行動するのが習志野高校吹奏楽部の伝統。タイムスケジュールも部長が管理するなど、生徒自身が部活を運営。その姿勢は代々受け継がれている。

吹奏楽部の目標のひとつが、10月に名古屋国際会議場で開かれる「全日本吹奏楽コンクール」。コロナ禍により昨年は中止となったが、習志野高校は2019年には銀賞を受賞した。このコンクールで演奏できるメンバーは、192人のうちわずか55人。誰が演奏しているか見えない状態で1人ずつ審査する"部内オーディション"により、今年も55人が選出された。その多くは得意の楽器を長年続けてきた生徒だが、中には楽器を変えて挑んだ結果、選ばれた生徒も。

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3年生の三階さんは、1年生の時にフルートからファゴットに転向。「ずっとファゴットをやってきた人には、1〜2年では追いつけない。3年間かけてじっくり基礎練習をして、最後にメンバーに選ばれたいという気持ちでやってきた」と話すが、その甲斐あって、3年生で見事メンバーに選出された。「転向という判断は間違いではなかった。"石の上にも三年"ということわざがあるとおり、ちょっと嫌だなと思っても、やっていくうちに楽器の良いところが発見できたりする。まずは続けてみるのが大事」と語る。

顧問の織戸弘和先生も「楽器を変更して落ち込むこともあるけれど、変わることによって新しいチャンスが生まれる。前向きな形で捉えてもらいたい」と話す。

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現在、吹奏楽部の部長を務めるのは、3年生の相みのりさん。中学時代、吹奏楽部の顧問の先生が習志野高校吹奏楽部出身だったことから、同じ道へ。誰にも負けない熱意で、35年ぶりの女子部長に指名された。

コンクールのメンバーには選ばれなかったものの、吹奏楽部が大好きだという相さんは、「自分たちは最後の年なので、悔いなく終わりたい。後輩たちにも『この代で良かった』と思ってもらえるような部活でありたい。『習高サウンド』といわれる、温かくてジワーッと響くような機械ではできない音楽を届けられたら」と熱く語る。

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コンクールメンバーが音楽ホールで練習している間、他の部員は廊下でマーチングの基礎練習。マーチングメンバーは81人。その他の部員も「日本管楽合奏コンテスト」などを目指し、日々練習に励む。マーチング顧問の海老澤博先生は、「コンクールは違っても、どこでも習志野高校らしい音楽ができるようにしている」とコメント。部員全員が「習高サウンド」を奏でるレギュラーメンバーなのだ。

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今年、一部を除き無観客で開催された「夏の甲子園」。それでも"精一杯のエールを届けたい"と、試合映像に合わせた応援練習が行われていた。野球部の夏は県の予選準々決勝で終わってしまったが、大きな声援と凄まじい熱気、その一体感と魂のエールは、満足な活動ができない全国の高校生に向けて..."心からのエール"にも感じられた。

最後に部長の相さんは、「習高吹奏楽部を一言で表すと、一生懸命。何事に対しても絶対に諦めないでやり続ける」とコメント。力強く、吹奏楽部の魅力を語った姿が印象的だった。

他にも、吹奏楽部員総勢192人による演奏、OBのコメント、中学生との共同練習、"吹奏楽部あるある"など、盛りだくさんの内容でお届けする。

8月16日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、数々の五輪選手を輩出する中京大学付属中京高等学校の名門たる秘密に迫る!

今回はゲストに卒業生で五輪出場の経験がある安藤美姫さんを迎えて送る。

1923年に創設された中京高校には、特進・進学・国際の3コースがある。圧巻は卒業生だ。浅田真央さん、宇野昌磨さんなどのフィギュアスケート選手や、「侍ジャパン」を率いた稲葉篤紀監督、ヤクルトスワローズの嶋基宏選手などのトップアスリートを数々輩出。その上大学進学率は9割以上で、筑波大学や東北大学といった国公立大学の合格者も出している文武両道の学校だ。

番組ではまず、スポーツコースに潜入。すると意外な授業の光景が...。さらにフィギュアスケートの選手にも取材する他、特進コースや国際コースの興味深い授業内容についても紹介する。

どうぞお楽しみに!

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