台湾で感染爆発...水際の優等生に何が!? 検証”日本の水際対策は本当に緩いのか”:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)。7月23日(金)の放送では、新型コロナウイルス感染症に関する日本の水際対策を検証。"他の国と比べて水際対策が疎かではないか"とも言われる日本。本当に「緩い」のかどうなのかを調べた。

規制と緩和を繰り返す日本の水際対策「コロナは検疫泣かせ」

インドで流行し世界に広がった「デルタ株」が、いま猛威を振るっている。日本でもデルタ株の感染者が劇的に増えている。

6月末。成田空港ではインドのムンバイから入国した人たちが強制隔離生活に入るため、ホテルへ向かうバスに乗車していた。バスの乗務員は全員が防護服姿。入国者は、これからホテルで10日間の隔離生活に入るという。

入国者は、ビデオ通話アプリを使って毎日ホテルにいるか確認される。6月下旬に帰国した鈴木さん(仮名)は「何時にかかってくるかわからないので、部屋からも一切出られない」と話す。

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日本で検疫以外のデルタ株が初めて確認されたのは、今年4月20日。5月以降、対策を強化。対象国と隔離期間を広げている。
いま日本にどれほどの人が入り、どんな検査をしているのか。番組は成田空港の検疫所を取材。最前線の様子を探った。

6月末午後5時、緊張した空気が漂い始める。UAE(アラブ首長国連邦)からの飛行機が到着したからだ。成田空港にはこの時期、1日1000人ほどが入国していた。外国人は「在留資格保持者」「人道上のなどの理由がある」「五輪関係者」のみが日本に入ることが許される。

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厚労労働省 成田空港検疫所所長・田中一成さんは「新型コロナウイルスは一言で言うと『検疫泣かせ』」と話す。
「新型コロナウイルスは感染力のある無症候の感染者が多いため、従来のサーモ検疫では発見ができない特徴がある。また、1回の検査だけでは陽性か陰性か判断ができない。検疫としては、従来の手法が通用しない部分が多々ある非常に困った性質を持つウイルス。『ザルだ』『穴だ』とかあるけども、科学的な限界、検査の限界もある」と田中所長。

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一方、「強制的なことをやれば日本も違う状況になっていた」と指摘する専門家の声も。

「世界で最も成功」中国の水際対策をカメラマンが体験

他国はどうなのか。中国・北京に赴任することになったテレビ東京のカメラマンが、世界で最も水際対策に成功しているといわれる中国の様子を撮影した。

成田空港から約3時間のフライトを終えて空港に到着すると、出迎えたのは全身防護服の人々。貨物を扱うスタッフや監視員、さらに到着したホテルの受付の女性も防護服に身を包む。チェックインして部屋に向かうと廊下にはビニールがびっしりと敷かれていた。

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カメラマンはこのホテルで21日間強制隔離される。食事の配膳もスタッフとの接触はなし。隔離中には3回のPCR検査と1回の抗体検査を行う。

「部屋から一歩も出られないストレスを徐々に感じてきています。外で食事をしているのもうらやましい」......。筋トレや縄跳びをして気を紛らわす。

厳しい水際対策の台湾 再びの感染拡大はなぜ起きた?

2019年末から中国・武漢からの渡航者を検査するなど、世界で最も早く水際対策を行った台湾。新型コロナの封じ込めに成功したと世界からも評価されたが、今年春に新規感染者が増加した。

最初に感染爆発したとされるのは、台湾桃園国際空港に隣接されたホテル。航空会社のスタッフが隔離用施設として使用していたところ、クラスターが起き、ホテル関係者35人が感染する事態となった。

また、台北市内のスナックやクラブが軒を重ねる歓楽街でも、クラスターが発生。

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店の利用者は「店のママが感染して、その後ホステスにもうつったみたい。窓がないような場所でエアコンもあまり効かない。女たちは1日100人くらい客の相手をするから、それが感染拡大した原因だ」と話す。

厳しい水際対策で知られる台湾は、以前海外からの渡航者に対して罰金を伴う14日間の隔離を義務化していたが、パイロットなど航空関係者の隔離を特例として3日に短縮。そのすぐ後に感染拡大は起きた。番組では、台湾のコロナ対策責任者や前副総統に感染拡大の理由を聞く。

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今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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