現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」（毎週金曜夜10時）。7月16日（金）の放送では、人肌で柔らかくなる驚きの素材や10の機能を持つハイテク布など、夢のような服や靴を実現する"新開発の素材"を取り上げる。
人肌で柔らかくなる！ 偶然生まれた"新素材"の可能性
衣類や靴など、身近な分野で使われる"新素材"が驚きの進化を遂げている。
大手素材メーカー「三井化学」が開発したのは、人肌で温めるだけで形状が変化し、どんな体型にもフィットする新素材「ヒューモフィット」。この素材を使い、下着メーカー「ワコール」が発売したマタニティ専用「とろけてバストになじむブラ」は、"授乳前後のバストの変化に合わせてフィットしてくれる"と大ヒット商品に。
注目の新素材は、さまざまな素材を開発する中で生まれた偶然の産物だった。三井化学・新製品開発グループリーダーの西川茂雄さんは、衝撃吸収性を強化するために使われる「アブソートマー」というプラスチックの原材料をシート状にした際、体温で柔らかくなるという特徴に気付く。
何か新しい物に使える...そう感じた西川さんは「食後の体の変化に合わせて伸びるベルト」「一人一人の手になじむゴルフクラブのグリップ」など、自ら「ヒューモフィット」を使った試作品を制作。展示会にも積極的に出展し、この性能を最大限に活かせる製品がないか...探り続けた。
そんな中「ヒューモフィット」に目を付けたのは、関西でアパレルブランドを展開する女性実業家の沼部美由紀さん。沼部さんが運営する婦人靴専門店のアンケートでは、お客の実に8割が「痛くない、履き心地のいい靴」を求めていることがわかる。"どうしたらみんなに合う靴が作れるのか..."模索していた沼部さんは、「ヒューモフィット」の可能性を感じ、西川さんと二人三脚でこれまでにない靴づくりを始める。
ところが、裏紙をはがした瞬間から体温が伝わって変形が始まる素材に、靴職人は悪戦苦闘。出来上がった試作品は、「ヒューモフィット」に体温が伝わる前後で履き心地やホールド感に差が出てしまうなど課題が山積。解決に向けて動く西川さんだが、理想の靴作りの行方は...。
そしてこの新素材には、大企業も熱視線を送っていた。家具メーカーは"体に密着するソファができるのでは？"と注目。さらに名乗りを上げた意外な企業とは...。
10の機能を持つハイテク繊維で実現！"着るだけで健康を守る服"！？
保温性や速乾性など衣類の機能性が注目される中、40社以上のアパレルメーカーで採用されているのが「COVEROSS（カバロス）」という新素材。加工次第で吸収速乾・接触冷感・UVカット・抗菌・防臭・セルフクリーニングなど、10種類以上の機能を持たせることができるハイテク繊維だ。
「COVEROSS」を開発したのは、社員22人のアパレルメーカー「ハップ」。社長の鈴木素さんは元々繊維商社で勤務。世界中の糸や生地に接してきたが、「より快適な服を作りたい」と15年前に起業。ファッション性に加え、毎日着る洋服の快適性を追求し、新素材を続々と生み出してきた。
鈴木さんを支えるのは、町工場の技術力。いろいろな化学物質を生地になじませることで、いろいろな機能をつけるのだ。例えばガムなどに使われるキシリトールを配合すれば生地に冷感性を持たせることができる。使う素材は天然由来のものなど、なるべく体にいい物を選んでいるという。それらを混ぜ合わせ、互いの機能を打ち消さないよう絶妙な配合バランスが肝となる。「誰も真似できない」という鈴木さん。特許を取らない方針というのは、絶対的な自信の表れだ。
未来の服の在り方を見据え、「人々の健康をアシストする洋服」を目指す鈴木さんは、さらなる新素材の開発を進める。この新素材と「COVEROSS」の吸水拡散機能を組み合わせて作るのは、着るだけで熱中症対策になる服。驚きの仕組みとは？
驚きの新素材の実力に迫る「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。お見逃しなく！
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